冬の終わりは
まだ固く凍った地面の上に 落ちた種は
砂をかぶって眠ってる
雨が打つ屋根の歌 おぼろに聞こえる
シューベルトの菩提樹
見えない雨は 見えない雲の下
冷たい傘を広げ 町を洗う
縮こまった背中の 乾いた傷に
指を滑らせてた 君の息は
冷えた毛布の中にもぐりこんで
震えながら春を待っている
何一つ見えやしない こんな雨雲の下で
誰かの声に誰かの夢を見てる
去り行く冬の 最後の冷たい雨
泣いていたのは 君じゃない
今も思うのは 冬の雨
氷よりも冷たく 僕を叩け
〇 〇 〇 〇 〇