頭ぐるぐる
頭の中を ぐるぐるまわっている
何だかどうしようもなく 重くて暗い
バケツの中の濡れた砂を いじりまわすように
ぐるぐると 同じことを 同じ場所で
春が来ても何一つ 前になんて進まない
ような気がして いらいらばかりつのる
うれしそうな春風が うとましいとは言わないが
同じ場所で 同じことが ぐるぐると
同じ陽気の同じ風の中に 同じ誰かの笑い声
そんな荷物ばかり抱えても 誰も喜ばないよと
肩をすくめて笑った君の 丸い鼻先をかすめて散る
一足早い砂混じりの風に 桜吹雪がなぞるのは
遠い記憶の底に眠る やわらかな身体の
影のような輪郭
〇 〇 〇 〇 〇