over the fence
誰もいない 休日の波止場の
錆びた鉄板の上に ひとり
ひなたぼっこしてる 猫の横を
我が物顔で 自転車をとばす
どこへ行くあてもなく
誰と会うでもなく
冷えた秋の空の下で
ひとり 汗をかいている
立ち入り禁止の有刺鉄線の奥で
資材置き場の水たまりが光ってる
去年は昨日 昨日は去年
考える間もなく過ぎる時間に
押し流されながら それでも
どうにか息をしてる
有刺鉄線を素手でつかんで 泣きべそかいた
いないヒーローを 今も ここで待ってる
〇 〇 〇 〇 〇