gardienne_de_phare

生活の記録 (料理、読書、ラジオ、子ども、犬、猫)

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最近の記事

わがままな食事

 フレデリック・ワイズマン監督の『至福のレストラン 三つ星トロワグロ』(2023)を観に行きました。(以下、『トロワグロ』と表記)これは、フランスの自然豊かな村ウーシュにあるレストラン「Troisgros」が親子3代に渡って55年間もミシュランの三つ星を維持することができるのは何故なのか、その秘密に迫るドキュメンタリーです。ワイズマン監督の映画は他に、『ボクシング・ジム』(2021)を観たことがありますが、かれのドキュメンタリーにはナレーションがなく、そこに存在する人々の行為

    • 生きてるフィッシュ

       青い水玉模様の白シャツで『non-no』を読んでいる、おばちゃん。4人がけのテーブル席に新聞紙を広げている、おじちゃん。ここはとても静かそうだ…と思って、着席する。モーニング(トースト+コーヒー)とコーヒーの値段が同じであることに手をピリピリさせながら、コーヒーを注文する。  おばちゃんの仲間2人、合流。おばちゃんがソファ先に座らず、店の出入り口に近いほうの席に座っていたのは、下座の意識なのか…?ただ単に、1人で座っているほうがラクというだけの気もする。2人が来た途端に、

      • 栗きんとん、カレー・システム

         ある人の誕生日を毎年お祝いしてきたのだけれど、今年はしなかった。話の途中で相手の人が寝てしまって、ブチ切れそうだったけれど、コーヒーを淹れて差し出した。それは、すごいね。    わざわざ百貨店に買いに行った栗きんとんは、この不安定な気候でクラクラした頭を復活させるほどの糖度はなかった。2個入りだったので、あと1個は次の日の夜に置いておいた。野菜を入れていたビニール袋に入れそうになって、しかし、この繊細なお菓子に匂い移りがあってはいけない…と思った。新しいビニール袋は無い。ア

        • 自己紹介|叛逆のイワシ

          はじめまして、私は20代後半に差し掛かった大学院生です。生活の記録のために、noteを始めました。私は料理をするのが好きです。あまり気を衒ったことはせず「ちょうどいい」ご飯を心掛けています。今日の主菜はイワシの塩焼きです。盛りつけの作法に倣わず、頭を右にして並べるだけでドキドキしてしまうような小心者です。 明日は祖父の1周忌のために、親族が集まります。私はいま、自分ひとりの部屋で密やかに祖父が亡くなった時のことを考えています。 祖父は肺ガンを患い、介助なしには生きられない

          悲しくて

           悲しくて、動けない日々が続いている。  夜はとても寒いので、友人が誕生日にくれた秋パジャマを卸した。蕎麦屋の店員みたいな色合いで、素材がとても柔らかい。今までに感じたことのないふわふわ感。それなのに「心地よく暮らすためには、パジャマにまで気を配らなければならないのか…」と憂鬱にもなる。  みかん果汁80%のお酒をロックで飲んでいる。美味しい、ゴクゴク飲みたい。でもボトルで800円くらいしたから今日飲み干したら、1杯…何円…。夜に眠れないから、ハーブティーを導入しようとしたら

          チクチク

           ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』の続きを読みに、近所のカフェに行く。家で読んだって良いのだけれど、昨日も家に篭っていたので、少しは人間のなかに混ざったほうが良いのでは、と思うのだ。そのカフェは、曜日によってバイトさんが違うので、私にとって「当たり」の日と「はずれ」の日がある。今日はどうだろうか。  ちょっと長居させてもらうつもりなので、席選びは慎重になる。場所はここが良いけれど、4人掛けだと混んできたときに申し訳なさが勝つんだよなぁ…等と考えながら店内をウロウロしてしまう。女

          スーパーのAさん

           いつも通っているスーパーには、色んなパートさんがいる。Aさんは、俯き気味で、ゆっくりとレジを打つ。どんなに混んできても、自分のペースを崩さない。私には、レジ打ちのアルバイトに憧れていた時期があったが、イライラしたお客さんがいたら焦ってミスしそう…と思って、結局やらず仕舞いになっている。祖母がよく「レジの人の動きが遅くって、遅くって!」と怒っていたのを思い出し、その反動でか、私はAさんをこっそり推している。  今日はAさんのレジに2番目に並べた。いま会計中の客は、お父さんと(

          スーパーのAさん

          街ゆく人に話しかけたい

          駅に向かって歩いていると、1人の男性が私を追い抜いた。「上の服も、下の服も、速乾性が高いのが好きなんですね」と話しかけたい。 バスの乗り継ぎで、目の前を歩く女の子が気になる。ギンガムチェックのトップスは、背中側の襟ぐりがとても深い。健康的に焼けた肌の一部がほんのりピンク色を帯びていて、ぷっくりと腫れている。蚊に噛まれている。「そんなとこ噛まれたら、(恥ずかしくて)堪らないよね…」と話しかけたい。 飲み会の帰り、銭湯の帰りに出会うペキニーズがいる。人慣れしていて、私の前でピ

          街ゆく人に話しかけたい

          他者とかかわる料理

          友人が韓国出張のお土産にと、胡麻油をくれた。 韓国海苔だけのつもりだったようだが、私が自炊をすると知って、それならば…と追加してくれた。「SESAME OIL」と印字されたグレーのスティック・タイプで、オシャレだねぇと言うと、現地の百貨店で買ったとの事だ。同時期に韓国を訪れていた父からのお土産は、とてもカラフルで、目の付け所によってこんなにも「韓国」そのもののイメージが違ってくるのかと驚く。胡麻油はチャーハンに使った。なかなかよい出来だった。 姉夫婦の家はとても近い。私の家

          他者とかかわる料理

          灯台守

          noteに生活を記録することにしました。 自分のなりの明るさを、自分で守っていくために。