ぼんやりと、でも心の底から湧いてくるような

「カフェをやりたい!」という思いに囚われた私が、まず始めたことは

カフェの学校に行くことだった。

その代官山にある専門学校の、

たかだか3ヶ月の「カフェプラニング」というコースで、

いったいどれほどのことが学べるのか疑問ではあったが、

実際、講師の先生は、店舗設計を本業としてやっていて

もちろん、カフェのオープンにも多く携わった事のある経験者。

まぁ、生徒は「見込み客」であるわけだ。

薄々それに気づきながらも、若い方達に混じって学校に通うということは

それだけで楽しいものだった。

遠く栃木から通っている女性は、

実家の古い蔵を改造してカフェにしたいと。

パティシエの男性は、スイーツ部門で勉強した後、
こちらの講座を受講して、本格的に準備にかかると。

漠然とカフェをやりたい、、と思っている段階で来ている人はいないように思え、何だか途方に暮れてしまったが

その講師の先生が教えてくださったことで一番印象に残っているのが

カフェをやることで一番大事なこと、それは

「人に優しく」

この言葉を、まず先生は大事なコトとして仰った。

人に優しく

私の心の中に思いがけなく投げかけられ、

静かに静かに広がっていった魔法の言葉だった。


お店の人はお客様に対しては「優しい」

でも、それが特別なことではなく、普段から人に対して優しくなれ。

その時は、え?と不意打ちをかけられたように思ったけれど、

全くその通りだなと、

今、しみじみ含蓄にある言葉だなと思っている。

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