ガーデナー(庭師)養成講座 第5期 最終日~登り込み剪定(スダジイ)編 vol.2~
昨年の10月にスタートした第5期ガーデナー養成講座。
半年にわたって実施してきた本講座もついに最終日を迎えました。
毎回の講座で感じるのですが、ほんとうに半年の講座があっという間。
そして、最終日には、卒業シーズンと重なるせいか、少し寂しい気持ちにもなります。
今回も、前回から取り組んでいるスダジイの登り込み剪定に引き続きチャレンジしていただきました。
半年間。20回の講座。
ちなみに最初の実技は、刈込からのスタートでした。
皆さんご自身の身長にも満たないような低木の刈込です。
今となっては、皆さん手慣れたもので、刈込というのが何たるかを理解されているのですが、最初は刈込鋏を入れるのも恐る恐るでした。
剪定への初めてのチャレンジは、ほぼ脚立を使用する必要のない高さの樹木の剪定でした。
このときは、外から樹形を見ながら取り組むことができましたので、ある程度イメージがしやすい剪定でした。それでも皆さん、どの枝を切って良いのかがわからず、ひと太刀を入れるのに、非常に悩んでおられました。
それが、これまでの19回の講座を経て、実際に樹木に登り込んで、剪定に取り組んでおられる。
着実に技術を身につけることができていますし、明らかに成長の跡が見えます。
受講生の皆さんには、毎回アンケートにご協力いただき、それぞれの修得度を確認したり、課題を伺ったりしています。
その振り返りの中では、「まだまだめちゃくちゃ悩みながらやっています」というような声もあります。
しかし、講師の細川は言います。
「剪定に取り組み始めたころに比べると、悩み方が全く違う」と。
最初は、ほんとうにただただ悩んでおられました。
それでも当時から細川は受講生の皆さんに
『悩み、考えてください』
とお伝えしてきました。
『その上で、自分と対話し、自分が鋏を入れるその意図を自分に説明してください』と。
ですから、最初は悩み方・・・いや、考え方がわかっていなかった。
ですが、悩み、考え、自分に剪定する意図を説明する繰り返しの中で、着実に引き出しを増やしてきた。
だから、今の悩みは、時間がかかっているとしても、方向性のない悩みではありません。
時間をかければ答えを出すことができるからです。
そして、その積み重ねがまた自分の新たな引き出しとなり、技術のもととなる考え方が積み重なっていきます。
だから、細川の目線で見ると、『悩み方が違う』ということになるんです。
この講座はわずか20回です。
剪定の世界、庭師の世界は奥深い。
ですから、20回の講座ですべてを身につけることができるわけではありません。
むしろ、この講座を終えたところがスタートラインとも言えます。
ゆえに、皆さんには、目先のちょっとした技術を身につけることで終わらせることなく、講座が終わってひとりになってからに繋がる基礎をつくっていただきたいと考えてきました。
ひとりになり、新たな樹木を前にしたときにも、どのように考えれば良いのかを自身の中に持っておくことができれば、自分の足で立つことができるはずだからです。
それを少しでも実感できた最終日になっていれば何よりです。
最近は、卒業生の方の技術が錆びつかないように、特別講座等も開催しています。
ガーデナー養成講座自体も、さらに進化させていきたいと思います。
★第6期の講座、今後の体験講座等のご案内は、ガーデナー養成講座Twitterでも告知予定です。