SAKANAQARIUM 2024 "turn" ＠ポートメッセなごや
ついに、サカナクションが復活。
幕張メッセから始まった本ツアー、名古屋公演1日目に参戦。
NHKスペシャルにて、山口一郎さんは発症した"うつ"との付き合い、バンドの復活までを見てからこの公演を観ることになるため、非常に胸が熱くなりました。
彼の才能は計り知れない。しかし音楽を愛して、音楽と生きているからこそ"うつ"との付き合い方によっては、突然ふとした時に彼の命の灯が消えてしまっていたかもしれない、と感じずにはいられなかったのです。
そんなことを思って、名古屋の地で彼らを見ることになりました。
「生きててくれてよかった」「笑った姿をみることができた」
日常生活では、こんな感情はなかなか生まれない。当たり前にできていることだから。でも、そうではない2年間を過ごしてきた彼だからこそ、そうやって何万というファンの前に姿を現してくれたことに私は感極まるばかりでした。
【ここからはネタバレを含みます、ご注意ください】
豪雨、雷の音とともにAme(B)のアレンジから開始。
突然轟く音、全方向から聞こえる音。今回もレベルアップをしてきた音響。
前方、中央、左右に大きい音響機材を宙に浮かし、舞台演出を邪魔しないような形で配置されていました。
「サカナクション復活」の文字が大きく出され、我らがサカナクションが現れる。陽炎のイントロからオーディエンスの歓声による圧力、一気にヒートアップしていく会場。会場一体で踊りだす。
アイデンティティのAメロでみんなで手をあげて合いの手を入れ、サビでみんな雄たけびのように歌う。そして、左右に手を振ってノリノリになれる。
こんなダンスチューンはなかなか無いもの。
アイデンティティからルーキーの間髪入れずに曲をつなぐ、この繋ぎがとてもスッキリしていてかっこいい。今もなお健在でした。
ユリイカからの楽曲は観客も見入るほどの映像美、そして鮮明な音。
これらに聞き入り、見入ってしまう。１セクションが１作品のようでした。
ネイティブダンサーの手拍子はいつになっても苦戦する人がいますね。（吹奏楽部出身のワタシはいつも自信ありげにやっています）
そして、サカナクションの真骨頂でしょうか。
『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』からのDJremixにて彼らのDJスタイル。これを見るのが非常に好き。今回は本当に見ごたえがありました。舞台演出、照明ふくめて観客を躍らせにかかっている。そういった空間。
ショック！からの畳み掛けるような曲順。
新宝島ではアウトロでファンが一斉に歌いだす。
一郎さんが名古屋初日より前にこんな講座をしていたんですね。
と、いうわけでファンは山口一郎本人のイヤモニで聴こえづらくても、会場一体となってアウトロを歌うということになりました。
本編ラストは忘れられないの。これもねーイントロから大好きなんですよね。言葉にならないけど、80年代のようなレトロな音の入り。さわやかさ。
本編ラストにはふさわしい楽曲でしょう。一郎さんも踊ってノリノリだったのが印象的でした。
本編はＭＣは一切なく、ノンストップでの進行。
そして、アンコールのラスト１曲手前でＭＣが入りました。
一郎さんは名古屋１日目の公演前日に開催された著書のサイン会でファンにプレゼントしてもらった中日ドラゴンズのユニフォームを着用。
「ただいまー！」と、彼の雄たけび。
「おかえりー！！」とファンからの歓声。
なんと嬉しい空間。彼は"うつ"になったことでツアー中止となったことを謝るのですが、「いや、なんでなん！こっちは待ってたよ！」という気持ちでしかない。
そして、休止中にファンの頭からサカナクションが忘れられてしまうのではないか、と考えていた様子。
「んなわけなかろう！」としか言いようがない。
元のサカナクションには戻れないけど、ここから新しいサカナクションとして始まると一郎さんは意気込まれていました。
新宝島でのファンの大合唱に気づき、key.岡崎英美さん（通称：ザッキー）もMCで触れてくれる。ザッキーがこんなにも喋ってくれる日がくるなんと思わなかった。
そして、バンドメンバーと一緒に演奏したかったシャンディガフでエンドロール。おぉ、シャンディガフがこんなに沁みるとは。
あっという間に終演。
言葉にならない多幸感。サカナクションを自らの目でみることができた。
夜を乗りこなす。
名古屋で踊り狂う夜を過ごすことができました。
これからもサカナクションというバンドは音楽という芸術において新境地を開いていくんだろうな。それを見届けることができたら、と思います。
セットリスト
1.Ame(B)
2.陽炎
3.アイデンティティ
4.ルーキー
5.Aoi
6.プラトー
7.ユリイカ
8.流線
9.ナイロンの糸
10.ネプトゥーヌス
11.さよならはエモーション
12.ホーリーダンス
13.『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』
14.ネイティブダンサー Remix
15.ミュージック
16.ショック!
17.モス
18.新宝島
19.忘れられないの
アンコール
20.夜の踊り子
21.三日月サンセット
22.シャンディガフ