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SCANDAL BEST★Xmas 2024@豊洲PIT
ガールズバンドというジャンル、どうしても音楽の中でもしっくりこないジャンルではあったので聴かない日々を過ごしていた。
しかし、今回は周りに多く居るSCANDALファンに誘われてライブに向かった。
現場は豊洲PIT。初めてのライブハウスであったが、キャパはとても大きくスタンディングで3100人を収容する。これだけ大きいライブハウスを都内に作るとなると立地も難しいんだろうと感じた。なぜならば、周りにはカフェなどの時間を潰せるところは無い。豊洲駅近くのららぽーとくらいの印象であった。
豊洲駅から徒歩で開場時間の18時過ぎにライブハウスの前に到着。
今まで経験してきたライブとは異なる異様な雰囲気。
なんという年齢幅の広い男性ファンの多さだ…。
いたるところに男性ファンの姿があり、時々女性ファンが見える程度。
ワタシが推しているストレイテナーは男女比が半々か少し女性の割合が多い。ゆえに今までに見た事のない光景が広がっていたのだ。
この日はクリスマスイヴ。
ご家族や彼女が居ても居なくても、SCANDALファンは毎年この日にライブハウスに集う。これがBEST★Xmas(通称:べスクリ)なのだ。
この日のSCANDALというバンドの存在感は異様だ。なぜなら、全身全霊をSCANDALに捧げる強者が集まるのだから。
舞台上には大きなクリスマスツリーが飾られ、バンドセットが配置。
ここでも異様であったのが、下手側からドラム→ベース→ギター→ギターという順での配置。ドラムが一番下手にいる、という光景が異様であった。
本編が開始。照明が落ちると男性ファンの野太い歓声があがる。
今年もSCANDALが日本、海外を含め活動を幅広くやってきたことやファンの支えがあったことの謝意を示し、今宵はクリスマスであり大忘年会を楽しみましょう!というナレーションからスタートした。
白を基調とした衣装を着た彼女らが登場。
1曲目は松任谷由実のカヴァーで恋人がサンタクロースを披露。
バンド形式だからこそのロック、かつ彼女らのかわいらしさを魅せられた。クリスマスだからこそ、SCANDALファンに向けたプレゼントのようであった。
ワタシは初見であったため、全曲を把握できていないがファンからすると前半は懐かしい楽曲が並んだセットリストだったとのこと。
中間のMCではHello!Hello!の制作秘話が話された。
この楽曲がリリースされたのは2010年。彼女らは当時、彼女たちは一軒家で同居生活をしていた若かりし10代であった。
翌日はレコーディングが入っているのに楽曲制作が進まず、階段の踊り場のところに4人が集まり朝方まで協力して作詞をしたそうだ。
あれから14年経って、彼女らは30代になった。年齢を重ねるにつれて幼い華奢な雰囲気から大人の可愛らしさに変化したのだろう。
中間では場面転換後に"余興"として、NEWSのチャンカパーナとweeekを歌い踊りながら披露。家族がNEWSのファンクラブ会員であるワタシはこの2曲のイントロを聴いてその場でテンションが上がり飛び跳ねてしまった。
いや、こんなところで聴けてしまうのか。NEWSの曲たちを…。
毎年恒例となっているダンスは彼女らがダンス&ボーカルスクール所属ということもあり、非常にキレッキレのダンスを披露。過去にはモーニング娘やWEST.を披露していたとのこと。昨年までは1曲のところを今年はなんと2曲のメドレーにしてしまうというなんという余興に対する力の入れよう…!
そして、SCANDALから京都の名店水炊きセットを1名に、余興で使用した衣装(サイン付き)を4名にクリスマスプレゼントとして抽選でファンに贈られた。
整理番号はA1~1500あたり→B1~1500の順となっていたが、Bの整理番号で前方にいる当選者を見つけるとSCANDAL全員で驚いた様子。いや、あくまで整理番号だからそんな現象もあり得るんだよなと心の中で思っていたのだった。(ご当選された方おめでとうございます!)
余興が終わり後半戦。
ここからのセットリストは過去で最も激しく、そして彼女らの体力がどこまで続くかの勝負でもあったようだ。体力が途中で切れたら、間にMCを挟んで進めようと話しながらも彼女らのパワーは尽きることはなかった。
Plumの歌詞は秀逸だった。聴きとれたフレーズの冒頭部分だけで覚えてしまうくらいの歌詞だったのだ。
ティッシュを1枚捨てるように簡単で
ティッシュを1枚捨てただけのさようなら
全体を通しておそらく失恋をテーマにした楽曲だと推測した。
そのなかで、愛の喪失を「ティッシュを1枚捨てる」という行動で例えていた。つまり、それくらい容易く起きてしまうことをこの表現で言い表しているような気がした。
後半はライブで盛り上がる定番曲が目白押し。テイクミーアウトやA.M.D.K.J.はライブ初見のワタシでも盛り上がることができた。ガールズバンドの可愛らしさとは反してまさにロック。首を縦に振ってしまいそうなくらい(いや、髪を乱して頭を振っていたが)の楽曲で自然と身体が揺られていた。
そして、誰もが知る瞬間センチメンタル。本編最後に持ってくることに意味があるのだろう。途中のサビを会場全体で大合唱していたあの豊洲PITの空間は圧巻であった。さすが、野太い声が響くだけある。
アンコールにはファンの中で国歌と呼ばれるSCANDAL BABYを披露。国歌と言われるだけあって、会場が一体となって手を振り、歌い、会場の熱が冷めることを知らなかった。
この公演ではSCANDALの今後の情報が大量に解禁された。
3か月(1月1日,2月1日,3月1日)連続で楽曲をリリース、新EP「LOVE, SPARK, JOY!」発売、そして13都市を周るツアーが開始する。
ツアー会場はホールやライブハウスと規模の大小に関係なく組まれており、客席はエリアを区切られてチケットが販売される。
過去に経験したライブでもこのシステムを取り入れたライブは知らない。ワタシの記憶では少なくともサカナクションのツアーでホール内エリアが区切られチケットの価格帯が異なるくらいだ。
ゆえに、ライブハウスの規模でもフロアを区切るシステムは初めて。彼女ら自身も初めての試みだとのこと。SCANDALとファンが協力してシステムをトライできたら、と話す。
【INFO】
— SCANDAL (@scandal_band) December 24, 2024
SCANDAL TOUR 2025 “LOVE, SPARK, JOY!”
チケット券種についてのお知らせ#SCANDAL_LOVE_SPARK_JOY pic.twitter.com/ofbhm1jGqa
20年という大台に近づくガールズバンド、そんなバンドをワタシは知らない。
ここまで続けることだけでも大変なことだと思うが、それと重ねて日本や海外での音楽活動をはじめ多岐にわたる活動を彼女ら4人で変わらずにやってきたことが凄い。
このキラキラと輝く彼女らの笑顔はこれからもファンが見守り続けるのであろう。終わることなく音楽を奏でてもらいたい。
1年後のクリスマスイヴ。彼女らは同じライブハウスに立つ。
ふたたび、かっこいいバンドであり続けて12月24日に姿をみせてほしいものである。
01. 恋人がサンタクロース(松任谷由実カバー)
02. SUKI-SUKI
03. LOVE SURVIVE
04. Hello!Hello!
05. 夜明けの流星群
06. one more time
07. チャンカパーナ(NEWSカバー)
08. weeeek(NEWSカバー)
09. プリズム
10. Plum
11. プラットホームシンドローム
12. OVER
13. テイクミーアウト
14. A.M.D.K.J.
15. 瞬間センチメンタル
en)
01.スペースレンジャー
02. SCANDAL BABY
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