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NO WORDS NEEDED 2025 WINTER@NAGOYA JAMMIN'

新年1発目、つまりライブ初めに選んだのはこちら。
名古屋のライブハウスJAMMIN'が主催するNO WORDS NEEDED 2025 WINTERに潜入することとした。

概要

本イベントとは?

このイベントはインストゥルメンタルバンドのみで構成される音楽フェスである。通称をノワニと呼び、直近では昨年の夏に開催された。
ライブハウスJAMMIN'の店長であるキットさんはHey Songでバンド活動をしている。このイベントを命名したのも彼とのこと。
個人的には非常にネーミングセンスがあると感じた、むしろインストゥルメンタルというジャンルの音楽だからこそのネーミングといっても過言ではないだろう。

15バンドがひっきりなしに演奏するインスト祭り

JAMMIN’について

名古屋市内の繁華街の一角に突如現れるライブハウス。
こんなところにあるの!?と思うほど、様々な建物に紛れ込んでおり、一般的な飲食店と変わらない佇まい。

2023年12月にリニューアルオープンしたため、内装も非常に綺麗である。
なんといっても、トイレの清潔感は尋常じゃない。非常に良い箱だ。
フロアの床、壁が木目調だったりブラウンが取り入れられていることでシックな雰囲気が出ていた。

入り口は一か所。フロアを少し低めにしている関係で階段を下るが、想像では地下にフロアがあると思っていたためほぼ1階に作られているのが意外。
コインロッカーも充実。300円と500円の2種類を配置。なお、500円コインロッカーは500円玉1枚で利用可能のようだ。(100円玉5枚で使おうとしてコインが入らなかった…焦る)

フェス会場の構成は、ステージ上でアーティストが演奏。終了後の場面転換時にはフロア後ろ(入口付近)の段差になっているエリアの一角にブースを作って次のアーティストが演奏する形になっていた。

タイムテーブル

お昼からぶっ通しでインスト祭り

今回、年末年始で体調不良になって病み上がりであったので途中から参加させてもらうことにした。到着したときにはBUXUSの終盤であった。そこまでのアーティストやBUXUSは一曲だけのためしっかりしたレポートが書けず、先に謝らせていただく。

BUXUSを途中から見ていると、フロアは人だかり。
そして、ステージを見るとDENNIS LWABUがドラムにいるではないか。Suspended 4th(通称:サスフォー)から脱退したのは風の噂で知っていたのだが、こんなところでお目にかかるとは思ってもいなかった。パーカッション経験者である友人が彼のドラムはすごいと言っていたのを思い出していた。テクニックも勝ことながら、安定感がすごくあって凄い演奏だった。本当に一瞬しか聴けなかったのが悔やまれた。今度はじっくり聴きたいものだ。

アーティストレポ

nushi

彼らは富山発、名古屋で活動しているインストバンド。
Gt.小寺氏が作曲しており、デモ音源はSOUNDCLOUDにてアップされてる。
特徴はツインギター、ベースは確かであれば5弦ベースだったような。

音楽としては音圧強めの楽曲という印象。
ハードロックからメタルに近い音楽のようであった。
疾走感とともにゴリゴリっとした要素もありつつ楽しませてくれた。

Ba.さんの蛍光色ニットが非常に目に付いた。とてもかっこいいパフォーマンスをしているのだが、そんな中で下手のGt.さんの荒ぶりが非常に激しい。ラスト2曲が好みであったが、曲名が分からない。セットリストを求む。(なお、メンバー氏名がHP上では全員分わからず、楽器のみで記載しています。)

BANANA NEEDLE

ワタシがJAMMIN'に到着する頃、機材を運んでいるBa.三重野 徹朗に出会った。なんという髪色…!これはバンドマンに違いないと思ったらその通り。公式ホームページでは紫っぽいが、この時は緑であった。

ステージ転換中に目に入ったのがハモンドオルガンと周辺機材たち。はじめて見た楽器であったため、映りもしないのに写真を撮ってしまう。

暗闇に現るハモンドオルガン
ハモンドオルガンのとなりにあるボックス、スピーカーだよな…

撮影できていないが、Ba.三重野のベースやシールドは蛍光色の黄色を基調としており、やはりバナナだからなのだろうか…と仲間内で話題となった。

パフォーマンスするメンバーは音楽を楽しむ、というこの言葉に尽きる。
Org.市塚が弾くハモンドオルガンの音色は非常に特徴的であり、どこか懐かしさを感じさせながらも心地よく楽しめる音楽がライブハウスに鳴り響いた。大人の音楽の遊び方をするバンド、それがBANANA NEEDLEである。

最近、お誕生日を迎えられたそうだ。こんなミドルエイジはなかなか居ないだろう。優しい感じでニコニコしながら、ゴリゴリにベース弾くんだもの。
お誕生日おめでとうございます。

icare

三重で活動するインストバンド。三重にはインスト好きが居ないことを嘆いたMCは非常に印象的。
いや、このノワニは異様なんだ。だって正月にインスト聴きに来る人らなんてある意味おかしいと思うんだもの。そのなかの1人がワタシであることはさておき…

icareの楽曲は聞いた人それぞれが好きなように楽しんでいただきたい。 ゆっくりした時間の流れを彩れるもよし、日常のBGMにするもよし、 楽しい気持ちいい心を揺さぶられるような1曲を提供しています。

https://www.tunecore.co.jp/artists/ikare?lang=ja

このバンドの音楽はカッティングしたジャカジャカという音の切れが目立ちすぎない印象で流れるメロディが耳に残った。SKAの影響も受けているため、個人的な感想であることをご承知いただきたいところ。

弦のメンバーはシャイなのだろうか、みんな手元を見ながら演奏している…と思っていた矢先に上手のGtさんが荒ぶっていて、「!!!!!!」という驚きを隠せなかった。ギターを持つと大変身並みに見た目と違い過ぎて驚く。
下手のGtさんはニコニコしながらもメンバーを見ながらギターを弾いており、周りをよく見ている人だと感じた。「音も達になってください!!!!!」(ニコニコ)はとても微笑ましい。そして、それに応えるフロアも微笑ましいのだ。

Hey Song

さて、推しバンドのHey Song(通称:ヘイソン)が来た。
バンドに関する詳細はここでは割愛し、この記事を参照してもらいたい。

昨年、Ba.キットが腰を痛めて鯖江→浜松の本番を迎えたのを知っているからこそ、今日は腰は大丈夫だろうかと見守っていた。
翌日は彼らのワンマンライブが同じ場所で行われ、なんと2Daysで彼らを見るという贅沢さ。

Key.いとまさんが乱れ髪でありました
キットさん、腰は大丈夫そうです

このイケオジ2人から演奏される音楽はギャップしかない。いわゆる、ギャップ萌えである。インストを教えてくれた仲間のお姉さんに最前列を譲っていただいた。彼らに関する話は次のワンマンを取り上げた記事で語ることにしよう。

ただ、このインストフェスの主催であるBa.キット率いるHey Songはおそらく出演者の中でもキャリアは上の方なのだろう。堂々たる姿はインストの先輩!という雰囲気を醸し出していたのが印象的であった。

Souvenirism

岡山発のインストバンドSouvenirism。今年社会人になるメンバーが多い2021年結成の若手バンドである。若手インストバンドだけあって、フロアには多くの他の先輩インストバンドが見に来ていたのが印象的であった。

MCではメンバーがみんな来年に厄となる話をしていたが、厄なんて気持ちの問題だから気にすることない。と言いながら、ワタシも厄年の時はビビりながら正月を迎えていたのが思い出される。

音楽としてはエモーショナルさが強い。波のようなゆったりした横揺れを感じながら聴ける音楽といったところだろうか。淡い色や霞が似合いそう。(おそらくそういった楽曲が耳に残ったのかもしれない)
下手のGt.さんはビジュアルがとても中性的な方であった。途中までJAMMIN'のスタッフさんかと思っていた。申し訳ない…

彼らはノワニ後夜祭として自主企画を1/11に開催する。名古屋 stiffslack VENUEというライブハウスで開催されるが、JAMMIN'と言い間違えて「またJAMMIN'でも是非やらせてください!」と少々焦りながら言い直すところが若々しくてあたたかく見守らせていただいた。

sence of life

京都発のインストバンド。特徴はツインギターにピアノといった編成だろうか。ピアノが入ったインストが大好きなので、非常に期待値が高かった。

先にどうしてもお伝えしたいのが、Ba.の方がどうしてもthe telephonesの岡本伸明に見えて仕方がなかった。大好きなカテゴリの音楽だったが、頭からどうしても離れずこの場で昇華させておこうと思う。煽り方がめっちゃ最高であった。あれはフロアを盛り上げること間違いなし。ワタシも無意識に拳を上に挙げていたものだ。

Pf.田中のピアノは非常に繊細でなめらか。Gt.森本の細かな動きを支えるドラムとベースの存在。安定感がありつつも、ずっしりとしすぎず軽すぎずのちょうどいい塩梅の音楽を聴くことができた。

MCでは彼らの移動運がことごとく無かったようで、今日も自己渋滞で大阪から名古屋まで5時間程度かかって出番ギリギリに到着。間に合って良かったけども、また大阪まで帰るのが本当にお疲れ様としか言いようがない。なお、バンドには珍しくFacebookをやっているようなので要チェックである。

sidromodro

大阪を拠点とするインストバンド。リサーチしたときに目に飛び込んだのはこちら。"相席食堂で音楽を使われたいインストバンドです。"は秀逸な文章。そして、明確な目標に拍手したいんだ。

Sunsetを聴いたときにタイトルを知らない状態で「夕日を見ながら聴いてみたい音楽」とメモしていた。ちょっとニアピンだろうか、なんとなくほのぼのする音楽であった。Ba.Toyodaの音の刻みがとても安定していて聴き心地がよい。

どうしてもセンターGtさんの衣装のプレステロゴが気になった

上手のGtさんが遠目にVaundyと藤谷真吾に見えて、近めにミキの亜生に見えたことはここだけの話にしようと思う。(ワタシの目がおかしいのだ)

フロアに飛び込んできて演奏する臨場感

01.Sunset
02.Spring
03.Grassland(special ver)
04.Light
05.Toy
06.Common

Marmalade butcher

通称、マ肉と呼ばれる彼ら。インスト仲間のなかでは名前が知られたバンドであり、ワタシは初見であった。メンバーの個性が際立つバンドであろう。
メンバー各々の役割がとてもはっきり見えて、それはそれで面白いんだ。

「モテるインスト」をモットーにした彼らが演奏する音楽はなんといっても味の濃さ。音楽に味なんてあるのか、と思うが聴いてみたら理解できる比喩といっても過言ではない。
Gt.えぬから放たれた言葉「幸せだな、なぜなら我々は滅多にライブをしない」とのこと。癖が強い…!機材トラブルで時間が押したものの、巻きでやればなんとかなると言って繰り出される演奏がえげつなく速い。

彼らを知るにはとっておきの記事を見つけたので紹介しておく。
大体の曲が音数が多く音がでかく、ついでに速いですと書かれているように1小節の原理を超越しているかのごとく音数が多い。聴いている間に凄すぎて笑ってしまうくらいのものだった。
なんとなく9mm parabellum bulletの音楽観と類似したところがあるのかとも考えた。非常におもしろい、そしてスカッとする音楽であった。

Ba.大谷の個性が本当に印象的だ。ベース弾くとマシンガンのような音を出してくるのに話すと非常にゆるーい口調。「おおたにだけでも覚えて帰ってください」とGt.えぬが言うが、忘れることはないよ。大谷さん。

ue

東京を拠点とするインストバンド。
30歳を超えてくるとバンドの進路は様々であり、人生の岐路に立つこともしばしばあるだろう。そのなかでも30歳を過ぎた今、バンド活動を続けているのがueである。

予習なしで聴いたのだが、エモさや淡い感じが強めかと思っていた。
柔らかい音楽かと思ったら非常にずっしりとした音楽であった。個人的な印象としては、淀みある感情を音楽にぶつけていくような衝動を感じた。年齢と共に経験する苦味が音楽にプラスされているかのような。

このバンドもnoteを運用しているため、バンドに関する情報はこちらをチェックしてもらえたらと思う。

QOOPIE

大トリのQOOPIE。
昨年の夏、ワンマンやサマソニで見ていた彼らが2025年になって一段と風格があがった気がする。初めて見た彼らは若者のような部分が強かったけど、アーティストのカリスマ性のようなものがみえたのが驚きであった。これが成長、というものだろうか。
特にBa.辻を推しているのもあるが、Dr.トミダとBa.辻の存在感は確実に増していた。ツインギターに引けを取らない存在感だ。そして、Dr.トミダは身体ががっしりしていた気が。筋トレしてるのだろうか。

序盤にBa.辻の機材トラブルにより後半のMCを前半にもってくることとなった。Gt.渡辺は年末に音楽番組を見ながら仕事をしていると、歌詞のある音楽が多いことに言及。自らの活動を通して世にインストを広めたいと話す。

大トリであり、今やノンストップで成長するQOOPIEだからこそフロアの熱量は最高潮であった。今回のセットリストでは新曲のNakedを披露。

彼らの渾身の一曲。ハイレベルな技術とともにバンド全体で真正面から体当たりしているような楽曲。音源で聴くのもよいが、やっぱりライブハウスで聴くとより楽曲に圧倒された。さて、2025年はどんな活躍を見せてくれるのか。

新曲"Naked"は付け焼き刃ではなく、何年も培った技術と裸一貫で挑んだ勝負の曲。

https://twitter.com/_QOOPIE_/status/1877311702783455337

ツアーファイナルが東京で開催される。
まだSOLD OUTにはなっていないようだが、ぜひ一度見てほしい。(あいにく、ワタシは先約があり行けないので代わりに…!)


ワタシのなかでのカルチャーショックはバンドメンバーと観客の距離が非常に近く、ライブが終われば普通におしゃべりができてしまう。えぇ、話をしてもいいんですか…なんて思ってしまったり。
そして、他のインストバンドを目の前で見て刺激を受けて帰る演者が多く居たのも印象的。おそらく、全体的な規模が小さいからこその距離感なのかもしれない。

昨年から聴くようになったインストの世界。
インストなんてどれも一緒、なんて思っていたがノワニに来れば全然違うことを知ることになる。これがインストの世界、奥が深いんだな。

よかったよ。インストの世界。

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