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失言の功績

森喜朗氏が東京五輪・パラリンピック組織委員会長だった頃、女性の話は長いと発言して問題になった事があった。(今更なんだけど、「逃げ恥」のみくりちゃんじゃないけけど、モヤモヤがの正体がわかるまで時間がかかっちゃうんだから仕方がない。)その時に「女性は競争心が強いようで、一人が話し出すと我も我もとどんどん話し始める」という言葉に、「え?」と思った女性は多いはず。

きっと森さんがそう感じたのは、競争社会を生きる男性ならではなんだと思う。 どなたかが、それは競争心からではなく、普段は発言するのを怖がっていて、誰かが話し始めるとそこで勇気を得て話し始めるんです、というような事をおっしゃっていたのだけど、女性である私自身の感想は「へえ、そうなんだ?」だった。  というのも、私の解釈は違っていたから。

女性の記憶はエピソード記憶と言われるけれど、私自身、質問された時には何も答えが浮かばなくても、誰かの発言をきっかけとして記憶が呼び覚まされたり、考えが浮かんだりすることが多い。だから、最初に森発言を聞いた時の私な解釈は、そういうことなんじゃないかな、という事だったから。

一つの行動に対しても、これだけの解釈があって、それは聞いてみなければわからない。失言と言われる森さんの発言がなければ、そんなふうに思われていたなんて気づかなかっただろうし、それを訂正する機会もなく誤解されたままになっていたと思う。

だから、失言にめくじらを立てるのではなく、「それは誤解ですよ」「ああ、そうだったんだね」と、お互いを理解できる機会にできればいいのにな、と思ったのでした。


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