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人生について その2「学生の頃」

ここでは私が人生を通して感じたことや見出したことについて連載しています。
今回は少年期のお話を書きます。
幼少期、振り返ると私はとにかく他人が羨ましかった。
そして中学生になる頃に他人への憧れはピークに達する。

真似事

もちろん中学生は思春期だし誰かの真似をしたがる。
それは当たり前なのだが私は見た目だけに憧れる傾向にあった
自分とは全く違うイケメンの見た目に憧れる。
そして自分には足りないものばかりだと思う日々。
当たり前なのだ、別人と比較していたら何もかも足りない
でも当時の私にはそれが分からずにコンプレックスを抱える日々だった。

真似ができない

あの人の顔がうらやましい
あの人の言葉使いがうらやましい
あの人の運動能力がうらやましい
あの人の笑いのセンスがうらやましい
いろいろな人たちのいろいろな能力がうらやましいのだ。
当たり前なのだがそんなになんでもできる天才はほとんどいない。
でもなぜか自分にその全ての能力がないことに落ち込むのだ。
裏を返せば自分にそんな能力がないのが当たり前であることに気付かない。
受け入れたくない。
つまりそれは自分は凄い人間だという盛大な勘違いが基本にあって
なぜ能力を持ち合わせていないのかという勝手なジレンマに陥っていた。

自己肯定

そんな私が中学校というコミュニティで自己肯定感を徐々に高めていく。
何も持っていないと思っていた私の発言でクラス中が笑う。
私はクラスで面白い人だった。
関西では面白い人間は人気がある。
ダウンタウンが世に出始めた頃、お笑いはかっこいいものとなりつつあった。
面白いということは人気があるということ。
山のようにある自虐を笑いに転嫁することはたやすかった。
私の周りには笑いが溢れていたし
昼休みは私の話をたくさんの女子達が聞いて笑ってくれる。
これでコンプレックスからかなり解放された。
自分にも人を笑顔にできる。
憧れたあの人が持っている能力を1つだけ手に入れたのだ。

自分の魅力

自分の魅力に気づいたらそれを伸ばせばいい。
褒められて伸びるタイプという言葉があるが
結局みんな褒められたら伸びる。
褒められているだけでは人は伸びない。
飴と鞭という言葉がある
私にとってコンプレックスが鞭で友達の笑顔が飴だった。
飴と鞭を使い分ければさらに人は伸びる。
自分を責めて一方で他人に笑ってもらえる環境は私の良さを伸ばした。

モデルとなる人物

私がなぜ少し人気者になったのか
小学生の頃は内気で落書きばかりしていた。
クラスでも目立たない方だったと思う。
でも小6の時に体が大きく喧嘩が強くて明るい
ガキ大将のようなやつとクラスメイトになった。
そこから私のガキ大将な部分が目覚めたのだと思う。
彼との出会いは私の人生を少し変えたのだろう。
彼をモデルにしてその明るさを吸収していた私は中学に上がる頃には
周りからよく喋る明るいやつに変貌していた。
私は彼に導かれたのかもしれない。

人生は模写

私は誰かに導いて欲しかった。
親に時間がないなら他に誰かを探せたらよかったが
子供の私にはそれは無理だった。
近所のお兄ちゃんとか身近な目標すら探せなかった。
絵ばかり描いている気難しい子だったから
同年代から好かれてはいなかった。

人生について その1「子供の頃」

私は身近な目標を見つけたのだ。
そして吸収してそれを形にしてクラスメイトに見せた。
家に帰ったら絵を描いていたがクラスでは目立って
地元でも目立っていた。
つまりそれは模写だ。
何かを真似て絵を描くのと変わりない。
私は人の真似が得意だったのだ。
人生は誰かを真似てもいいと学んだのだった。
しかしいつまでもモノマネだけをしていたら
それは自分の人生とは思えない。

自分を手にいれる

最初はモノマネでいい。
でも自分らしさを出さないければいけない。
徐々にまた自分と向き合う日々。
18歳になる頃、私は自分とその人生について考えていた。
自分が何者で何になるのか・・・
私はお笑い芸人になりたかった。
クラスで笑いを取っていたから、ただそれだけで。
今振り返ると原動力はその程度でいい。
そこから努力をして形にすることが最も大切なのだ。
でも私は天才でいたかった。
努力などせずにセンスだけで笑いを取りたかった。
今ならそんなことは無理だとわかるが
やってみて無理と気付く気持ちはなかった。
やる前に無理だと思ったからやらなかった。
私に残ったものは絵だけだった。

働くのがバカバカしい

高校を卒業する頃にそんな事を思っていた。
働かずに済む方法は学校に行くこと。
幼少期から絵ばかり描いて勉強ができない私はデザインの専門学校に進んだ。
そして絵を描くことが好きだった。
お笑いは絵を描くことほど好きではないとわかった。
そしてデザインの世界でも私は挫折をする。
いや、その世界の入り口にも立てなかった。

次回は社会人になってからのお話を通して人生を語ります。

この後社会人になった私の体験談を「我楽多物語」で連載しています。
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