ZoomとoViceとSpatialChatとCozyRoomとHereとGatherTownと、時々Discord。オンラインの会場案内図の可能性。
1つのイベントで複数のオンラインコミュニケーションツールを組み合わせて場をつくりました。
会場の部屋を移動するかの様にツールを移動する時代に
以前にも描きましたが、会議は会議室の雰囲気に影響されるのと同じ様に、ツールの画面の雰囲気や操作感で、会議というかその場での対話や関係性に影響が生じると感じています。それだけオンラインのコミュニケーションツールが多様化しています。それでいて、ツールを始める操作と準備はだいたい同じものになっていて「マイク」「カメラ」「画面共有」の3要素。そしてURLでツールに招待することで接続可能で、ZoomやDiscordのように「アプリ」が基本になるツールもありますが、新しく生まれているツールは大体ブラウザベースで設定もそれほど複雑なものではなくなってきました。
会議などでは1つのツールで済ませることが普通なので、ツールを移動する体験がないと、2つのツールのマイクを同時にONにしてしまって、ハウリングのような状態になってパニックになりがちですが、一度体験してしまうとどっちのツールのマイクをONにすればいいのかわかったり、移動後に前のツールを閉じればOKということにも慣れていきます。
ツールの多様性が、場の多様性を引き出す
「あー、このツールの感じいいですね」
2,3のツールを回ってみると、気に入ったツールが見つかったのか、こういう言葉をよく聞きます。これって、ツールに「場」を感じているのではないかと思うのです。リアルな場では気にしていた「場の雰囲気」。これをオンラインでも使って場のデザインができるようになりました。画一な世界に閉じ込められるよりも、いろんな違いがあることで、違いが意識に入って、自分の多様も出てきたり…。ちなみに、この複数のツールから組み立てた会場は、実はひとつひとつのツールの説明はしていなくて、Zoomのメイン会場で集まってトークを聞いてから、後は好きな場所で好き勝手に行動してくださいという感じの場と人に委ねるやり方を採択しました。ある意味で「探検」みたいなワクワクもあるかなと思ったりしました。みんなで探検して、気に入った場所で、側に(同じ場所に)いる人たちと会話を始める。声が聞こえて、相手の顔が見えたりする…。マイクオンにしてカメラオンにする…。もう「操作」ではなくて「行動」になってきている気がします。
オンライン会場案内図のおもしろさ
ネットの世界は目に見えないので、看板は立てられません。それを意識に留めるのが「案内図」という可視化。それが人の認知のおもしろさ。Zoomでこの会場案内図を画面共有して、GoogleSpreadSheetのURLを共有して、いつでも見れるようにすると、そんなに違和感なく使ってくれます。これからのイベントでオンライン会場案内図は増えていくと思います。
会場の組み合わせはツールの特徴とワークやイベントのコンテンツによって設計されていくことになります。
設計に利用するツールの特徴
1.音のチャンネルが1つなのか、複数チャンネルがあるのか?
Zoomだと音のチャンネルは1つなので、同時に全員の声が聞こえてしまうので成立する会話は1つとなります。oViceやSpatialChatはチャンネルが複数発生することになります。
2.会話の発生方法
音のチャンネルが複数あるということはグループでの会話が可能になりますが、一つの画面内で複数のチャンネルを発生させるためには、位置情報が必要になります。今のところ存在している方法は3つ。
A.距離での発生。近くにいると話せる。
B.同じ範囲内に入ったらクローズドで話せる。
C.起点を設定してその起点に接続した人同士が話せる。
この3つが全部あるのはoViceだけで、それぞれの状態は以下。
この会話の発生方法をどう扱って、どうグループにするか?ワークの人数や進め方をどうするか?を考えていきます。
とはいえ、こういう表にしてみてわかるのは、ツールのもつ特性は単的な表での比較をしてもあまり意味はなさそうで、特徴をどう活かすかを考えるのが大事だと気付きます。
そろそろオンライン会場の設計業も楽しそうです!
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