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オンラインワークショップでスプレッドシートを使うとワークの幅が拡がります。

この記事はオンラインファシリテーターの実験室の連動記事です。

スプレッドシートとオンラインワークショップの親和性

オンラインのワークショップは使うツールによって、場のつくりや流れが大きく変わります。ツールの中でも私はスプレッドシートをよく使っていて、オンラインで複数人で同時編集ができるオンラインホワイトボード的に利用しています。

スプレッドシートの利点の一つは、操作性と言いますか、表計算という表示形式がエクセル普及のおかげで多くの人がなんとなく直感的に操作方法がわかっていることです。ファシリテーター、講師側が書いてもらいたいセルに色をつけておいて「色のついたところに名前を書いてくださいね」とお願いすると、特に操作を指示しなくてもカーソルを入力したいセルに合わせてキーボードで文字を打ってくれます。

次の利点は、動画でも説明していますが、スプレッドシートだけが入力というか、列と行の表示範囲を絞ることができるので、どこに何をするのかで迷子になりにくいというのがあります。スプレッドシートでは参加している人がどのセルにカーソルを置いているかが表示されるので、比較的ファシリテーター側が参加者の注目している位置がわかりやすいですが、オンラインでのワークでは参加者がどの画面を見ているかは実は分かりません。セルに色表示されているとしても参加者がスクロールして表示した先にいるとファシリテーター側が把握しにくくもなります。そこでスプレッドシートの行を20行くらいに、列も減らしたり列幅を調整したりして、スクロールせずに全部が表示できるように設定すると把握が容易になり、また参加者も迷子になりにくくなります。

スプレッドシートの「見える化」を最大限に活用する

ここまでは普通の使い方での利点で、今回の動画ではさらにワークで利用できる「ファイルを跨いだセルの参照」について2つのシチュエーションで使えるやり方を説明しています。
1つ目は、ワークで問いに答えてもらうという単純なものですが、オフラインのリアルな場では各自にワークシートを配る際に、ワークショップでりゆする全部の質問が書かれていて、本当はプロセスとして次の質問は知っておいてほしくないということもワークにはよくあることでした。しかしオンラインではファシリテーター用のファイルと参加者用のファイルを分けて用意して、質問を目にしてほしいタイミングで参加者用のファイルに質問が表示されるように工夫ができます。それが「ファイルを跨いだセルの参照」です。ファシリテーター用のファイルの質問を書き込むセルを、参加者用のファイルの表示用のセルに参照のプログラムを書き込んでおけば、ファシリテーターが書き込んだ時に、リアルタイム(ちょっとラグはありますが)で参加者用のファイルのセルに表示させることができます。

2つ目は、オンラインでは複数人数が1つのシートに書き込むことで、質問に対しての考えを同時に目にすることができますが、オフラインのリアルなワークの時の様に「一人一人が他の人の考えに影響されずに安心して書いてもらう」というファシリテートはできませんでした。そこで「セル参照」を使ってファシリテーター用のファイルに一覧表を作って、そのセルに複数人のそれぞれの参加者用ファイルの値を参照させるように準備することで、各自は自分用のシートに書き込み、ファシリテーターは同時に複数人の回答を目にすることができるのです。これは書き込まれるタイミングがわかるので、なかなか書き込みできていない人がわかるので、何か考えるのにむずかしさがあるかもしれないなどをファシリテーターが把握することができます。つまりなかなか相手の状況が見えずらいオンラインの中で相手の状況を「見える化」することができます。

ファイルを跨いだ参照のやり方

やり方は簡単で、表示させたいセルにIMPORTRANGEというプログラムを使って、参照元(表示させたい値が入力される相手のセル)のセルを設定するだけです。
以下は表示させる側のセルに書き込むプログラムです。

=IMPORTRANGE(" URLのID部分 ", " シート名 ! セル番号 or 範囲 ")

この「URLのID部分」が入力してもらう側のスプレッドシートのURLからコピーする内容で、下の例の様に「https://docs.google.com/spreadsheets/d/」の後ろから「/」までの文字列が該当します。シート名は入力される側のシート名でスプレッドシートだと画面したにある「タブ」の様に感じのところに書かれた文字を入力して、セル番号は「A1」とか列・行で指定します。シート名とセル番号の間には「!」(小文字のびっくりマーク)を入れます。

以下は、サンプルに動画で使っていたプログラムになります。

=IMPORTRANGE("1zFZCQekZCaVI1SSTKgQvypNSiHpxu9ME2xJ8jYfo7d4", "ゆうこ!$A$1")

先日50人超えのワーク用に準備して、準備時間も結構かかりましたが、準備のかいあって、参加者の方の参加度合いが高いワークを行うことができました。
オンラインでは、「おお!」と驚きもいい感じに場をつくってくれるので、準備に時間をかけて丁寧に接することができるようにすることも大事なファシリテーションだと感じています。

みなさんも、まずはファイルを跨いだ参照を試して、より良いワークをデザインしてみてください!


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