「質問はありませんか?と聴くと反応がない」ファシリテーターの相談箱 008
この質問はネットでも時々話題になるほどの悩みごとですね。理由については諸説いろいろ語られているので後で私の考えは語るとして、今回は4つのやっていることと3つの考え方を話そうと思います。
1つは質問の前に行われているはずのプレゼンや報告をする前に付箋紙とペンを配ったり、Twitterで気になったところを書いてほしいと伝えます。質問がないのは、興味がない、興味はあるけどこんなことは聞いたらダメかなとか、はずかしいとか、話し手に失礼かななど心理的なハードルいが高いので、感想や気になることを話の間に考えておくと、関心あることを聞いている場合は何かしら書いています。ファシリテーターは書いている人、量、内容(チラ見)を見ておくことで、場合によっては、書いた本人ではなくファシリテーターが代わりに聴くこともできます。
2つ目は質問の前に参加者同士近くの2、3名で感想、問題、分かりにくかったところ(問いかけのチョイスも聞いている話の内容や集まりの意図を考えてみてください。)を述べあってもらいます。その上で「聞いておきたいことはありますか?」とか「いっしょに話した方の気になることを解消してあげませんか?」と言ったりします。
3つ目は、これは私が参加したとあるイベントで受けて感銘したやり方ですが、集まりの冒頭から話し手自ら参加者に「質問することで他の参加者のためになっている」ことを伝えて「場への貢献」を求める姿勢を見せることです。そしてその貢献としての質問にちゃんと話し手もファシリテーターも向き合って対応して、意図や受け取った解釈を返したり、リスペクト、感謝を伝えることです。大袈裟に扱いすぎると引く人もでそうですから、そのあたりは参加者の状態、関係性を考慮しましょう。
4つ目は質疑応答を話の一部ではなく、ひとつのセッションとして扱う。その場合は2のやり方にプラスして、付箋で書いたものを集めて、分類したり、話し手の人と一緒に眺めてみて気になることを回答してもらったりすると良さそうです。
考え方の3つはこんな感じです。
1.何の目的で質疑応答を入れるのかを考える。
場合にはよっては入れない方が場の雰囲気を壊さないかもしれません。話し手の話を聞いている人が難解そうだったりしたら、聞いてみるのもありですね。「さっき、難しそうな顔をしてましたが、何かありましたか?気になったので聞いてみましたが、もしよろしければ聞かせてください」と。
2.質問を受け付けるタイミングは適切かを考える。
例えば60分の話を聞いて、冒頭で質問したいのに、終わってから聞きたいと思うかどうか。理解を優先するなら途中で付箋紙で集めてもいいし、話し手と相談して途中で聞いてもよいとするなど、工夫はいくらでも。
3.質問をしやすい環境になっているかを考える。
周りの参加者が初めて会うというか、知らない人たちばかりだったら?いつもの会社の会議だとしたら質問しあえる関係性があるの?というような関係性についてや、広い会場でマイクなしに参加者に話してもらっても、聞こえないなどの環境についてなど、質問の時間を取るなら質問しやすい、扱える状況をつくりましょう。
場に「質問を問う」という行為が発生すると、内容が深まったり、参加者と話し手の関係が変化していったり、大事な時間にもなりますので、大切に扱ってあげてください。なんとなく「話の後は質疑応答が一般的ですね」というだけで質疑応答時間を入れるのは避けたほうが良さそうです。
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