オンライン会議の休憩はSpatialChatで
オンライン会議の休憩はオフラインにすることだけではない
ZoomやTeamsの会議や研修をしていると、合間の休憩というのは、ミュートにして、カメラオフにして、オンラインから抜け出ることが一般的になっています。そこで言われることは、休み時間は独りぼっちな感じがすると…。オフラインでの会議の休憩は休むだけが目的ではなくて、実は会議の延長みたいな雑談や、目的とは違う話をする雑談によって、会議自体がさらに活発したりというコミュニケーションの追加的要素があると思います。
オンラインの会議では雑多な雑談がしずらい…これはZoomでは参加している全員に声が伝わるので、特定の人とだけのclosedな会話がしずらいとい仕組みに原因があります。対策としてブレイクアウトルームと共同ホストを利用したり、Zoomでなければ、Discordの中ではボイスチャットの部屋をいくつか作ることで任意な集まりを作ることもできますが、偶発性や、なんとなく話す…という感じにはなりにくい感じがしていました。
SpatialChatには休憩に必要な要素が揃っている
SpatialChatは相手のアイコンとの距離により相手に再生される声のボリュームが変わる仕組みなので、自然と声が届く距離に人が集まる要素があります。また参加者が話をするか、しないかをミュートという強い仕組みではなく、距離をとるという方法で緩やかに選ぶことができる要素があります。
そしてまだ無料版しかない分、品質はまだ途上中で会議本編で利用するにはリスクがありますが、休憩という時間で使うには十分な品質を持ち合わせているので、これは使ってみようとやってみました。
休憩に必要な癒しは自然音、環境音で
会議本編はZoomで行い、休憩時間になるタイミングで、癒される場を用意しました…と、SpatialChatのURLをチャットで伝えて、まずは休むために入ってみてくださいと丁寧にガイドして体感を促しました。SpatialChatは現時点では入室にアカウント作成が必要ないので、参加しやすいツールです。そしてZoomはアプリでの利用者が基本なので、ブラウザベースのSpatialChatとの音声の切り分けできていて、全ての人が無事にコミュニケーションツールを移動しての休憩に参加してくれました。SpatialChatの場作りとしては、川の音、海の音、焚き火の音、カフェの雑踏な音を流しておきました。
休憩に必要な雑談は塊ができる仕掛けで
これは前述した距離で声が聞こえなくなるSpatialChatの特性そのものですが、なんとなく側でいる人たちで雑談が始まる仕掛けです。いい感じで音声が届かない4区画に分けて、音の映像を配置したので、各自好きな音の場所に行き、そこでほどよい塊ができていました。もちろんそれ以外に集まりやすくするために机や椅子の画像を配置することもできるので、オンライン・ファシリテーターの場づくりが活きてきます。試してみた時も、最初は「川の音はすきだぁ」からの「さっきの会議での話はさぁ」という話に変わっていってました。
この形の休憩はファシリテーションにも活かせる
休憩が雑談とポジショニングの可視化になっているので、誰と誰が話しているのかとか、一人で休んでいるのかも分かりますし、オフラインではやっていた、休憩時間での場へのフィードバックや、フォロー、依頼者との感じの確認など、活用できる要素がすごく増えました。もちろん活用できるから…と言って強要はあまりしない方がよいので、5分くらいの短い休憩では強い促しはせず、Zoomのミュートとカメラオフでの休憩も併せて促しました。会議に煮詰まった感がでたら、ファシリテーターの私からSpatialChatで癒されてきます!と飛び込んだりもしましたが。実際、川の音に癒されました。(笑)
コミュニケーションツールも一度のセッションの中で乗り換える時代に
Discordを会場に見立てて、セッションの部屋はZoom。会議はZoomで懇親会はRemo。そして今回の様な会議はZoomで休憩はSpatialChat。オフラインでもカジュアルな雰囲気の会議室を使うか、格式高い重厚な机のある会議室を使うか、会議室のそばに給湯室やコーヒーサーバー、そして休める座席があるかなど、場の雰囲気を活用するのは大事なファシリテーションです。各コミュニケーションへのインストラクションをシンプルで分かりやすくできるように練習も必要ですが、複数のツールを使い分けて場づくりに活かせるようにやってみるとよいのではないでしょうか。
SpatialChatは時間と利用人数による従量課金になるという情報が共有されていますが、この休憩室の効果に対してなら私は価値を、いわゆる「オンラインでの廊下」的な価値を見いだせそうだなと感じました。
みなさんも、オンラインの休憩の仕方、雑談の生み出し方についていろいろ考えてみると、より深いオンライン・コミュニケーションが作りだせるかもしれませんね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?