Zoomのブレイクアウトルームから考える場の捉え方
私はリモートでの研修やワークショップを行なっていると、少人数でのディスカッションで学びを言語化して相手に伝えることで深まりや理解しやすくなるので、Zoomだとブレイクアウトルームを使います。
オンラインでグループに分かれて話ができるというのは現時点では当たり前の様になってきていますが、最初にブレイクアウトルームを体験した時は感動するほど画期的な機能でした。「できる」ようになったので、多様しました。ブレイクアウトルームの中で起きていることが見えなくて、ちゃんと話し合えているのかが気になって、どうにか話し合っている状況が見る方法はないか考えブレイクアウトルームに入る前にスプレッドシートを共有して、そこに話し合っている内容をメモしてもらうようにお願いしたりもしました。その後Zoomの機能更新で、今ではブレイクアウトルームにホストも入れたり、ブレイクアウトルームを移動して別のブレイクアウトルームに入れる様にもなりましたが、それでもオンサイト(リアルな場)でファシリテートしていた時の様に「グループでの話が漏れ聞こえてくる」という状況までにはならなくて、オンラインにおける全体性での把握、雰囲気をとることは難しいと感じました。
「どうしてオンラインではオンサイトの時の様にできないんだろう?」とも思いましたが、その時にオンラインは機能的に「できること」から場の構成を考えることが多いことにも気付きました。集合してやっていた時には、場に委ねていたものが、ブレイクアウトルームは委ねられていないということに気づいたのです。
「できるから使う」になっていると、何がしたくて「使う」のかを忘れてしまっていたなと。
グループに分かれる理由は、時間の制約と、同時に話せる人数の制約もありますが、そもそもは「学びや言語化して相手に伝えることで深まりや理解しやすくなる」ということ。であれば、その目的を達成しているのに、ブレイクアウトルームで分かれることが方法としてあっているのかどうか?また逆に見えていないこと、把握できないことが自分の不安になっているだけであってブレイクアウトルームに分かれる理由を伝えれば委ねることができるのではないか?もちろんファシリテーターとして、うまく話せてない可能性があるならそこはファシリテートしたい気持ちもありますが、委ねることで起きる良さも知っているので、まさに何を目的としていたのかを自分自身が改めて考える、向き合う必要があることに気づきました。
ツールを言い訳にしないこと。これも大事な考え方だと思いました。SpatialChatやoVice、Remo、here、MeetButter、いろんなコンセプトのオンラインツールを試すことで、オンラインでのファシリテートについての視野も感覚も広がりました。ファシリテーターがオンラインで場として捉えることができることはなんなのか…。
そしていろいろ考えて、試した結果として、場に委ねる場合は「ブレイクアウトルームに入る前」を丁寧にファシリテートするというのが自分の結論となりました。デモを入れたり、なんのために分かれて話をしてほしいのかを伝えたり、委ねることに自分が信じることができる状況にする。ブレイクアウトルームを使わずに、参加者のリアクションや見えている向き合い方、姿勢から一人一人に問いを投げて考えてもらって自分のためにメモ書きで言語化するというやり方も使う様になりました。自分にとっては、はしょらずに場と丁寧に向き合うという考えてみると当たり前のことにたどり着きました。
最後に宣伝になりますが、場をちょっといい感じにするために、Zoomという機能以外のところにも目を向けた話とオンラインの体感をお伝えする場をもらえたので、よかったら話を聞きにきてください。↓
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