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運営 in Agile で登壇してきました

Agileの実践者な方々にArt of Hostingを届けたかった話

「Women in Agile」と共催された「運営 in Agile」でプロポーザルが採用されて発表してきました。プロポーザルはこちら。
https://confengine.com/conferences/women-in-agile-tokyo-2025/proposal/21572/art-of-hosting-askoffer

場づくり

私は発表する時はいつもファシリテーションで始めて、iPadを使って書きながら話すスタイルでしたが、20分という時間でどう伝えていくかを相方のきょうちゃんと対話を重ねて、運営 in Agileの場だけど、Art of Hosting(以後AoH)について伝える場としてAoHの場にお招きしようと決めて、私のファシリテーションで始まるのではなく、きょうちゃんのホストで始めることにしました。まずはHost myselfの体験をと…。

AoHの場にお招きした後は、私が運営 in Agileで伝えたかったことをライトニングトーク形式で簡潔に学びの要素を伝えました。このnoteでは、その内容を書きます。

AoHとの出会い

私はここ数年、自己組織化を並走する時の自分のファシリテーションに行き詰まりを感じていました。ファシリテーターを中心に発言が構成されてしまい、本人たちが話したいように話せていないかもしれないという不安を抱いていました。ファシリテーターが居なくなった後にと自分たちで話し合える関係性になっているのだろうか…、ファシリテーターによって無理に言葉を引き出していないだろうかなど。自己組織化しようとしている人たちの動きを鈍らせてしまっているかもしれないと。

ファシリテーターを介した話し合い構成の図

悩んでいた時にファシリテーターの弟子の1人からAoHの合宿が3泊4日で福岡の赤村であるので一緒にどうですか?とお誘いがあり、参加しました。

そして、その合宿では新しい気付きや、学び、体感があってハマり、合宿後も学びを続けることに。

今回はその学びの中でもAgileを知る人たちに受け止めてもらえそうな3つの話をしました。
①四相の実践
②協働ループと対話ループ
③askとoffer
次の動画はライトニングトーク的に5分ほどで話した時にiPadで描いたものを、可読性を高めて描き直した動画です。

①四相の実践

登壇後に再度描いてみた画像

ファシリテーターの学びとして、この図はインパクトがありました。4つの在り方、ふるまいがあり、1番目はまず「Host yourself(あなた自身をホストしてください)」というもので、呼びかけられた私にとっては「Host myself(自分自身をホストしよう)」です。つまり、参加する前に整えるというか、自分の在り方に意識を向けるような感覚。

私は3人集まるとファシリテーションしたくなる(オートファシリテーションと呼んでます)のですか、その状態で「参加する」と、自動的にしていたファシリテーションせずに、人見知りな自分のいたい距離感で接することができました。いつもとは違うからでドキドキはしますが、目の前の相手の前に自分自身の気持ちに素直になれる感じでした。

3番目は「Host others」。自分自身で参加した状態で、他の方と向き合うと、多分、サービス化していたファシリテーションから参加者の1人として自分と他の参加者という関係性で接することができました。相手もHost myselfしているんだなという環境を意識したふるまいに。

そして、そのまま4番目の一緒に創るへ。もちろん急に一緒には創れたりはしませんが、合宿ではこの四相をぐるぐるとワールド・カフェ、オープンスペーステクノロジー、プロアクション・カフェと言った対話をベースとした場を過ごしていく中で、その場において自分自身も意識した他の方々との過ごし方が、自分にとってどういうものなのかを試行錯誤しながら分かっていく。そんな鍛錬ができた気がします。合宿の場は「道場」と呼ばれていて、道場では自分の在り方も話し方もいろいろと試して鍛錬を積むことができました。

これが、自分の会社やずっと続く関係性の中ではコミュニケーションを試したりすることは「失敗」すると関係性も壊しかねないので、鍛錬を積みにくいとも気づきました。少し話はズレますが、社外の勉強会やコミュニティ、カンファレンスで対話の場があることは、そういう面でも良いなぁと思っていて、自分が良いと思える話し合いの場で良い場の何かを学んだり、良い対話の場を再現したくなるし、試すこともできる。1回で良い場に出会えるかはわかりませんが、続いているカンファレンスでは秘伝のタレのように継ぎ足さる、溜まり醸成されて対話の場良くしていくのだと思えるのでした。

おそらく、ファシリテーターな私は四相の③と④を第三者としてふるまっていたんだと気付かされました。もちろん第三者であることが良い場もありますが、場の参加者の一員にはなれない自分に関係性の壁を感じていたのかもしれません。外からの支援者ではなく、一員となって共創するファシリテーターとでは場の感じの違いを知りました。

役割としてのファシリテーターの言葉ではなく、自分が話したい言葉を伝える。これが自分はしたかったのかもしれないなと。他の参加者もファシリテーションの中で言葉を交わすのではなく、相手を感じて語りたい言葉を話せる状態に。(これはファシリテーターが向き合う対象の状態や、目的によってアプローチは違うので、あくまで今の私のファシリテーションが求めているものがと受け取ってもらえると嬉しいです。)

②協働ループと対話ループ

協働ループと対話ループの図

この図は合宿後にもう少しAoHについて知りたくて参加した対話Basicという学びの場で出会った図です。左側が協働のループで、右側が対話のループ。
これを知った時に、スクラムの考えと自然と結びつけた自分がいました。協働する仕組みには対話というベースが必要で、対話の関係性は協働によって醸成されていく…。スクラムは10分で覚えられて始められるが、うまくいくようになるには時間がかかる。そのうまくいくようになる要素はスクラムガイドに記されていますが、要素は対話で行われることがベースにあるのではないかと。ただ、対話は時と場合とそれまでの関係性に敏感で、スクラムガイドには「対話の仕方」としてには書かれてはいない。もしかしたら当たり前のこととして書かれていないのかもしれません。ただ、対話ループと協働ループのように、お互いに補完し合うことを意識できるとやれることも増えるのではないかと。そして、もしかすると魂の抜けてしまったゾンビスクラムの1つの処方箋になるかもしれないと思っています。

③askとoffer

askとoffer

今回のプロポーザルタイトルにもした「askとoffer」です。合宿からも感じていましたが、実践者のラボにも参加するようになって、この「askとoffer」が私には自己組織化した運営に使える仕組みに見えて、伝えたい!となりました。しかし、きょうちゃんやラボのメンバーにも相談したところ、う〜ん…という反応を返してくれて、そこでも私の想いから聴いてもらえました。結論としては、まさに手法だけ伝えて、土壌の部分を伝え忘れるところでした。(^_^;)そして、この対話部分は言葉で伝えてるだけで、仕組みとセットで伝わるのか…という考えにもなり、20分だけどAoHの場にお招きするというのが大事になりました。

そして、ここの伝え方としては、仕組みだけの状況を考えることにしました。ask(必要なことを尋ねよう、お願いしよう、お誘いしてみよう)は、相手の時間をとるかもしれないと思ってしづらかったり、askして誰も反応してくれないことを怖れてしづらかったりするかもしれないと。そしてaskされる側も自分自身が大変でもわざわざaskされたものだし、無理してでもやらければならないと受け取り、納得しないままやらされることになる。心ではノーと言ってるのに。やりますと言ってしまうような状況に…。offer(できることを差し出そう、やりたいことを言ってみよう)も同様に、できることを表明した結果、自分だけがタスクをこなすことになって、「なんで自分ばっかり…」となるし、周りのメンバーも、申し訳なくなってしまって相手に何も言えなくなる…。

まさに四相の実践にある自分自身をホストすること、他のメンバーも自分自身をホストしていることを知っているし、その状態での対話を体験していること、土壌がポイントなのだなと。土壌については面白いことに、同じ合宿に参加してなかった違う合宿で体験している人、学びをしている人で初対面の人でも私の対話の感覚は違っていて話しやすかったんです。

これは企業やコミュニティにおいてはオンボーディングやキックオフ、そして日々の会議やワークで実践されれば、できそうだと思っています。

とはいえ、Host myself はどんなの?

これはファシリテーションが身に染み込んでいた私にはホントにできなくて、難しかったので、登壇ではこの後にきょうちゃんへのインタビューにつなぎました。

きょうちゃんにはAoHについていろいろ話してもらいましたが、そこはまたの機会に。

あなたの次の扉になりますように

次の扉へ

今回のWonen in Agileでもそうですが、ただ話を聴くだけだはなく、オープンスペーステクノロジーを入れて対話の場を設けるカンファレンス、イベントが増えてきました。その対話の場をいくつも体験していくことで、なんかこの場の対話は良かったなぁというのが積もっていくことで、みなさんの対話が育っていくと思いますし、この場で、このプログでAoHの一部ではありますが、大事な自分自身をホストするということを知り、もしかしたら今後のOSTで四相の実践を知る人と場を共にすることができたら、少しいつもより自分らしく居る、在り方で対話ができるかもしれません。(当日は同じこのセッションを聴いた人を周りを見回すことて知ってもらいました)

今後も、AoHについて語っていきますし、道場のような対話の鍛錬もできる対話の場を作っていきますので、フォローしてもらえるとうれしいです。

Art of Hostingの公式サイトはこちら
https://art-of-hosting.jp/

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