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ファシリテーションはチームの中に引き継がれていく

ファシリテーターは過渡期に存在する役割という話は時々しています。

今も、とある企業のリーダーたちが集まるチームビルディングについて考える週次の定例会のファシリテーターをさせてもらっていますが、3ヶ月目に入って、週次から隔週に変更してもらいました。

最初の月は週次でも、必要に応じて(相手の時間を確認した上で)延長したり、翌日必要なメンバーだけにして続きを行ったりしました。「対話できる関係性を再構築する」それがファシリテーターの場づくりの一つですが、不特定多数が参加する一度きりのイベントとは違って、企業やコミュニティなど継続性のある場では、再構築も時間をかけて無理やり関係性を作り変えたりはしません。無理やりにやっても、うまくいかないことが多いので…。特に私は外部からのファシリテーターなので、まずは私自身がその場に「居てもいい」存在になるようにするのも大事な観点ですが、そこからゆっくりと会議のテーマを介して、関係性を再構築していく。外部からの第三者という立場を利用して、話が滞ったり、うわべだけの言葉になったりする時に、「関係性」も含めてファシリテートしていきます。

それまでに作られた「ややこしくなった関係性」を解きほぐしていく役割。それぞれの感覚で「ずれている」もの、言葉を相手に伝わるように翻訳していく。これもファシリテーション。

その補完的な丁寧なやりとりは、なかなか当人同士だとやりづらくて、つい相手の受け取りかたが悪いとか、社会人だからそれくらいわかるだろう…と相手に期待する部分があまり良い感じならないということになりがちです。まぁ、私も企業に居た時は相手のせいにしていましたが。(^^;

この「対話できる関係性の再構築」は、以前、展開していた「喧嘩できるチームの作り方」という手法に盛り込まれていましたが、その手法を知り合いのファシリテーターと作った時のノウハウが活きています。第三者のファシリテーターからのフィードバックの仕方を活かす方法を学んだ感じです。

そうして「会議」を介して「お互いに言い合える関係性」を醸成していくと、だんだんファシリテーターと言う存在は必要なくなってきます。もちろん「ややこしいテーマ」に対してファシリテートが必要な場合はありますが、お互いに言い合えるのですから、ファシリテーターが一手間入れる隙間はなくなります。これはファシリテーショングラフィックしていると、だんだんファシリテーターが補完したり、引き出したりする言葉が減ってきたりするので、意外に顕著に現れるので、気づきやすいです。

そこまでくれば、隔週にしたり、場合によっては、もう彼らに任せる段階にして自分が抜ける準備をします。自分が参加しない会議を設定してもらうなどして、どんな感じかを試してもらいます。良い感じなら、外部のファシリテーターは抜ける。ファシリテーターが居る場を体験していると、居なくても誰かが、もしくはみんながファシリテーションを意識できるようになるので、抜けることができるのだと思っています。

とはいえ、チームに人が増えたり、減ったり、役割が変わっていったりすると、またなんとなく対話がうまくいかなくなったりもするので、その時はまた呼んでもらったりしていますが。w

ファシリテーターは過渡期の存在。私自身がそう思って接しているので、依存が発生しないように気をつけたり、社内にファシリテーターになりそうな人を見つけたりするようにしています。大体数名はファシリテーションに興味を持つ人がいるので、そこから興味ある人にファシリテーションの勉強会を行ったりしていきます。

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