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"Team Singer" miyou

「3人が色んな涙を流しながら踏ん張って作り上げた土俵に簡単に乗ったつもりはなかったし」

miyouの手紙より

この言葉を聞いて、miyouはやっぱりmiyouなんだと思いました。

いつも気遣いが素晴らしいmiyou
6人に両手を広げて輪を作るmiyou
ソロ、リード、高音ハモから低音ハモ、難しいコーラス、ベース、ボイパまで縦横無人に役割を担うmiyou

M∞nsterAudtionのYoutube動画では「この子ソロ向きじゃない?」とコメントをしている人もいました。

まるで海外アーティストのような歌声
実力も最初から半端ない
たしかに言いたいことはわからなくはない。

でも、僕がオーディション動画で見たmiyou、そして今見ているmiyouは徹底的に「グループである」ことにこだわっているアーティストだと思います。

今回のnoteではmiyouから見えてくる「グループである意味」について語ろうと思います。


僕はmiyouに感謝しています

一番最初に言いたいのは、「個人的にmiyouに感謝したい」ということ。

僕の大切な価値観を言葉で思い出させてくれたのはmiyouです。個人的なことから語らせてください。

以前にUNLOCKファイナルの感動振り返りnoteで、僕は「音楽を共に作るメンバーの愛おしさ」という扉がUNLOCKされた、と語りました

僕は学生時代最後の2年の時を、自分の大学のビッグバンドに注ぎ込みました。コンサートマスターを務め、必死に音楽を作る日々でした。

そこで大切にしていたのは「バンドメンバーの大切さ」です。(略)

僕がやっていたバンドも、一時期はメンバーが集まらなくて、エキストラ頼みになっていたときがありました。人がいない苦しみ。絶望。

「3人になってしまったときに諦めなくてよかった」

だから、そこに集まってくれたメンバーがどれだけ尊いことか。
この言葉がどれだけ”リトグリの音楽”の真理を表しているか。

当時僕のバンドメンバーはスキルという面では非常に低い状態でした。輝かしい功績を残したOB、 OGの方からは「このメンバーで本当にやっていくのか?」と言われたこともあったし、バンドメンバー当人たちも「他からもっと上手い人を連れてきたらいいんじゃないか」と思っていたかもしれません。

でも僕は絶対にそうしたくなかった。

「上手い」音楽が必ずしもいい音楽ではない。
「昔、こうできた!」を再現することが必ずしもいい音楽ではない。
これから、このメンバーで、自分たちの音楽を作っていくことに意味がある。

そう信じて活動していました。

といっても、当時の僕はまず音楽の形になるところからのスタート。リトグリのレベルと比べるのはおこがましいこと百も承知ですが、miyouの言葉には深く共感してしまいます。

昔のメンバーと比べ、比べられ、落ち込んでばかりで自分がどこを目指せばいいか、この6人で何になればいいか、悩んでばかりの毎日でした。
でもある時気づきました。
3人が色んな涙を流しながら踏ん張って作り上げた土俵に簡単に乗ったつもりはなかったし、私が今ここに来たからこそ3人に見せれる景色、ガオラーに見せれる景色、この愛おしい6人だから見れる最高の景色があるじゃないか、と。

Little Glee Monster 10th Anniversary Liveのmiyouの手紙より

6人全員、同じ気持ちだと思うけれど、こういう言葉にしてくれたmiyouには感謝しかありません。

僕の過去を正当化したいのではありません。ただただ、その考え方、音楽観が好きで、感動なんです。

miyouは最初からTeam Singerだと思う

「チームシンガー」という言葉はこのnoteを書くにあたって僕が勝手に考えた造語です。「ソロシンガー」という言葉に対しての「チームシンガー」という言葉を考えてみました。

miyouは折に触れて「6人で歌う意味」について語ってきていると思います。もちろん「自分がどう歌うか」も考えているけれど、「6人でどう歌うか」を誰よりも考えているんじゃないか、そう思います。

「いつから?」と思うと、それはオーディションのときからでしょう。

miyouはM∞nsterAudtionのときこんなことを言っていました。

さっきMAYUさんが言ったようなコメントで、自分にできないようなことやったり、得意不得意あるところを、補い合えるのがグループやからって言ってたのは自分の中で納得。「グループである意味」がそこなんかなって。ずっとグループやってたMAYUさんが言ってたんで。「そうなんやな〜」と思って。

Youtubeより

そして、UNLOCKツアーを振り返ってのインタビューではこんなことを話しています。

(略)この6人のリトグリで伝えていきたいことがすごく明確になったツアーだったと思います。これまでもがむしゃらに、自分たちなりに歌を届けてきてたけど、この6人で歌う意味が確信に変わったというか。

cocotameインタビューより

そんなmiyouもリトグリに入る前はソロで活動でやっていくイメージしかなかったと語っています。

私ってずっと歌う人になりたかったんだけど、正直、グループのなかに入って歌をやりたいと思ったことはなかったし、グループで歌っている自分を想像していなかったんです。1ミリも。

B-PASS 2024年4月号より

きっとリトグリオーディション以前、ソロでやってくことを真剣に考え、その難しさも肌で感じていたからこそ、オーディションのときのMAYUの言葉が響いたのではないでしょうか。

そこから常にmiyouは「6人で何になればいいのか」「グループである意味」「6人で歌う意味」など、「なぜ自分、そして自分たちはグループで歌うのか」を問いかけ続けているのだと思います。

シナジーという言葉を体現するチームはそうそういない

個性がバラバラの6人だからこそ、ひとつの歌を届けたときによりみんなに届くんだなと実感できたツアーでした

UNLOCKツアーファイナル公演のmiyou MCより

これはUNLOCKツアーのmiyouのMCで語られた言葉です。

実は先日、会社で組織づくりの研修として「7つの習慣」の研修を受けていたときに、ハッとする場面がありました。「これはmiyouがMCで言っていたじゃないか」と思ったんです。

『7つの習慣』は、世界中で4000万部以上、日本でも240万部以上発行されたベストセラー書籍です。発行から30年以上経った今でも世界中の多くの人に読まれ続けている理由はその普遍性にあります。私たちは人間関係、組織内のトラブル、取引先との関係構築などさまざまな課題につい応急処置的な対応をしてしまいがちですが、たいてい、まったく新しい対応を必要とする課題や問題に直面してしまいます。しかし『7つの習慣』は時代を超えた原則に基づいており、課題や問題が大きいほど、困難なチャレンジであればあるほど、その解決方法には『7つの習慣』の原則がヒントとなります。

FranklinCovey Blogより

このなかの「第6の習慣:シナジーを創り出す」がまさにそれだったのです。

簡単に言うと
・複数人で何かに取り組むとき「妥協点」を探るとパワーは発揮しきれない
・私が「第1の案」、あなたが「第2の案」だとすると、両者の違いを認め、その違いをもパワーに変えられる「第3の案」を探求することでシナジーが生まれパワーが発揮される

ということです。

第6の習慣は2つの図で説明するのがわかりやすいと思います。

FranklinCoveyサイトより

「第6の習慣:シナジーを創り出す」は、「1人よりも2人で考えた方が良い」という考えに基づいています。シナジーを創り出すことは、創造的協力の習慣です。それはチームワークであり、心を開くことであり、古くからの問題について新しい解決策を見つける冒険を意味します。(略)シナジーとは、全体の合計は個々の部分の総和よりも大きくなるという考えです。1プラス1が、3にも、6にも、60にもなることです。可能性は無限大なのです。
一人ひとりが本音で話し合えるようになり、心を開いてお互いの考えを受け止めると、新しい洞察が得られるようになります。新しいアプローチを考案する力は、人それぞれさまざまな違いがあるからこそ、飛躍的に高まります。違いを尊重することがシナジーの本質です。

FranklinCoveyサイトより
人事部長教養の100冊より

シナジーと妥協とは異なる。妥協では、1プラス1はせいぜい1.5にしかならない。
— スティーブン R. コヴィー

FranklinCoveyサイトより

つまりリトグリ6人のパワーを図示するとこういうことだと思います。

これって言うは易し、行うは難し。

でも今のリトグリのパワーはまさにこのシナジーが生むパワーです。
本気で悩んで、本気で「グループである意味」を考えて、それを地道に作ってきたからこそ発揮できるパワーなのだ思います。

なぜmiyouからこんなパワーを感じるのか

miyouはTHE F1RST TIMESのインタビューでこのように語っています。

私はハーフなんですけど、ちっちゃい時はそれにコンプレックスを感じてたんですよ。日本で生まれ育って、心は日本人だけど、人と違うっていうことに。そういう気持ちのハーフの子たちがいっぱいいるんやろうなと思うんですよね。私は今、自分らしさを表現できるチャンスをもらっているので、そういう子たちにちょっとでもパワーを与えたいし、私が楽しんでる背中を見せて、いいやんって思ってもらえる人になりたいです。

THE F1RST TIMEより

「違い」というものに生まれながらに向き合ってきたmiyouならではだと思います。何より、そうやって感じてきたことをグループのパワーにしてしまう、そのパワーを歌からも言葉からも感じる、それがmiyouだと僕は思います。

そして、だからこそオーディションのときにMAYUから語られた「グループである意味」に共鳴し、2年間かけて徐々にそれを作り上げ、「この6人で歌う意味が確信に変わった」「この愛おしい6人だから見れる最高の景色があるじゃないか」と語れるまでになったのだと思いました。

はじまりのうた「Break out of your bubble」

2024年10月に発表された新曲、「Break out of your bubble」

Xを見ていて印象的なコメントがいくつかありました。
この曲が「リトグリ第2章にとっての『はじまりのうた』だ」と言うのです。

僕も本当にそう思います。

「はじまりのうた」、それは第1章のリトグリにとって特別なものだと思います。第1章の勇敢な歩み、チャレンジや大切にしていたものを、その思い出と共に詰め込んだような曲だと思います。

第2章の「はじまりのうた」
そう感じたのは第2章リトグリの大切なもの、グループとして目指す姿が凝縮されているからではないでしょうか。

「違いを尊重し、それをパワーに変える」

僕なりに言葉にするならそれがリトグリ第2章というものだと思います。

それを誰よりも言葉で表し続けてくれたのがmiyou。
MAYUについて語ったときも書きましたが、発せられた言葉は空気となって、やがて周りを包み込むものだと思います。

いつの間にか、「グループである意味」そのものが、第2章の大切な価値観になったのです。

miyou。あなたは手紙の中で

私たちもリトグリになれたかな。

と語りました。

僕は言いたい。今のリトグリの原点があなたたちなんです、と。




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