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虎穴に入らずんば何を得る?

昨日のコラムを、今日の午前2時24分に書き終えて、今度は今日のコラムに着手する。というのも私の戦友であるPowerBookG3が突然、トラブルを起してダウンしてしまったからだ。これはショック!なぜこの時期なのか、は機械に聞いてみないとわからないが、来るべくして来たのだ。いままでの働きを考えれば、やむを得ないことだと頭では理解しながら、おいおい待ってくれよ、と打ちひしがれた状況は説明の仕様がない。

天災は忘れたころにやってくる、ということわざもある。備えあれば憂いなし、もある。人間は、失敗を繰り返しながら歴史を創ってきたことは想像に難くない。しかし、私は逆の発想で考えてみたのだ。結局のところ、人間が予測し得る範囲などたかが知れている。防災などと言っても、実際に起こってみなければ何もわからない。いつくるかわからないことに不安を抱いていても、何もいいことがないことは歴史も証明していることだ。

人生も同じことが言えるのではないか。いまはお金があればこんなに助かることはない。周りの人にも多少の“施し”はできる。何よりも、家族に安定した生活の基盤は提供できるだろう。しかし、そのお金が不幸を招くことだってあるわけだ。その類いの話はいくらしても足りないくらいだ。

ああ、なんでもっと素直に世の中にある幸福を受け入れることができないのだろう。そうこうしているうちに自分は年を取り、子どもたちは確実に成長していく。多少、欲張ってもいいではないかと思った瞬間に落とし穴が待っていたりして…。

トラブルは自分の身の丈を超えたところに存在して、ときには人生の落とし穴に落ち、ときには想像しなかった幸福を手にすることができたりもする。虎穴に入らずんば虎子を得ず、とはまさしくその言葉通りで、トラブルや失敗を恐れていては良いことも悪いことも経験することができないから、まずはやっでみることが大切だということだろう。失敗したら、そのときに考えればいい。

偶然にお金を手に入れても、無駄金になってしまうことだってあり得る。貧乏人はお金の遣い方を想像の世界でしか考えたことがないから、ついつい浪費してお金も、友情も、仕事も失う羽目になったりして…。ところが、金持ちというのは、金を使わないから金持ちだということを、私は知っているのですよ。

それは、お金持ちは自分の価値観を信じていてブレないから。それはどんな状況になっても変わらない自分のアイデンティティで、良いときも、悪いときも平然としていられるのです。自分もそうなろうと思うなら、まず自分と他人を比較しないことから始めてみたらどうだろう。たぶん、私と同じように、多くの方が無理だと思うけど。

私は、こうしてキーボードを叩く音が狭い部屋に響き渡り、ああ、今日も一生懸命に生きていると感じたとき、明日はどんなトラブルがあるのか、楽しみになる。単純に“書くネタ”ができることもあるし、そのトラブルをどう解決していくか、のケーススタディを習得したいと思う。これでもか、これでもか、と目で見て、肌で感じていけば、きっとこの上なく強くなれる気がする。

自虐的ではなく、人間という動物としての本能が騒ぎだしているのだ。こうして明日も街に出て、そして人間の欲望やわがままを全身に受けながら生きていくわけやね。それでも生きる。前に進む。人間って偉いなあ。がんばって生きて、ああよく生きたな、と後悔しない人生にしたいと思っている。

*****

偶然にも
20年後の自分と同じ心境にいることに
驚きを隠せない。

来るべきして来る。

これも同じで
つい数ヶ月前までは
現在の状況が少なくとも10年は続くと
平然と考えていたから。

今どういう心境かと聞かれれば
ちゃんと平然としていると答えられる。
少なくとも数年前から
心の準備はできていたように思える。

それは本文でも書いてあったように
自然と本能が騒ぎ出したから。

私は概ね10年以上同じ場所にいた試しがない。
それなのに
10年以上同じ状況が続くなんてあり得ない。
だからいつかこういう日が来るものだと
認識ができていたのだろうと思う。

ただ当時と違うのは
心配することが
家族の行く末ではなく
自分とカミさんの老後なのだ。

不思議なことにこの見通しは
お金だけではないことが分かった。
みなさんはお金があれば人生は大丈夫だと
思っているかもしれないが
お金よりも健康で気力があること
何よりも大切だとしみじみ思う。

歳は取る。
それでも生きていかなくてはならんのだよ。

#あの頃のジブン |22

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