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亜細亜への巡心旅#07 澳門_アイデンティティの闘いを制したのはどっち?
■香港から澳門へ行くのに何故パスポート?
昨日の“ジェットコースター2階建BUS”での香港シティのナイトドライブは、なかなかスリリングでした。
ただし、私としては、できれば朝の方が良かったかな。歴史的な建造物やオシャレなカフェなども見れたし、何よりも市民たちの生活が垣間見えた方が良かったと思う。
そうは言っても、もう今日で香港ともお別れ。これからイミグレーションに行って、50キロ超の世界一長い橋を渡り、澳門(マカオ)に行く予定だから。
ホテルで朝食を済ませて、早速、バスに乗り込みます。
それにしても、一応、同じ中国なのに、何故、パスポートがいるのか不明。しかも、両国間を自家用車で移動するとなると、両国それぞれのナンバープレートが必要になるとか。もう少し融通が利かないもんかねぇ。
なんて考えているうちに香港のイミグレーションに到着しました。荷物を下ろして列に並び、バスのチケットを受け取ります。
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このチケットの上に四角く囲んであるところに書いてある<港珠澳大橋穿梭巴士>の“港”が香港、“澳”がマカオ、そして“珠”が中国大陸の珠海を表しています。つまり、これから渡る全長55キロ超の世界一の海の上を渡る橋は、この3カ国をつなぐ橋であるということなのです。
ちなみに料金は一般が65香港ドル(日本円で約1300円)でした。でも国境を越えるバスがこんなに安くていいのかなと思いました。それに65歳以上のシニアは35香港ドルと約半額。私たちは団体料金(33香港ドル)だったのでさらに安くなっていますね。
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#ちょっと気になる汉语でも紹介したのですが、バスの座席の前に掲げられていたのがこれ。【溫馨提示】は、禁止事項、お願い事項など注意喚起を促す時の決まり文句のようで、単なる「お知らせ」というよりは、ご注意/お願い/ご協力くださいといった意味を強めているようです。「席を譲りなさい!」ではないところが、何とも言えずいいですね。
約1時間程度で澳門に到着して、早速、イミグレーションへ向かいます。
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香港同様に、すべて機械で対応するレーンと、担当者がいて対応するレーンに分かれていましたが、窓口が多すぎてどこに行けばいいかちょっと迷いました。それにしても、イミグレーションの担当者というのは、なぜかみんな仏頂面(死語かな?)ですね。もう少し入国する人たちに愛想良くしてくれてもいいと思うのですが。
→→→BUSでタイパ地区へ移動
これから最初の観光地である【北帝廟】に向かいます。
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タイパ地区にある古刹の寺院です。石碑によると北帝廟は160年の歴史があり、当時、多くの人々は漁業を生業としていたことから、海の守り神として大切にされて来たようです。
(引用:マカオ政府観光局)
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第81代マカオ総督であるポルトガル海軍大佐にちなんで名付けられた官也街。ここにはポルトガル料理や中華料理など、さまざまな食べ物が揃っていて、通称「フードストリート」と呼ばれているらしいです。確かに色々な匂いがして、訳がわからなくなりました。修学旅行の子供たちなのか、黄色い帽子を被った女の子たちが、徒党を組んでお店を散策していました。
■香港に1つもなく澳門に30もあるものは?
澳門は33平方キロメートルの国土に、約70万人もの人が住んでいる世界一の人口密集都市ですが、その中に30もの世界遺産があるのです。
2005年7月には22か所の歴史的な建造物と8か所の広場で構成される【マカオ歴史市街地区】が世界文化遺産として登録されました。それとは対照的に、香港には世界遺産が一つもないこと知っていましたか?
早速、世界遺産の一つを見に行きましょう。
それが【大三巴牌坊】こと聖ポール天主堂跡です。
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まずは、滅多にサイトなどでは見ることができない“裏側”から。やはり、これだけ古くて高い壁だけに、補強はしておかないと崩れ落ちてしまうかも。
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イエス・キリストの使徒聖パウロに捧げられた聖ポール天主堂は、1602年にポルトガルのイエズス会によって建てられました。当時のアジアでは最大のカトリック教会とのこと。
アジアでのキリスト教布教活動が始まった場所として、ヨーロッパの王族たちの寄進を受けたため、非常に栄えていました。しかし、主要都市としての地位を香港に奪われた後、勢いが衰えはじめ、1835年の火事により建物のほとんどが焼けてしまいます。残されたのは、石造りのファサード(建物の正面部分)と、68段の階段だけでした。
(引用:世界遺産オンラインガイド)
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写真を見てもらえばわかると思いますが、その日は平日だったにもかかわらず、これだけの人たちが訪れる一大観光地になっています。確かに、その姿は当時の繁栄ぶりを想像させてくれますね。
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歴史的建造物と知ってるのか知らないのか分かりませんが、あらゆる場所に座ってしまう観光客の姿が目につきました。世界遺産を大切にしましょうね。
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ここは原宿ですか?身動きが容易に取れないほどの人混みは久しぶり。アジアの活気ぶりを象徴するかのように、ここから先もこの人混みは続いていきます。
続いて【玫瑰聖母堂】こと聖ドミニコ教会。
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1587年にメキシコのアカプルコから来た3人のドミニコ会スペイン人修道士によって建てられた教会で、ロザリオの聖母が祀られています。1822年9月12日、ここで中国初のポルトガル語の新聞「A Abelha da China ("The China Bee")」が発刊されました。こちらは世界文化遺産になっています。
(引用:マカオ政府観光局)
そして、セナド広場に続く通路には、中国と澳門の国旗が掲げられていて、旧正月を祝う準備が進んでいました。
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歴史的建造物が立ち並ぶ両側には、有名ブランドのお店やスポーツ用品などのお店が並んでいて、街全体がバランスよくデザインされている感じがしました。
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人混みをかき分けて、ようやく【セナド広場】に辿り着きました。広場の前には旧市庁舎が綺麗にリノベーションされていて、旧正月のお飾りも準備万端の様子。テレビやYouTubeで見るよりも、セナド広場は狭かったような気がしますね。
今朝、香港を出て澳門について、お昼過ぎにここまであっという間でした。想像以上に澳門はポルトガルの雰囲気がたくさん残されていて、経済的な発展よりも住みやすさ、暮らしやすさを優先した結果だと思います。そういえば娘が新婚旅行でヨーロッパに行った時、一番、印象に残った国はポルトガルだと言っていたけど、それも何となくわかるような気がします。
これからは旧市街地のタイパ地区を離れ、いよいよカジノの街のコタイ地区へ向かいます。以前、ラスベガスに行った時、自分の中ではとても違和感があったので、今回もその雰囲気になれるかどうか心配はつきません。