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遠い旅の空から想う2 「自分でやる」社会とは
300キロの道のりを移動するのが、当たり前になってきた。制限速度が日本では高速道路でしか見ないような数字が並び、道端には小動物、主に野うさぎの死体がよく見られる。夜中に道路に出てしまうため、車に轢かれてしまうらしい。
長い移動の中で、日本で言えばドライブインみたいなところが所々にあり、トイレや軽食などを提供している。お土産も充実していて。さながら道の駅のような装いだ。
そこで見掛ける人たちは、明らかにアジア人が多い。特に中国人と韓国人が大半を占める。日本人も、バブルの時にのことを思い出せば言えたものではないが、明らかにアジア全体が豊かになっている証左であろう。
飛び交う異国の言葉の中には、次の世代に繋がるような世界の広がりを感じるが、一方で少子高齢化よりも以前の、一千万人いるかいないかの人口で成り立っている国々の姿も、同時に垣間見ることができる。
まず目についたのは、ほとんど現金が使えないことだ。cashless onlyと書かれたボードがレジに置かれ、セルフレジも当たり前。当然、高齢者などにはサポートが入るが、みんながそれを当たり前として受け入れている。
空港でも、各種オペレーターに女性がいないことはない。むしろ、男性よりも比率は高い。荷物の預け入れから航空券の発行まで、すべてモニターに向かって自分でやる。そう「自分でやる」が原則の社会だ。
人口が減る、高齢化が進む、生産人口が少なくなる社会の行く末を見ているようで、過剰なサービス、やり過ぎなマニュアル化が当たり前の日本の将来の姿がそこにあった。
何もかも機械化、システム化すればいいとは思わないが、高齢者といえども、こういう社会の変化に伴うサービスの変容を、受け入れていかなければ、不利益を被るのは自分自身だ。マイナカードは悪いシステムではないが、大臣や官僚の説明が本当によくないのもあって、みんながヤンのヤンのと囃し立てるので、一向に進まない。
これまでの日本のサービスやルールを維持できるかを不安がる議論をやめて、高齢者も面倒がらずにシステムを学び、人間をもっと創造的な仕事にシフトさせないといけないなぁと、遠い旅の空から想いを馳せた。
#いま時のジブン