好奇心で猫は殺す。
猫がまた、雀を獲って来た。
いつもと鳴き声が違う、と最初に思い。その鳴き声の主を見ると口に雀を咥えながらニャーニャー唸っている。
急いでティッシュを掴み、雀を保護した。
何かで、「雀は飛ぶ鼠である」というようなことを読んだ事がある。
雀は目を閉じて、しかし嘴を開けていた。
しかし心臓の音は聴こえてくる。
不満そうに鳴く猫を尻目に、外のプランターの土の上にそっと置いた。
雀は地面に両脚で立った。
目を開けたり閉じたりして、まだ息はある。
見たところ外傷も少ない。
雀を保護することは法律で禁じられている。
充分な時間を経て、雀は空に飛んでいった。
命を救えた、などとは大仰なことでは無いのだろうが、今日した善行として数えておいた。
猫には多めにエサをあげておいた。