「お腹すいてます?」
駅前でハンバーガーなどを食べていた自分が悪いのだが、
「美味しそうに食べはりますねえ」
と、虚空から声が来た。
声の持ち主をぎょろりと睨むと、
「美味しそうに、食べはりますねえ」
と、続けて来た。
駅前で食べるハンバーガーが美味しい訳などない。
「何か、食べますか?」
そう答えながらビッグマックを頬張った。
「いえいえ、そう言う訳じゃなくて…」
恋、というものは、曲がり間違えば、こうやって始まって行くのだろう。
「良い夜をお過ごしくださいね」
そう言って私は立ち去った。
「