旗揚げ公演によせて。

こんばんは。眼帯部主宰、金子真千です。

本日、旗揚げ公演の情報第1弾を発表させて頂きました。

周りの方々に支えて頂きながら、苦手な事務作業をえっちらおっちらこなし…やっと今日発表することができました!😭✨
また、たくさんの方がいいねやRTしてくださって、本当に嬉しいです。

今日は、旗揚げ公演に関することを少しお話したいと思います。

今回旗揚げ公演のテーマに『多頭飼育崩壊』を選びました。
「多頭飼育」とは、動物を複数頭飼育することで、飼い主の飼育管理がままならず一頭一頭が適切に飼育されなくなり、心身ともに満たされていない状態になると、問題として認識されます。(山梨県犬の多頭飼育現場の軌跡を伝える会 写真集より一部抜粋)

このテーマを選んだ理由として、私のとある体験があります。

私は、元動物看護師です。
大学を卒業してすぐ動物病院で働き、たくさんの動物達や飼い主さんと接してきました。
大学では動物看護と福祉について四年間学び、動物達の世話やサークル活動などを通して、人と動物が共に生きるということを考え続けていました。

大学2年か3年の時、とあるサークルに入り、山梨県某所にある『犬捨て山』と呼ばれる多頭飼育崩壊現場に、ボランティアとして初めて参加しました。

そこでの経験は、想像を絶するものでした。

蛆が沸き、熊も普通に出るような山の中。夏は灼熱、冬は極寒。電気もガスもトイレもないような場所で、ボランティアのおじいさんがたった1人で、住み込みで犬達の世話をしていました。

犬達も高齢で、多頭飼育現場で生まれ育った子達ばかり。一頭一頭世話の仕方も違えば、トレーニングやコミュニケーションの取り方も違う。

一瞬で理解しました。"この子達は、私が今まで接してきた動物達と違うのだ"と。
この子達は、人間の愛情を知らずに育った。普段私達が接している"ペット"ではないのだと。

トレーニングし、多少人慣れしている子もいましたが、それでもやっと首輪とリードを着けて、狭い敷地の半分の面積を一周できる程度。
リードや首輪すら着けられない子や、全く穴から出てこない子、怯えながらこちらの様子を伺っている子もいました。

住み込みのおじいさんや、長く活動に参加している先輩達から聞いた、私がボランティアに参加する前の話も、私達の身近で本当に起きていることなのかと疑うくらい、衝撃を受ける話ばかりでした。

そんな数々の経験をし、こんなことを考え始めました。
動物達にとっての幸せとは何か。
そして、人と動物が共に生きていくということは、どういうことなのか。

多頭飼育崩壊は、孤独死やゴミ屋敷など様々な社会的な問題にも繋がっていると言われています。
今この時も、私達の身近な場所で、知らない間に起きているかもしれません。

いつか、何かしらの形でこの現状を伝えねばと、ずっと思っていました。

卒業して、看護師として働き、今は看護師を引退して、役者として表現の道を歩んでいます。
表現には、演劇には、人を動かす力があります。

多頭飼育崩壊が起きた時、飼い主は、そして動物達はどうなるのか。
それを防ぐために、私達には一体何ができるのか。

この作品を通して皆さんに体感して頂き、一緒に考えて頂くきっかけになれば良いなと思っています。

私が犬捨て山で体験してきたこと、20数年間動物達と接し、見て聞いて体験してきたこと、想いを全て込めました。

これから続報をどんどん眼帯部公式Twitterで発信致しますので、どうぞご期待ください。

アンダーワールドの扉を開け。