279_高校生バイト
イオンのフリーペーパー。
求人情報を見て、時給4桁のバイトを必死に探した。
私が高校生の頃、長野県の最低時給が690円ほどだった。
「690円?ふざけんな!安すぎるわ!」
友人がバイトしているコンビニは長野県の最低賃金だった。最低賃金の基準が上がるごとに時給も上がるというわかりやすいシステムだった。
「オーナーがうざいんだよね。めちゃくちゃこき使うし、家近いからって混んだらすぐ呼ばれるんだよ」
文句を言いながら仕方がない、と働く。
「俺のところは750円だし人もいいし楽しいよ」
ガソリンスタンドで働いている友人が提案してきた。
車拭いて、ガソリン入れて、ありがとうございましたって言うだけだ。簡単そうだなと思って一度履歴書を送ろうとした。しかし辞めた。
「夏は暑いし、冬は寒いから辞めとき」
親からの一言で「確かに」と。
どこでバイトしたらいいだろう。
時給4桁で高校生を雇ってくれるところなんてなかなかない。
怪しいバイト以外は。
そんなことしたくなかった。
でもどこでバイトすればいいのか、これじゃあ決まらない。
履歴書を何個も書くの面倒だし、探すのも疲れた。もう簡単に雇ってくれるところないかなと思っていたら、友人が焼肉屋を紹介してくれた。
時給は700円でほぼ最低賃金だったけどもうしのごの言っていられない。
高校3年生の私は某焼き肉チェーン店でバイトすることになった。
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