想いと行動の循環を作るということ
一斉休校・休園。外出自粛。非常事態宣言。
今まで当たり前のように出来ていたことが出来なくなって。
変わらずに続くと思っていた日常が非日常になって。
多くの人が不安を抱える中で、家で過ごす時間が圧倒的に増えた。
リアルで人に会えない。
大切だからこそ会わない。
行きたいところに行けない。
そんな日が来るとは思っていなかった。
リアルで当たり前に行なっていたこと。
みんなで飲食店や居酒屋に行って、ご飯を食べたり、飲んだりすることが出来なくなり、Uberや独自のやり方などのデリバリーに変わって。
足を運んでいたイベントやライブがスマホやPCを通して参加するオンラインに切り替わって。
友達や知り合いとの飲みがオンラインでの飲みに変わって。
オフィスに集まるのではなく、コミュニケーションツールやバーチャルオフィスに集まるようになって。
今まで何も考えずに電車に乗ったり、外出していたことが、「いまそれは必要なのか」「外出していいのか」と考えるようになって。
本当に色々な物事、状況、思考、判断基準が変わって来ている。
今まで進めてきたイベントが中止になったり。
動き出していたプロダクト開発が中止になったり。
半年以上掛けて進めてきたプロジェクトが日の目を見ることなく中止になったり。
大切に、楽しみにして作り上げてきた物事がことごとくダメになったけど、そこで立ち止まるわけには行かなかった。
多分多くの人が大なり小なり無念の想いを、残念な想いがあって、思い半ばで中止や終了になった物事が沢山あると思う。
むしろ明日の生活や来月の生活がどうなるか分からない、先が見えない状況の人も沢山いると思う。
そんな状況の中で、自分に出来ることはなんだろうと考えていた。
もともと東北生まれで、岩手にも住んでいて、親戚や知り合いから「岩手に来たらどう?」「こっちは安全だよ。東京はもうダメだよね」と連絡をもらった。
こちらのことを思って言ってくれたこと。
それでも東京を離れることは、岩手に行くことは一ミリも考えなかった。
自分にはここでやるべきことがある。
そしてもし誰かのことを想うことができるなら、想像力を持つことができるなら、自分の都合だけで、東京を出ることは出来ない。
自分が移動することで、ウイルスを持ち込むリスクがある限り、動くことは出来ない。同じように思って、耐えている人、頑張っている人が沢山いるはずだからね。
いまの自分に出来ることを
リアルで多くの物事を作り上げてきて、リアルの場でやりたいことを形にすることが多かったからこそ、リアルが難しくなった中でどうしていくか、何ができるか。本当に考えた。
自分がやりたいこと、提供したい価値、目指す社会は変わらない。
・1人1人の可能性や選択肢を増やしていく、想いや、やりたいを形にしていけるきっかけや場、仕組みや雰囲気、繋がりを作っていくこと。
・必要な人に必要なものを届けていくこと。
今の状況で、環境で、そのためにどんな手段で、どんな方法でやっていくか。
外部サービスを利用したり、自分で企画したり、行動したりと様々なことを仕掛けている。
たとえば自分が経験してきたこと、仕事やプロジェクト、イベントなどやりたいことなどの物事を作り上げていくことについて、やりたいを形にしていくこと、NPOなどのソーシャルセクターについて知ってもらうために今までと違う形の発信をしていくために音声メディアのstand.fmをやってみたり。
たとえば同じ業界の人たちが繋がる場を、情報共有を、そして共に仕掛けていくための場を作ったり。
いまどんな状況か、それぞれが何を思って、何をしているのか。
想いを、取り組みを共有して、一緒に出来ることを考えていく。共有する、繋がることで、間違いなくこれからに繋がっていくからね。
たとえばみんなが応援し合っていける応援経済を作っていくために、まずは自分が挑戦してみたり。
みんなが大変な状況だけど、少しでも自分に出来ることがあるならと、自分の好きなものを、好きな店を、好きな人を個人が応援し合っている。その循環こそ応援経済だよね。
もっと一人一人が応援していけるように、挑戦していけるように。
また、いま自分が本職でやっていること、そして今後やっていきたいことをPuenteさんに記事にしてもらったので良ければご覧ください。
個人としても動きながら、所属しているフローレンスでも本当に多くの動きを起こしている。
すべての親子を置き去りにしないために
フローレンスはもともと課題を見つけたら、何が課題で、何が必要で、何をすべきかを検討して、実行していく。そのスピードが本当に早い!
今回の新型コロナウイルス感染拡大を受けて、起こしたアクションの数々。
1ヶ月でこれだけのアクションを起こしてきた。
そして特に孤立するリスクが高く、支援ニーズが高い家庭である「医療的ケア児家庭」「経済困窮家庭」「ひとり親家庭」に対してのサポートを、セーフティネットを届けていくために新たに立ち上げたのが「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」。
このプロジェクトを立ち上げて、本当に沢山の人たちから想いを、応援を、支援をいただいている。
「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」
フローレンスのミッションに従って、行動を起こしてきた。
・休校措置で困っている親子の声を集め、状況の改善につなげていくこと。
・全国から集った切実な声を、議員や行政など然るべき場所に届けること。
・感染リスクの高い医療的ケア児の家庭に、必要な物資を届けること。
・メディアの方々とともに、必要とされている支援を伝えていくこと。
・様々な企業のみなさんとともに、それぞれの得意分野を活かしながら協力しあって支援を届けること。
フローレンスだけでは難しいことも、多くの人の、多くの団体と連携していくことで出来ることが沢山ある。
声をあげる、行動していくことで確実に届いて、広がって、繋がっていく。
ひとり親をみんなで支えよう
そしてその声が、行動がまた新しい人に届いて、共に行動をしていくことに。
それがサッカー日本代表の長友佑都選手。
自身もひとり親家庭で育ってきて、コロナウイルスの感染拡大で、ひとり親家庭の方々がより苦しい状況に、困難な状況にいることを知って、自分に出来ることをしたいと行動を起こしてくれました。
そしてフローレンスは長友さんと一緒に「コロナで苦しむ"ひとり親"へ支援を届けたい」プロジェクトの立ち上げと、その後の支援を主導していくことになりました。
ひとり親支援をしている団体に必要な資金やリソースを提供したり、サポートして行き、必要なひとり親家庭に必要な支援を、必要なサポートを行なっていく。
声がけをいただいて、クラファン立ち上げまで1週間もかからずに、爆速で立ち上がった企画。
こうやってオンラインで、それぞれが、それぞれの場所で出来ることをして、コミュニケーションをとって、作り上げていった。
ひとり親世帯はただでさえ苦しい状態にも関わらず、コロナの影響で更に厳しい状態となっております。僕は日本代表としてみんなにパワーをもらってここまで走ってくることができました。今度は僕がみんなに届ける番だと思っています。
長友さんの想いを、行動をしっかりと繋げていきたい。
それぞれが自分に出来ることを
きっと多くの人が大変な状況にいる。そしてそんな大変な状況の中であっても自分に出来ることをしたいと思っている。
それは
感染拡大を防ぐために家にいるという行動であったり。
飲食店や生産者さんたちを助けるためにオンラインで購入したり。
自分たちが持っているものを必要な人、必要な場所に届けたり。
飲食店、ライブハウス、映画館をクラファンなどで応援したり。
社会課題に取り組んでいる団体に寄付をしたり。
多くの人に知ってもらうために発信をしたり。
不安や悩みを共有出来る場を作ったり。
繋がりを作る場を、機会を作ったり。
一人一人が自分に出来ることをしている。
行動を起こすことは簡単なことではない。
特に今はみんなが大変な状況にいる。先が見えない不安、家で過ごすことが多いことによる寂しさ、自分も子どもも在宅でずっと子どもと一緒にいながら在宅で仕事を進めていくことによる疲労やストレス。メンタルヘルスに悪影響がある人も沢山いると聞いている。
そしてリアルなやり取りがなくなって、ほぼすべてオンラインでのやり取り、コミュニケーションを取ることによる難しさもあった。
それでも「何とかしたい」「自分に出来ることをしたい」
そう思っている人が沢山いるからこそ、いま数多くの取り組みが生まれている。
きっとそれは自分だけでなく、自分のことではない人のこと、物事に対して行動を起こしている人たちが沢山いる。
人を想って、人のために行動する。
今は全国各地で、世界中で、その行動が生まれている。
もちろん全てがそうではないかもしれないし、全てがうまくいくわけでもない。
それでも想いを持った人の想いを、声を上げた人の声を、行動を越した人の行動を繋いでいくために、届けていくために、広げていくために。
きっと晴れる日が来ると信じて、自分に出来ることをしていきたい。
文:がんちゃん