
Photo by
solo_andata
洞窟の奥はお子様ランチ (毎週SS)
「……最深部だ」
ダンジョンに潜って三日目。ついに一行の目の前に目的地の扉が現れた。
誰もが安堵の声をあげた。
難攻不落と呼ばれたダンジョン。
幾度となくチャレンジしては失敗した。
その苦労が今、報われる。
「……開けるぞ」
みんなが頷くと、リーダーは鍵穴にカギを差し込む。
巨大な石扉を押し込むと
そこには広い空間と、埃をかぶった銀食器、お皿、蠟燭台の数々。
「どういうことだ。これは」
「元々は古代王朝の食堂だったのですね」
「まさか、これが宝ってか!?」
「持って帰ろうにもこの量だし、売っても大した金にならんぞ」
「なんてこった。俺たちの夢が」
「どうすんだ。ここでレストランでも開けってか?」
「馬鹿言うなよ!」
「……いや、ありかもしれん」
それから数十年後
かつて難攻不落と呼ばれたダンジョンは、各地の商業キャラバンの中継地として盛況していた。様々な店とレストランが立ち並び、近くの町からも家族連れが押し寄せるほどだ。
一番人気は、お子様ランチだそうだ。
銀食器に盛り付けられたチキンライスの上には、
ダンジョン踏破記念のフラッグを模した旗が刺さっている。
(463文字)
何故かは知りませんが、
このお題を見た時から某けんじなワールドが頭の中から離れないんですよ。
なんかそんな感じのレストランがあった気が、気のせい?
ずいぶん前の記憶なのでかなり曖昧です。
すみません蛇足でした。
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