見出し画像

R7.2/10きょうのことば

だいぶ前からお世話になっている方の本を購入した。料理研究家をされていて、料理本を前々から購入していたけど、今回一気に9冊買った。本を一気に買うと情報が渋滞してしまうような感じになってしまって、たくさん買ったのに本に逆に手がつけられないような気持ちになってしまうんだけど、今回は特別で、その方が亡くなってしまったのだ。

原因も突然の病で急にそのことがわかった。僕はその方にお米を買ってもらっていて、毎月一方的にだけどお米を送らせてもらっていた。それでなんとなく近況報告のつもりになっていた。でも、だからお米を送っていたから関係者の方から亡くなったときに一報をいただくことができたのだった。

亡くなったと聞いたとき、真っ先に思ったのは、"その方の言葉を忘れたくない"という気持ちだった。僕がまだ学生だったころだったろうか。こだわりの野菜や果物を取り扱うお店でアルバイトをしていた。そこで同じく働いていたのが、その方だった。まだ料理研究家ではなかったけど、でもアルバイトの先輩として僕にいろんなことを教えてくれた。ときに陳列のやり方や、お客さまへの試食の提供の仕方など、その方らしくとてもきめ細かく行き届いた助言をいただいたことを覚えている。雑な僕の性格はきっと目に余るものだっただろう。ただ、その方が言っていた言葉が、料理研究家となって書かれている料理本にたくさん載っている。最初に知り合いだからと購入した本を見て驚いた。料理本にしてはすごく文章がたくさんあり、レシピに細かい指示がある。決して難しいことを要求しているわけではなく、やっておくと楽だという準備とか、考え方が細かく写真や文章で紹介されていた。

その方の言葉とか、そこに載っかっている見識みたいなものが文章を通して感じられてうれしかった。それで、亡くなったということを聞いて、思わずなるべくその言葉を逃したくない、なるべく
たくさんの本を自分の手元に置いておきたいと思ったのだった。

頭の怪我の影響で、不慣れな場所に出向くことは難しく、葬儀にも参加できない。せめて著者くらいは購入しよう、そんな気持ちもあったかもしれない。

本はまだ開いてもいないけど、これからたくさん時間をかけて、レシピを通してその方のに思いを馳せようと思う。

いいなと思ったら応援しよう!