英語を読めないことの悪影響
英語力は大事だと常々思います。
日本には日本語という極めて優れた母国語があって、
立地的に島国だから、人の出入りが大陸に比べて少ないです。
そのため、英語でコミュニケーションを取る必要性が多くの場合ない。
だから、世界ではHPVワクチンを当たり前に打っていて、子宮頸がんは近年消滅するだろうと言われていたのに、日本だけアンチワクチンって言っていた。そしてそれが大きく報道されることはなかった。
もし、英語をちゃんと読むことができ、英語の生の情報にリーチできる人が多ければ、報道の規制もしようがないから、こんな状態にはならなかったと思う。
フェイクニュースにも弱い。
それは来た情報のリソースをたどり、本当の情報を読み解く力がないからだと思う。
僕の領域でも一つ懸念はあって、妊孕性温存の卵巣凍結はまさにそれです。
” The slow-freezing protocol should be used for OTC as it is well established and considered as standard. “STRONG”.
Vitrification of ovarian tissue should only be offered within a research program. “RESEARCH ONLY”
「卵巣組織凍結に関しては緩慢凍結法が確立された標準プロトコールです(強い推奨)。卵巣組織凍結におけるガラス化法は研究プログラムの範囲でのみ行われるべきです(研究でのみ使用)。」と要約されます。
僕が患者さんであれば、この情報を知っていたら、ガラス化凍結法を選ぶ可能性はかなり低くなる実感があります。
この情報は本当に正しく、患者さんや患者さんの家族ひとりひとりに伝わっているのだろうかと不安になります。
卵巣凍結を検討しなければいけない時、患者さんは卵巣凍結の事前知識なく短期間での健闘を余儀なくされる上、原疾患への不安で頭がいっぱいです。
凍結方法の良し悪しはもちろんのことですが、
それ以上にしっかりと患者さんにその国際的な評価を伝えてほしいと願います。