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計画的な受精卵凍結

最近ふと思うことが増えました。

計画的な卵子凍結よりも受精卵凍結では?という気持ち。

医療機関から見た時の卵子凍結の最大の課題の一つは、
凍結後の利用率が「まだ低い」状態であることです。

なぜこれが課題かというと、医療機関の努力でこの確率を改善することが非常に難しいためです。

いわば患者さん側の対応が必須であり、社会的な問題でもあります。

そして、これが今改善傾向にあるかといえば、まだまだないというのが実情です。

そのため、卵子凍結による恩恵を受ける人はいるでしょうが、
そこのサポートだけでは少子化対策にならないのでは、ということです。

東京都などの支援はとてもありがたいことですし、広まって欲しいけれど、やはり根本解決には繋がっていない感じがしてしまう。

これを受精卵凍結にしたらはどうだろうか、と考えています。

結婚している≠「今」子供がほしい

そもそも受精卵凍結の有効性を感じたのは、後輩との会話の中で、

うちもそろそろ子どもを考えたいんですよね

という発言でした。

この言葉自体は決して珍しいものではなくて、おそらくごく普通にあるものですよね。
女性の社会進出が進んでいる中で、結婚するタイミング自体も遅れているとは思いますが、子どもを考えるタイミングも遅れている可能性は高いですよね。

そうこうしているうちに歳を重ねてしまい、年齢的な不妊症になってしまう方もこれまでも大変多くいらっしゃいました。

結婚しているから、子どもが「今」ほしいのか、というとそうではないということです。

もちろん、結婚していても子どもはいらない、という人もいるでしょうし、いてもいいでしょう。

ただ、一つの考え方として、結婚している人=子どもがほしいと思う可能性が高い人、であることは間違いない。

そうであるならば、仮に同じ予算を振り向けていくのであれば、
既婚者の受精卵凍結に使用することを考えても良いのではないかと思い始めたというところです。(今更かよって感じかもしれませんが)

アウトカムのわかりやすさ

もちろん、結婚生活がうまくいかずに離婚するような方もいるでしょうけれど、未婚の方が卵子凍結後に結婚して、その後卵子を使用して治療する確率と、既婚の方が時期を迎えて受精卵を使用して治療するのとでは、後者の方が確率が高いような印象を受けます。

使用率が高ければ、補助に対してのアウトカムも非常に評価しやすくなるので、その点も非常に良さそうだなと感じます。

施設基準

また、社会的卵子凍結を行うには特段施設申請が必要ありませんが、
受精卵凍結であれば、ART施設登録が必要となるため、一定のハードルを設けることができます。

経済負担

経済負担の面から考えても、一人で100万近い費用を負担するよりも、2人の方がはるかに負担しやすいのではないかと思います。
男性側との意識のすり合わせが重要になるようなイメージはありますが。

妊孕性温存のバックデータから

僕自身が見てきた妊孕性温存のデータを見ていても、やはり受精卵凍結の方が圧倒的に利用度合いが高い。

卵子凍結の場合には、凍結しておいたもののパートナーとまずは不妊治療をしてみようということになり、不妊治療をして授かれた!というような報告もあります。

これ自体は全く悪いことではないです。

ただ、受精卵凍結の場合には、将来受精卵凍結を使うということに治療時に同意をしているわけなので、あとになって意思決定する時の追加コストが発生しづらいということだと思います。

利用者はいかほどか

こればかりは、まったくわからないです。
僕は国や自治体というよりは、企業側に助成してもらいたいなと思っています。

やはり人には「時」というか「タイミング」があると思っており、キャリアも一番良い潮目が存在するのは確かだと思います。

これだけ、技術が発達している世の中で、キャリアと将来の子どもを持つという選択肢が両立できないわけがない。

そして、そういう人に投資することは、企業にとっても見返りが大きいと思うのです。

保険適用ではカバーできない範囲だからこそ、企業側にそうしたサポートをしてもらえると、とてもありがたいなと勝手ながら思います。

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