#雪隠川柳 肉体や 空気の芸術 残すこと
一昨日、NODA・MAP第21回公演 『足跡姫』~時代錯誤冬幽霊~を観てきて、肉体の芸術である演劇や歌舞伎がいかにして残り続けるかということを考えまして。
この作品自体は日本を代表する劇作家であり演出家であり舞台俳優でもある野田秀樹さんが、先日、亡くなった中村勘三郎さんと坂東三津五郎さんへのオマージュとして作ったと銘打たれた作品な訳ですが、この作品を作ったきっかけとされるのが坂東三津五郎さんの言葉。
「肉体の芸術ってつらいね。全てが消えたよう。本当に寂しいよ、つらいよ」
確かに、演劇や歌舞伎そのものを体験する技術はまだ生まれていません。
さらに、それを体験する技術が生まれたからといって、その場にいる観客との関係は2度と再現が出来ないもので、確かに、唯一無二の体験だなと思う訳です。
でも、そんな素晴らしい体験にしても、残さなければ、語り継がれなければ、無くなってしまう。語り継いだとしても、間違った形で伝わってしまうと、それは違うものになる。
「無形文化財」とはよく言ったものだなと思いますが、こうした形に残らない遺産をいかに伝え続けるか、難しいものです。
そんな話を聞いて、演劇を観て、自分自身を省みてみました。
イベントも形に残らないもの。
イベントは一種、空気の芸術とも言えるんじゃないかと思います。
その場で聞こえた音、見えたもの、食べたものだけに意味がある訳ではありません。
目には見えない感情や関係性、匂いなど複合的に、その場を共有したことにこそ意味があったりします。
同じテーマで同じメンバーで同じような話をしたところで、同じイベントは2度と起こらない。
書き起こしや録画、録音だけでは追体験できないもの。VR的なものであればもしかすると感じられるかもしれないですが、その時々の嗅覚や触覚までは、100パーセント再現できないんじゃないかと思います。
それが面白いところでもあります。
でも、やはり自分で生み出したものとして、それが、ただ失われていくのは寂しい思いもあるんですよね。
なので、なるべく、自分のイベントについては自分で書き残しておこうと、毎回、夜会のメモは残すようにしています。
それは公開するかは分かりませんが、誰より自分自身のために残していこうと。
そして、出来る限り、自分が参加して楽しかったイベントについても書き残していこうと思います。
イベントのレビューや、作り方のインタビューを書いていくメディアを作りたいなと思います。
興味ある人は、是非、ご連絡ください!