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『天気予報 最初の戦場 第1回(第11稿)』

 大人のピンポンダッシュ、始まるよ~!

 ランボーと来たら、チンボー。チンボーと来たら、マンボー。そして、チンボー、マンボーと来たら、いくぜ、チンボー・マンボー・天気予報!


「ぼくのなまえはチンボー

 ぼくのなまえはマンボー

 ふたりあわせてチンマンだ

 君とボクとでチンマンだ

(中略)

 小さなモノから大きなモノまで

 動かすマン力だ チンマンディーゼルぅ~♪」

 チンボー・マンボー・天気予報の3部作の最後、天気予報のお時間です。

「今回の読者ターゲット」は「晴れ男」です。そして、前回から始まった新企画、「今回の無言フォロー」の2人目は「お天気コンサルタント 天佑(てんすけ)」さんです。出会いは「天気予報」でのnote検索

 じゃあ、さっそく約14年と5か月前の曇り空みたいな実話へいきますか。

【2000年1月26日(水)】

 7時、起床(どうも、2014年の俺です。また副音声をやりにきました。以下も基本、()内は2014年の俺のつぶやきです。おぉ~、ツイッターみてえ)。朝イチからこういうこと言うのもなんだが、俺は同じ失敗を繰り返さない男としても有名だ。2日連続寝坊するなんて醜態を晒すことなく、こういう何にも予定のない日に限って超早起き(ナイスファイ!)。

 でも、俺はニュー俺に生まれ変ったんだ。が、さすがにまだ昨日の痛手が…、ううん、なんでもない、こっちの話。やっぱ朝は余裕を持って、一日の始まりに備えたいよね。まあ、今日の予定は特になしですけどね。もち明日以降も、てか死ぬまで。ちゃんと死ねるかしらん(知らん!)。

 とりあえず、こんなラチャブリとか言う街にこれ以上いても何の意味もない。何がラチャブリだ、変な名前、ば~か(ば~か)。

「ふん、もうどうでもいいさ」と負け犬よろしく尻尾をまいて、ラチャブリからとりあえずホームタウンにして第二の故郷、バンコクに逃げ帰るとするか。実はバンコクにいること自体、かなり前から既に意味がないんだけどね(ねえ~)。

 シッ~。じゃあ、またチェンマイにでも行こうかなあと思って、いいことを思いつく。「あ、帰りは、チェンマイ帰りのときみたいにバスにすれば、きっと電車よりも更に安上がりのはずだ」って(すげえ、天才!)。

 もうあの不運な電車に乗らずに済むし、あの不吉な駅だ、あの呪われし駅員だを見なくても済む。しかも、バンコクのファランポーン駅に戻って、「あら、ケンタッキー太り? もうラチャブリから逃げ帰ってきたの?」って後ろ指さされて、泣きながら駅のトイレに逃げ込んで、2B取られずに済む(ホント好きな、トイレ2Bネタ。まあ、これくらいしかネタがないのをお察しください)。

 つまり現時点で既に、バスの方が2B安上がりだ、想像上ではだが。ホテルのフロントでバンコク行きのバスがあるか聞く。予想通り、町外れのバスターミナルから出ているそうだ(大抵、バスターミナルは町外れにあって、ホテルは町の中心にある。結局、ホテルとバスターミナル間の交通費がかさむのよねえ)。

 11時、荷物をまとめて、チェックアウト。フロントで教えられた通り、フラフラ歩いて、無事にバスターミナルへ(あ、よくも歩いてくれたね! いつも生意気にメータータクシーのくせに!)。

 チケット売り場で、バンコク行きの切符(63B)を買う。やはり電車の切符より2Bも安い。先程のトイレ代で2B浮いてるので、計4Bも儲けた。チェッ、行きもバスにしておけばよかったよ(て・お・く・れ! てか、バスなら夜出発のラチャブリ行きもあったかも。早朝には着いてるはずだから、ギリギリ例の病院に間に合ったかも。て・お・く・れ、14年くらい!)。

 11時40分、電車同様、冷房が全然効いてない車内の古ぼけた座席に腰掛け、動き出した車窓からラチャブリの街を眺める。視界がぼやける。汗が目に入っただけ! ゴシゴシと目とチンコをこすりながら、「そういや、国境なき医師団の支店がラチャブリにあったなあ。同団の高田馬場支店に行ったとき聞いた記憶あるもん」と思い出すもまさに後の祭りだ、ワッショイワッショイ(いいえ、昨日のママ電の後、ラチャなんたらを地球の歩き方で調べたときに、国境なき医師団の支店のことは思い出していましたよ)。

 13時10分、電車より4B安い上に、1時間近くも早くバンコクの南バスターミナルに着く(おかえり~)。

 14時、また国立競技場近くの安宿街にある『Muangphol Mantion Hotel』という安ホテル(450B)へ、メータータクシーで乗り付ける(90B)。バスターミナルから安宿までのメータータクシー代の方が、バンコクからラチャブリ行きの電車代よりも、ラチャブリからバンコク戻りのバス代よりも、運賃が高いでやんの(バンコク市内には路線バスもあるが、路線が複雑過ぎて迷子になる。旅行者と見るとすぐに群がってくるツゥクツゥクやバイクタクシーはかならず最初はボッタクリ値段をふっかけてきて、いちいち交渉するのが面倒臭いし、乗ったら乗ったでクソ暑い上に交通渋滞天国バンコクで排気ガスまみれになる。それなら、クーラーの効いたメータータクシーの方がマシだ。たまに前の客の値段のままシレっと走り出すが、初乗り運賃さえ把握しておけばちゃんと指摘できる、運転席を長渕キックで)。

 ま、今日も今日とて、タクシー代とバス代と電車代の比較しての小銭勘定くらいしかやることも、楽しみもねえんだよ。ブツブツと本音を撒き散らしながら、チェックインした部屋にて荷物を解く(もう日本に帰ろうよ)。

 14時30分、ホテルを後にし、バンコクで唯一の知り合い、クソメス野良犬にただいまの挨拶をして、遅めの朝昼兼用飯を食いに出掛ける。久しぶりのバンコクに戸惑ったのか、昼夜逆転で昼8番ラーメンをば(150B)(いちいち店選びするのが億劫なんだよね)。

 そうそう、この懐かしい味、バンコクのおふくろの味にホッとする。オッと危ない、ちょっとでも気が緩むとつらい現実が体を支配してくる。急いで8番ラーメンをすすり終えて、店を飛び出る(どこ行くの?)。

 さあ~、俺は自由だ。これから何をしようかしら。とりあえず目に付いたダンキンドーナツ(33B)に飛び込み、ドーナツ片手にひたすら読書(そういや、最近ダンキンって見かけないね。すげえツイッターっぽくなってきた)。

 眠くなってきたが、気力を振り絞ってダンキンから立ち上がる。銀行に立ち寄り、トラベラーズチェック100ドルを3666Bに換金(資金繰りです、仕事です、ええ)。

 16時30分、ホテルに戻る。すぐに昼寝。小慣れたものだ(暑い国は体力を消耗しやすいから。8番らーめんとダンキン行くのも重労働)。

 19時、このまま朝までオールで昼寝するつもりが、目が醒めてしまったので、仕方なく夕飯を食いに行く。夜マック(100B)(夜マックでつぶやくような副音声はない!)。

 そうそう、この懐かしい味、バンコクのおふくろの味にホッとする。ちょっと都会の味も。ながら読書の合間に、活字を追う目をふと上げて、マックの薄汚れた大きな窓から見えたバンコクの夜景が「あら、まあ、きれいだこと」。交通渋滞を起因とする大気汚染も輝いてみえる。ああ、生きてるって、人生ってホントすっばらしい(また適当なことを)。

 心が洗われたのか自然と「明日は昼マックと夜8番ラーメンにしよう」、そう思えた。もう修行というか苦行だが、明日の予定ができてホッと一安心(そうですね)。

 21時、ホテルに戻る。すぐにシャワーを浴びて、電気を消して、ベットにもぐり込む。暗闇におやすみなさいとポツリつぶやいて、目を閉じる。更なる漆黒の闇闇闇…(そうですね)。

 パチリんこ! 目が冴えて、全然寝れない。てか、もう辛抱たまらん。堪忍やで~(ア~レ~~~)。

 いやいや、無理無理、何にもなかったことにして、ちょっと感傷的にオシャレぶって生きていくなんて絶対無理! ちょっとどうすんのよ! この大失態!(感傷的にオシャレぶるのも失敗してるよ)

 それにしても、この気持ちの大混乱振りはどうよ、一昨日と今日したことに大差はないのに。さては、犯人は昨日だな!(ビンゴ! 昨日の野郎~)

 どうどう、ちょっと待って、落ち着いてゆっくり考えてみよう。カレン民族解放軍の従軍取材とカレン族の難民キャンプ取材のため、初海外取材でタイにやってきた俺はさっそくバンコク慣れに失敗し、え、そこからプレイバックかよ! ま、いいだろう、中学時代から振り返るよりは(うんだうんだ)。

 バンコク慣れに失敗して、さあ、どうした?(カモン!)

 コッソリ同伴で連れてきた当時の女とチェンマイに静養に行き、主にウンコを漏らす。ようやく症状が回復し、満を持してバンコクにカムバック。さあ、体も元気になったし、女は日本に帰ったし、仕事を再開して、バリバリ働こうと思った矢先に、あえなく年末年始休みに突入(最初から師走に来るなよ!)。

 ようやく年明け。難民キャンプの取材パスを貰うため、タイの内務省内を散々たらい回しにされた挙句の果てに、「この男は一体何がしたいんだ」とタイ語で書かれた紙切れをゲット!(最初、内務省本丸の奥深くまで突撃アポなし取材したところまではよかったんだけどね)

 もう完全にグレて、バンコク一の不良になって、毎日毎日マックと8番ラーメンに入り浸る。その合間合間に、野良犬に噛まれたり、美人局にあったりとそれなりに充実した日々を送る。そうそう、忘れちゃいけないのは、古本買ったり、古本読んだり、古本売ったりで古本屋になったこと(ある意味、この2ヶ月の初海外取材のメインパートね)。

 そんな苦労の連続を乗り越えた甲斐あって、ラチャブリの病院をカレン族が襲撃する大事件勃発の報を、偶然電話を掛けた日本の情報源からタイミングよく聞く。でも、そん時もう夜も遅かったので、翌朝遅刻のおっとり刀でラチャブリに3時のオヤツタイム頃に駆けつけると、大事件はタイのくせに朝飯前の早朝にすべて終わっていて、ケンタッキーをヤケ食い(ああ、なんか久しぶりにケンタッキーが食べたくなってきちゃった)。

 翌日というか本日、バンコクに戻ってきて、日中はルーティンワークを淡々とこなすも、遅めの昼寝をしたこともあり、夜なのに全然眠れないという現在に至る(ゴール! パチパチパチ)。

 もう万策尽き果てた感は否めない。「この男は一体何がしたいんだ」事件以来、二進も三進もいかんわけですわ。男の意地でここまで痩せ我慢して踏ん張ってきたが、もはや体力の限界、気力の限界、持ち金の限界、ヤル気の限界の目白押しで、残された選択肢は一つだけ、このまま日本に逃げ帰る(帰れ・帰れ・帰れ!)。

 そして、なるべく早く体勢を立て直し、でっかくなって、またバンコクに舞い戻ってくるしかない。え~、また来るの、こんなとこに(そうだそうだ!)。

 うるさい、一晩よく考えて、頭を冷やせ! このままじゃ、お前の戦場語録は、「暑い、ダルい、面倒臭い、馬鹿馬鹿しい、うんこでもするか、うんこ漏れちゃった、うんこのついたパンツどうしよう、もう帰りたい!」になるぞ(まさに俺の戦場童貞語録にふさわしい)。

 ガハハ、おもしろいじゃん。それに初取材なんてみんなこんなもんだから別にもういいだろ。これはこれで逆にいい感じにダメダメがまとまってるし、とってつけたようなラチャブリオチもついて、いたるところに若気の至り満載でかわいげもあるじゃないか、諸君!(おうよ!)

 ま、これくらいマジメに考えれば十分だろう。明日は明日の風が吹くさ。もう明日の気分にお任せコースで!(明日の自分を素直に信じきる未来力!)

 2時過ぎ、一人反省会だか一人会議だかにて、というような結論を一応律儀に出してから眠りにつく、そんなナチュラルボーン戦場特派員(24歳と7ヶ月)であった(さて、2014年の俺ですが、ココで2012年の俺が何か話しているので、どうぞ。「あ、ナチュラルボーン戦場特派員の頭に゛自称プロ”を、各々勝手につけておいて。寝た子を起こさないように、このままずっとそっとしておいてやろうよ(by2012年の俺。ああ、明日どうなるんだろう、気になる~。ま、12年後の俺は当然知ってるけどね」だそうです。2012年の俺も適当なことを言っていることだけはよく分かりましたね)。

○本日の出費、「計算するのが面倒臭いから、各々で適当にしといてよ」B。ついでに一日の流れも「いちいちうっとうしいから誰か簡単にまとめといて」ジャ~。


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