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インボイス制度⑭ インボイス制度の影響を受けやすい人って結局どんな事業者なの?消費税の免税事業者という観点で考えてみた

こんにちわ、皆様と一緒に成長していく公認会計士・税理士のガッツです。

これまで13回インボイス制度の投稿をしてきました。
いろいろ説明してきましたが、結局、この制度の影響受けやすい事業者ってどんな事業者なのでしょうか?
消費税の免税事業者という観点で考えてみました(消費税の免税事業者はインボイスの発行業者になれません⇒この制度に伴って消費税の課税事業者になろうと決めた方は影響が大きいはず)。

1.消費税の免税事業者の中でも影響を受けやすい事業者の属性とは?

消費税の課税業者になろうと決めた方(決めるべき可能性の高い方)ってどんな人でしょうか。具体的には以下のような方と思います。

■免税事業者のままでいることにより取引先喪失リスクが高い
■免税事業者のままでいることにより値下げ圧力が高い

もっと掘り下げると、上記2点にあてはまる免税事業者の方ってどんな傾向があるのかというと、

①大手や他の事業者と差別化できていない(大手と同じものを売ってたり)
⇒同じようなものを売っているのであれば、インボイス制度といった制度対応がきちっとできているところ選びますよね
②一般消費者相手ではなく、企業や事業者相手の商売(BtoBメイン)
⇒一般消費者はインボイス制度導入で取引するかどうか決めるわけではないため
③下請けの仕事が多い
⇒元受けからすると、①と同様の考え方になるかと思います
④取引先との人間的関係が希薄(人的な思い入れがお互い少ない)
⇒双方「人対人」ですから、関係が希薄だと、取引先見直しのいい機会にされちゃいますね。

上記のような方は、価格競争含めてインボイス制度にのらないと取引先喪失のリスクが高いのだと思います。
言い換えれば、「あなたじゃなきゃダメ」というような商売をしているのであれば、インボイス制度にのろうがのらなかろうが、無理してインボイス発行業者にならなくてもいいのだと思います(僕もいますよ、値上げしようが、インボイス発行業者でなくても、●●さんが好きだから続けようっていう方は)

2.それなりの利益でているけど消費税の免税事業者の方ってどんな人?

それなりに商売している方って、一定の利益を上げるために商売されています(ボランティアとか、お小遣い稼ぎという方もいらっしゃいますがふつうは利益を上げないと、商売成り立たない)。

業種にもよるのですが、消費税の課税業者にならざるをえない売上1000万円に満たない場合、利益って上げれないと思います。
例えば、一定の席数の飲食店で売上1000万円に満たない、粗利率10%の商品を卸売りしている卸売業で売上1000万円に満たないとなると、インボイス制度の話以前に、商売が成り立っていないと思います。

一方で、売上が1000万円に満たなくても、それなりに利益を上げている方もいます。
そんな方ってどんな人なのか。

■商売するのに元手がいらない事業の方
・人を雇っていない
・事務所がない(自宅兼事務所)
・物の仕入がない
・商売する前提となる設備が少なくていい
⇒一人会計事務所もそうですし、カウンセリング業もそうですし、WEB関係もそうですし、やり方次第では売上1000万円なくても十分な利益を上げれます。
無形のサービスをしている方って、インボイス制度に伴って、課税事業者になるべきかを考えないといけない可能性がある点、影響があると思います。

■税金対策のために、法人を分割したりとかして、一つの法人の売上を抑えている方
⇒こういう方はご自身ないしブレーンがいろんなアドバイスしているでしょうから、インボイス制度に伴い対応も自身で考えるでしょう(せっかく法人分割して消費税申告うまく避けたのに、インボイス制度でスキーム破綻やと嘆きが聞こえてきそうです)。

結局は、ご自身の商売や取引先を洗い出してみて、免税事業者から課税事業者に変更するべきなのかをこの半年で意思決定することになるんだと思います。


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