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それぞれの業務にはリスクがある(売上計上と請求編)
こんばんわ、皆様と一緒に成長していく公認会計士・税理士のガッツです。
2日前の記事で、それぞれの業務を理解し、それぞれの業務にはリスクがあるお話をしました。
昨日の記事では、売上に係る一連の業務の中で、オーダーとデリバリーの業務を取り巻くリスクと対策例をご紹介しました。
本日は、下記のうち③と⑤の売上計上と請求部分に注目して具体的なリスクと対策例をご紹介したいと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1656592269207-gLIurf3o3r.jpg?width=1200)
1.昨日のオーダーとデリバリーのリスクをほったらかしにすると起こることとは?
オーダーやデリバリーのリスクの話をしましたが、昨日お話できていないのは、そのリスクをほったらかしにすると何が起こるのかということはあまり触れていませんでした。
何が起こるのか。簡単にいうと以下になります。
・お客様の信用を失う⇒商売が成り立たない
・品質事故を起こす⇒商売が成り立たない
2.では、本日お話する売上計上と請求に関するリスクをほったらかしにすると起こることとは?
後述するリスク内容をみてもらえれば、イメージつくかもしれないですが、オーダーやデリバリーと違って、直接はお客様の信用を失うことはないと思います。リスクをほったらかしにすると以下のようなことが起こることになります。
オーダーやデリバリーとは違う形ですが、商売や信用には影響はあることにはなります。
・正しく会計システムの売上が計上されない⇒銀行への決算報告を誤ったりして銀行の信用を失う、税務申告を誤る結果として追徴課税受けたりする
・請求が正しく行われない⇒入金がされない結果として資金繰りが悪化する、間接的にはお客様からも事務処理を信用されない
3.売上計上におけるリスクを考える前に、会計システムに売上計上するとは何かを理解しないといけません。
商売されている以上は、決算や確定申告のために売上データを記帳する必要があります。
何が売上計上の記帳の原則になるのかということを理解しないといけませんが、以下が原則になります(実務的には簡便にしていることもありますから、どこまで簡便にしていいかは専門家と相談した方がいいと思います)。
いつ:サービス提供が完了した日付で計上することが原則になります。
誰に:契約や注文した相手方です。
金額:相手方と合意した金額(数量×単価)です。
どのような資料に基づいて:数量、単価、日付の根拠となる資料です。契約書になることもあれば、注文書になることもあります。注文書と出荷報告書になることもあります。
4.売上計上におけるリスクと、リスクへの対応とはどんなものか
①売上計上におけるリスク
a)売上計上を会計システム入力で誤ってしまう
b)売上計上するべき事象があるのに会計システムに入力を漏らしてしまう
c)売上計上根拠がないのに会計システムに売上入力されてしまう
②売上計上に対するリスクへの対応策の例
a)に対するもの
・根拠資料(注文書や出荷報告書)と会計システムへの入力結果の照合
・システム上の必須チェックとか、異常値チェック
・出荷報告データなど外部のデータを活用できる場合は、会計システムに取り込んで入力を簡略化する
b)に対するもの
・根拠資料が会計システムに漏れなく計上されているかの確認(根拠資料にチェックマーク付けれたりすると、漏れがわかりやすい)
・別途受注管理簿とかつけているなら、会計システムと受注管理簿の矛盾確認(受注管理では納期がきているのに、会計システムで売上あがっていないとか)
c)に対するもの
・根拠資料と紐づける、根拠資料どおりか確認する
・上司による承認
5.請求におけるリスクと、リスクへの対応とはどんなものか
①請求におけるリスク
a)請求書の記載を誤ってしまう
b)請求するべき事象があるのに請求を漏らしてしまう
c)請求する根拠がないのに架空請求する
②請求に対するリスクへの対応策の例
a)に対するもの
・根拠資料(注文書や出荷報告書)と会計システム売上値などと、請求書の照合
・会計システムの売上値から請求書が自動作成されるようなシステム(逆に請求書から売上計上が自動で行われる)。freeeとかはそうです。
b)に対するもの
・売上計上したものの請求書発行漏れ確認
・受注データや受注管理簿から請求書発行漏れがないかを確認
c)に対するもの
・根拠資料と紐づける、根拠資料どおりか確認する
・上司による承認
本日は売上計上と請求についてリスク例と対応例を紹介しましたが、オーダーやデリバリーと違い、決算や資金繰りなどに直接影響を与えます(信用という点も間接的には影響ある)。
どのように売上計上や請求を行うのかをきちっと定め、どんなリスクがあるのかを考え、対策を講じることが大事になります。