想像力とか、判断力とか
近所の「まいばすけっと」の入口前に行列ができていたので覗いてみたら、入場制限だった。ご丁寧にも警備員まで雇い、店に入る際は全員にアルコール消毒が課せられていた。アルコール消毒をすると、途端に肌の表面がポロポロと剥がれ落ちる僕のような体質の人間にはなかなか嬉しくない「新対応」である。
昨日まで普通に買い物が出来ていたわけだから、まあ、誰かがイオンに物申したのだろう。
バランスを欠いた世の中には、黄門様の印籠のごとく、普段見向きもされない役所や大企業だって平伏してくれる決め台詞を持って、小さな権力志向を満たそうとする輩が出てくる。
山岳4団体が登山、クライミングなどを自粛するようにとの声明を出し、野口健氏が同調したところ、ホリエモンが噛み付いたことがネットメディアのニュースになった。コメント欄には堀江氏は混み合っている山の実態を知らないとか、別の記事では骨折をしたハイカーが搬送後感染の疑いが出て、救助隊員10名前後が患者の陰性が判明する2日間機能しなかったという八ヶ岳での事例を取り上げ、自粛要請の正当性を後押ししていた。
情報として、混む山があり、山のインフラにダメージを与える危険性があることを知る機会は有り難いし、選択基準に加えることは必要だと思うが、一般論を言えばウィルス感染の環境とは対極にあると思える登山そのものを、一括にして止めさせることにどんな理があるのだろうか。
登山に限らず、世情に流され一振りで下されている現在の多くの判断が奪っているもの、それは人の想像力とか、判断力とか、自由にもの言える空気とか、に考えが及ばない社会風潮は、負の歴史下におけるものと紙一重であることは認識するべきだと思う。
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