三色弁当
中学~高校時代、親の作る弁当でいちばん好きじゃなかったのは「そぼろ弁当」だった。弁当箱のふたを開けると半分茶色で、半分黄色い、で隅の方に申し訳程度になんか緑の野菜とかが乗ってて、開けた瞬間の地味さがそもそもがっかりだった。
しかも、食べようとすると、こぼれる。肉のそぼろがぼろぼろ落ちる。卵もぼろぼろする。野菜に味がない。オレが好きなプチトマトも入ってなかったりする。味にも飽きる。
でも、一回親に向かって「コレって手抜きだよね」と言ったら、「え?なんで?おかーさん三色弁当大好きだよ!駅弁買うときでもわざわざ選ぶくらいだよ!!美味しいじゃん三色弁当~!!!」と猛烈に反発されたので、二度と言えない。
…去年の春から弟が中学生になって弁当になった。
なんだか親は毎日弁当の写真を撮っているらしい。オレのときの弁当よりも確実におかずのグレードが上がっている。オレのときは「すきまをご飯で埋める」のが通常だったのに。同じ弁当箱(牛柄のはオレの趣味で選んだ)なのに、まるで別物のような旨そう弁当になっている!
この日の「三色弁当」、オレは家で残りのそぼろと卵といんげんを茶碗に乗せて遅い朝飯に食べた。ピカチュウかまぼこはもうなかった。
…前よりもそぼろがしっとりして旨い。卵もそんなにぼろぼろしてない。
これだったらオレももう一回三色弁当でもいいかなあ、とか、ちょっと思った。学食のコロッケそばにコンビニのおにぎり、の昼飯より、親の作ってくれる弁当の方が、…
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ならざきさんがわたしのレシピ、で書いて下さったお話があまりに素敵で悲しかったので、しょうもない話を書きたくなってしまいました。勝手に長男19歳(春から大学2年、現在長い春休み中)の気持ちを妄想して書いてみました。内容はほぼ事実です。最後の方にちらっと親の願望を入れてみました(笑)
こういうのって「創作」なんでしょうかね?
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なんかいろいろすみません…