大坂 巌 | 医師

愛媛県の緩和医療専門医 Rice work→Like work→Life workからさらに、Light workは従来の医療の枠を超えて「人を癒やすこと」

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最近の記事

ポモドーロ・テクニック

今年になってから、ポモドーロ・テクニックという新しい技を覚えました。読書、執筆の際には、大いに役立っています。と言っても、いたって簡単な方法です。タイマーをセットし、作業を25分間続けたら休憩をするだけ。私の場合には、5分から10分ぐらいのインターバルを挟んで25分間作業をします。これを何セットか繰り返すだけです。 もともとは、イタリア人のフランチェスコ・シリロが考案したテクニックです。ポモドーロとはイタリア語でトマトの意味であり、シリロがトマト型のキッチンタイマーを使って

    • 緩和ケアのartを求めて

      サイエンスとアートMedicine is a science of uncertainty and an art of probability. 医学は不確実性のサイエンスであり、確率のアートである。 カナダの医学者William Oslerの言葉ですが、医学・医療にはサイエンスとアートの両輪が大切であるということは古今東西に伝えられています。 scineceの重要性については言うまでもありません。現代の医療は、エビデンスなしでは成り立ちません。一昔前は経験主義が罷り通っ

      • 一聴千見倶楽部

        Clubhouseを始めてから、4か月が経ちました。主には読書系、ビジネス系、自己啓発系、スピリチュアル系のルームを訪れています。特に、多くの著者さんに直接感想をお伝えしたり、質問をさせていただきたくことができたのは、貴重な機会でした。 読書量も増え、多くの知識も身につけることができ、考え方や日々の診療にも幅ができたような気がしています。 COVID-19のためにマスクの着用が日常的になり、表情が伝わりにくいと言われています。顔の半分が隠されてしまいますので、もっともなこ

        • 老いの下拵え

          老いは避け難い現象いのちには限りがあり、身体機能や認知機能は低下し、いずれは他者の手を借りなければ生きていくことができなくなる。自分だけの力で立ち上がり、歩き、口から食べ、トイレに行き、風呂に入る。当たり前にできていたことができなくなる。場合によっては、病によって早められてしまうこともある。 「トイレぐらいは自分で行きたい」入院中の患者さんが、必ずと言っていいほど口にする言葉だ。見方を変えれば、生まれてきた時に戻っていくだけのことなのだが、他者に対して負担をかけることや恥ず

          生と死を支える

          生と死人は皆、死すべき定めであり、かつ死とともにある。60兆の細胞のうち、1日4千万もの細胞が生死を繰り返しているのであるから、人はみな生と死を同時に体験している。しかし、私を含めて多くの人は、死をわが身のこととして捉えてはいないであろう。身近な人の死が学びの契機にはなったとしても、死という"stigma"を真摯に受け止め、生き方を改めることができるのは少数派ではなかろうか。 医療従事者にとっての死とは医療従事者にとって、患者を死から遠ざけることは最重要課題である。しかしな

          生と死を支える

          己を磨く

          料理人は包丁を研ぐことを欠かさない。大工は鑿(のみ)や鉋(かんな)の刃を研ぎ澄ますことを怠らない。それでは、私たち医療従事者の道具はなにか。紛れもない己自身である。己を磨くということは、脳を磨き、言葉を磨き、技を磨き、心を磨くことであるとも言えよう。まずは、脳を磨くことについて考えてみる。 脳を磨く脳を磨くというと、医師であれば学会やセミナーに参加し、最新の論文を読むことで新たな知見を取り入れることがまず思い浮かぶ。分野によっても異なるが、医学の進歩は日進月歩であり、情報を