略語と日本語の進化:RAS症候群の奥深い世界
最近建築のことばかり考えていると、お風呂の時間などで建築から離れて日本語について考え込んでしまうことがあります。今回はその時考えたことを少しだけ話したいと思います!
現代の私たちは、日常生活のあらゆる場面で略語や頭字語を目にします。
スマホ、SNS、ATMといった言葉は、もはや説明不要の当たり前の存在です。
しかし、これらの言葉を巡る面白い現象が、「RAS症候群(Redundant Acronym Syndrome)」です。
この記事では、RAS症候群を通して、日本語の変化や私たちの言語生活について考えてみましょう。
RAS症候群とは何か?
RAS症候群と聞いて何か大変な病なのか?と考えた方もいるかもしれません。
RAS症候群とは、略語の中に既に含まれている単語を、さらに繰り返してしまう現象を指します。
例えば、「LEDライト」はその典型的な例です。「LED」は「Light Emitting Diode」の略であり、「ライト(光)」は既に含まれています。
したがって、「LEDライト」と言うと「発光ダイオードライト」となり、冗長になります。
ここで面白いのがRAS症候群と言う言葉は(Redundant Acronym Syndrome)の略語であり、Syndromeが日本語で症候群と言う意味なので、”症候群症候群”と繰り返していることになります。
つまりRAS症候群そのものがRAS症候群であると言うことです🧐
日本語にも同様の現象が見られます。
「ICカード」や「USBポート」といった言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
これらの表現は、日常的に使われる中で冗長さが意識されなくなり、そのまま定着しているケースです。
略語の普及と日本語の変容
RAS症候群が起こる背景には、略語が社会に深く浸透し、元々の意味が忘れ去られたり、略語自体が独立した用語として認識されたりすることが挙げられます。
日本語では、特に外来語や技術用語が略語として広く使われるようになり、その意味が変化することが多いです。
例えば、「コンビニ」は「コンビニエンスストア」の略ですが、この言葉自体がすでに独立した日本語として機能しています。
また、「リモートワーク」は新型コロナウイルの影響で世間に広まりましたが、「リモート」と略して使われることも多く、すでに浸透しています。
こうした言葉の進化は、言語が生きたものであり、時代や社会の変化に応じて常に変わり続けることを示しています。
日本語の未来:RAS症候群のその先に
では、これからの日本語はどう変わっていくのでしょうか。
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