Femoral Neck Systemのスクリューが抜去できない!(J Orthop Trauma, 2025 )
2018年に上梓され、日本でも発売中のFemoral Neck System(FNS)です。それなりに使っておられる先生はおられるのではないでしょうか。
その特徴としてスクリュー内スクリューによる2本スクリューおよびプレートによって骨折部の安定性を確保できるという点が挙げられます。
ただ、機構が複雑になっているため、抜釘が必要となった際には大きな問題になるかも。。と思っていました。本研究はそこらへんをまとめた研究になります
概要
大腿骨頚部骨折に対するFNS (Femoral Neck System) は2018年に導入された比較的新しいシステムです。このFNSからロッキングスクリューを抜去する際に、スクリュー頭部がなめてしまうという問題が指摘されています。
本研究の目的は:FNS抜去時のロッキングスクリューのストリッピング(なめ)の頻度を調査、そのリスク因子を特定、なめてしまった場合の抜去方法について検討することです。
【研究デザインと対象】
・8つの三次医療機関による後ろ向きコホート研究
・期間:2019年11月〜2023年2月
・対象:OTA/AO分類 31-B1、B2、B3の大腿骨頚部骨折でFNSを使用した症例
・症例数:47例 男性18例(38%)、女性29例(62%)。平均年齢:59.2歳(28-94歳)
【結果】
27.7%(13例)でスクリュードライバーがスクリュー頭部でストリッピングを起こしました。
統計解析の結果、BMIが高い症例で境界域の有意差(オッズ比1.233、95%信頼区間:0.988-1.539、p=0.064)を認めましたが、その他の因子では有意な関連は認めませんでした。
【結論】
予想以上に高頻度で発生する合併症があるシステムである。ということです。危険因子は太っていること、再手術の際にはプレート切断。。。。。
論文の詳細と管理人のコメント
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