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セメント人工骨頭の際の血圧変化 Fernandez, Miguel A et al. “Haemodynamic measurements during hip hemiarthroplasty surgery for hip fracture.” The bone & joint journal vol. 107-B,1 103-107. 1 Jan. 2025

転位型大腿骨頸部骨折に対するセメント人工骨頭はガイドラインで以下の理由で推奨されている
●早期のQOL改善
●術中骨折リスクの低下
●12ヶ月生存率の改善
●費用対効果が良好
• 大腿骨髄腔の手術操作は心血管系の障害と関連することが知られている

• セメント使用は術後24時間以内の早期死亡率増加と関連する(複数の大規模研究で証明)
• 骨セメント挿入症候群(BCIS)は特に高齢者の股関節骨折手術で問題
• この問題に対し、National Patient Safety Agency (NPSA)は安全ガイドラインを発行

• 今後セメント使用人工骨頭置換術の増加が予想されるため、手術中の血行動態の不安定性とモニタリング技術の理解を深めることが重要


セメント人工骨頭における血圧変動の観察研究

● セメント使用人工骨頭置換術における 血行動態について、術中モニタリングを実施
●BCIS(Bone cement implant syndrome)リスク軽減戦略を目的とした

• WHiTE 5(Fernandez, Miguel A., et al. New England Journal of Medicine, 2022)試験の一部として実施

https://www.visualmed.org/white-5-trial-summary-cemented-or-uncemented-hemiarthroplasty-for-hip-fracture/


• LiDCOrapid CNAPフィンガーカフを使用して動脈血圧を測定
• 手術の重要段階での血行動態の不安定性を観察(発生率、タイミング、程度)

• 全56例中、完全な記録が得られた46例を分析
• セメント使用群:4例(15%)、非セメント使用群:1例(5%)で血圧低下が認められた
• 血圧低下の発生タイミング:セメント注入後5分以内、整復時に心拍出量(CO)と1回拍出量(SV)が低下していた

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