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ビスフォスホネート製剤の投与は骨粗鬆症を有する患者の死亡率をも下げることができる?無作為割付試験のメタ解析 (Lan Z, Clin Orthop Relat Res. 2025 Jan)

Clinical Orthopaedics and Related Research®

骨粗鬆症薬であるビスフォスフォネート製剤は、いくつかの研究で血管の石灰化を抑えることによる心血管イベントの減少や、がん予防効果があるのではないかということが言われています。
すなわち、骨密度を上昇させること以外にもポジティブな影響があるのではないかということが言われていたわけです。
本研究はビスフォスフォネート製剤のオフラベル効果による死亡率減少効果についての検討です。


論文の概要

ビスホスホネート治療は骨粗鬆症患者の骨折リスクを減少させるが、死亡率への影響は不明確であった。そこで本研究では、ビスホスホネート使用が死亡率を減少させるかについて検討を行った。

複数のデータベースを用いたメタアナライシス。2023年11月20日までの文献を検索し、47件のプラセボ対照RCT、59,437人の参加者を分析した。

  • 以下の要因によるサブグループ効果の有無

    • 使用薬剤の種類(ゾレドロン酸、アレンドロネート、リセドロネート、イバンドロネート)

    • 研究実施地域(ヨーロッパ、アメリカ大陸、アジア)

    • 閉経後女性に限定した研究か否か

    • 試験期間が3年以上か否か

結果として、ビスホスホネート使用は全体的な死亡リスクを減少させなかった(リスク比 0.95 [95% CI 0.88-1.03])。また、すべてのサブグループ分析でも死亡率の減少は認められなかった。ビスホスホネートの処方は、臨床ガイドラインに従い、骨折リスク低減を主目的とすべきである。

論文の詳細と管理人のコメント

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