アマヤドリを観てきた。
こんばんは。というかこれ書いてたら丑三つ時になりそうだったので朝あげることにしました。
アマヤドリを観に行く時、季節問わず高確率で雨降ってること多いな、やっぱり名前と因果関係とかどっかにあったりすんのかなーーなどと考えながら劇場に向かって歩き。
アマヤドリ「純愛、不倫、あるいは単一性の中にあるダイバーシティについて」
を観てきました。
アマヤドリは高校1年で「非常の階段」初演を観てから東京公演は全部どの演目も一回以上観に行ってるくらい欠かさず観に行ってる劇団。
8年くらい継続して観てるのもあって、作品が変われども人が変われども一貫してあるアマヤドリらしさみたいなものが好きなのですが、今回めちゃくちゃ良かった。
今回はつまるところすげー好きな劇団の新作が自分的にめちゃくちゃ良かった話です。
アマヤドリで自分的ベスト5だーってくらい好きな作品が「すばらしい日だ金がいる」「ロクな死にかた」「ジョシ」「天国への登り方」「うれしい悲鳴(DVDかつ初演)」だったんですが今回は自分的1番好きな作品「すばらしい日だ金がいる」と同じくらい好きだった!!
ここからはネタバレ込みの感想を書こうと思うのでまだ観てない方などはここで引き返してもらえればと思います。念の為、めちゃくちゃ改行挟んどきます。
これは劇場下の公演ポスター。
山代さんの絵、マジでかっこいいなっていつも思う。
以下感想↓↓
の前に…。
知ってる人は知ってたりするんですが、以前こちらのnoteにも書いたことがあるんですが自分はポリアモリー当事者でして。
現在は今回の作品でいうカヌレくんと付き合う前の弓道ちゃんたちのような形のお付き合いをしてるわけなのです。
かつ性的指向は作中のハイカットちゃんがやまぶきさんに指摘したみたいにヘテロ寄りのバイみたいな感じだったりもします。
あと、以前同時に2人とお付き合いしてた時の1人の方が不倫してて、リアルにそのまま絶滅くんみたいな状態だった人がいたりしてうーん、なんかめちゃくちゃ共感できそうなポイントと地雷とどっちもありそう〜観たいけど地雷踏んだら死〜という感情、が観劇前。
だから正直なところ、事前の人間相関図だけでも色々と思うところがあってギリギリまで観に行くのを迷ってたりしたわけなんですが。
いやー観に行ってめちゃくちゃ良かった。
あまりに好きポイント細かいのでキャラの推しポイント言いつつその人関連のシーンのここ好きとか言ってく。
とりあえずキャラ1人ずつみんな大好き!!
まずさんちぇさんの演じるやまぶきさん。
色気はあるけど、アロマンティックとして恋愛への俯瞰的な態度の出し方というか、ハイカットと一緒にいる時もやまぶきは色恋じゃないベクトルでの一緒にいる心地よさであることの出し方が上手い!!
でも2回目登場する時のあの事後感めちゃくちゃえっち!!!!好き!!!!絵だけ見ると2人の立ち位置も相まって色気の塊になりがちなシーンだけどやまぶきからまったく恋愛的なニュアンス出てないからあっさり見れるのがまたこの2人ゆえの空気感!いい!!ってなってた。
やまぶきがアセクシャル(恋愛感情も性欲も無いとか薄い)とも違うから、性欲は普通にあるけどそういう恋愛感情が薄い、無いような役の見せ方というか、恋はできないけど愛するのは出来るかなだからどちらかといえば恋愛すっ飛ばして結婚とか…みたいな感じなのもめちゃくちゃよく分かるというか。自分のセクシャリティに自覚的だから後半、ハイカットに対して誠実でいたくてああなったんだろうなって自分的には思ったんですよね〜。好き。
そんな相手役の徳倉さん演じるハイカット。
初っ端、詐欺みたいなのあってるの不憫と思いつつ、それがあってのやまぶきさんの真摯なとこにめちゃくちゃ惹かれたんだろうな〜っていう、だからめちゃくちゃ質問するしいっぱい喋っちゃうしみたいな、本当に恋する女の子って可愛いよね!!って見ててずーっと思うくらい恋してる女の子だなぁって。
別れ話の時、めちゃくちゃいいパートナーなのに別れるしんどさを顔に出さない様にしてる顔が辛そうでグッとくるものがあるけど、ちょっとキツイなって思いつつそれならって別れを受け入れるあの感じが切ねえ切ねえ!!私が別れたわけじゃないのにハイカットに感情移入して泣いてるシーン一緒に泣きそうだった。好きなのに一緒にいられないって辛いよな〜!!でも泣いてるあなたも好きだ!!!!
次は、るかさん演じるさわやか。
近年、事前情報ちゃんと見ずに行ってもるかさんとりこさん芝居見ただけでどっちが出てるか、一緒に出てたら何役か分かるようになったの多分めちゃくちゃ観てたからゆえだと思う。オタクの域。
不倫は良くないなと個人的には思うけど、絶滅くんの弓道ちゃんに振り回されてる話も聞いてあげる感じが姉さん…!ってなる。後半で、離婚っぽいそしたら私が結婚しようとか言い出すかもって思わない?みたいなこととかもし(自分たちが)別れるってなったらいきなりじゃなくてちゃんと言ってねみたいなことを絶滅くんに言ってた気がするんだけど、不倫はどうかと思うけど絶滅君に対してはある意味誠実な人ではあるのかなって。
多分、絶滅くん的には本命じゃない人なんだけど本人のセリフにもあったけど「弁えてる」から絶滅くんも別れたいと思わないのかなって。
好きなのは本当だけど、多分彼女はモノガミーだから複数人とかは好きになれなくてポリアモリーにはなれないから、婚姻関係のが破綻しててそこを埋めるために不倫になっちゃった人なのかなって。分からんけど。でも強くて優しい人なんだろうなって思ったので個人的には好き。でも恋人の不倫相手にはいないで欲しいタイプ(いい女すぎるので)…かもしれない笑 でも好き!!
結構、色んな人と接点がある河原さん演じる絶滅くん。
弓道にめちゃくちゃ振り回されてるなって思いつつ、ちゃっかり自分は不倫してたりするから器用な人ではあるのかなと思う。
不倫は法に触れるので個人的には断固拒否と言っていいほど嫌な類ではあるのですが、でも彼の良いところは2人と付き合ってるからって「自分はポリアモリーじゃない」って言ってるところなんですよ。不倫だから弓道に言えないとかも勿論あるんでしょうけど(普通のフリーの子だったら弓道ちゃんは別に絶滅くんがポリアモリーだったとしても気にしない子な気がするので)彼には好きな人の順番(優先順位というか好意の順位というか)があるからそうじゃないって言ってるのかなとは思うんですけど、その浮気の免罪符にポリアモリーを名乗らないのがまだ誠実な人かなって思えて好感度がありますね。
弓道ちゃんもまあ結構、強引というか4人暮らししよ!みたいな展開早い子だなとは思うので振り回されて大変そうだけど絶滅くんが理解しようと歩み寄る姿とか、弓道ちゃんの描く「新しく、あたしらしいおうち」みたいなことについてカヌレくんに聞いたりするって、ポリアモリーでカヌレくんとも付き合い始めたと分かっても変わらず好きなままでいる弓道ちゃんのことを分かりたいしこれからも一緒にいたいからっていう動機の歩み寄り方なのかなって。
絶滅くんはまだ4人暮らしを信じられないというか、どうしたら上手くいくか分からないようなことだから踏み出せないだけで、彼の中で「新しく、あたしらしいおうち」の弓道ちゃんの理想を信じられる要素が何かあれば一気に理解が深まったり、将来のビジョンがグッと鮮明になったりするのかもななんてことを思ったり。
不倫してるし弓道ちゃんに隠してるからそこだけこいつ〜と思いつつ、あまりに弓道ちゃんの振り回し方が凄いのでなんかそれは話せる友だちじゃない拠り所が欲しくなるかもしれないと思わされてしまったのが、河原さんが演じてるからこその良さなのかもしれないなと思いました。
で、榊さん演じる弓道。
言ってることめちゃくちゃ分かるーー!ってなるところが多すぎるし、共感できるところがいっぱいある。
「新しく、あたしらしいお家」まさしく、ポリアモリーとしての自分が将来的に理想としてる形といっても良いなこれって思って。あとなんか良い言い方だなって。
今まで伝わりやすいようにポリアモリーとしての理想の家族の形を言うとしたら自分のことが好きな人たちとの共同生活、正確じゃないけどハーレムとかがイメージ近いかなと思って使ってたりしたけど(勿論侍らせたいとかはない、対等に一緒に暮らしたい)、なんか「新しく、あたしらしいお家」ってめちゃくちゃしっくりくる例え方だなって。
世間的にはメジャーじゃないけど、ポリアモリーのあたしらしい、そして時代として新しい形としてこういうお家があっても良いのではっていう、自分が言語化出来てなかったところがスパーンっと言葉になったのがこれだなって。
だからそこに乗っかってくれるカヌレくんみたいな存在がめちゃくちゃ良いなって。彼もポリアモリーだけどそうなれたら良いよねって同じ希望を持ってくれる、そうはなれないかもしれないけどなれたら良いなと思って試してみようって出来るのが弓道ちゃんとしても心強かっただろうなと思う。似てる部分がめちゃくちゃあって共感してたし、泣いてるハイカット見て「生きてるな〜」って泣いてるところもなんかめちゃくちゃよく理解出来た。なんかああいうこと、すごい思う。人が傷ついても前向く姿見ると「生きてるな〜」ってなんかなっちゃうんだよな〜。めちゃくちゃ好き!!
星麻さん演じるカヌレくん。
弓道ちゃんと同じくポリアモリーなので彼にも共感できるところがいっぱいあって。結構カヌレくんがポリアモリーでも良くない?みたいにぴけちゃんと話してる時の理屈というか考え方が自分と似てて、恋したとして生涯ただ1人好きなわけじゃない時点で被らないけど何人も好きになってるじゃんって。
じゃあ自分は現状、世間的には好ましくないとされてる同時に人を好きになる代わりに相手に嘘をつかないことで相手への誠実さのバランスを取るみたいなことだと思ってて。
ぴけちゃんのことは好きだけど、弓道のことだって好き。弓道がカヌレくんと付き合っても絶滅への好きが変わらないように。
カヌレくんの好きなとこは、ちゃんと劇中でぴけちゃんが大事?って聞いたら大事って言ってるし、弓道にも好きっていってるんですよね。嘘をつきたくない人がちゃんと口に出すってことは本心だってことで。どっちにも愛情があることが変わらないっていうのが見えてていいなと。あと単純にぴけちゃんとの身長差ぐうかわいい。抱っこっていうか脇抱えて運ぶやつもなんかめっちゃ可愛い。カヌぴけ推せる。理解しようとはしてくれるけど束縛というかモノガミー思考強い相手だと大変なのめちゃくちゃ分かる。理解したいけどやっぱり別の人いるなんて嫌って言われちゃうのしんどいなとか。だからこそちゃんと誠実に話をすることでしか進んでいかないところもあるし。
そういう意味でカヌレくんにとっても弓道は貴重な相手だったのかなって。乗っかりたい理想を夢見てた人で。それが好きな人で。え、めっちゃいいな。
絶滅への返答に対してもカヌレくんは絶滅も含めてみんなで一緒に進もうみたいなその理想を見れたらラッキーくらいかもだけど諦めてないから最後らへんのシーン真摯に応えてるのかなって思った。あと、そこのシーンめっちゃ同じ子を好きだからこそ分かり合えそうなところがあるのも、こういう関係性のキャラクターならではかなと思ったり。
あとカヌレくんも弓道といる時とぴけちゃんといる時でやっぱりちょっと立居振る舞いというか、いかたがちがうのがやっぱりカップルでも相手が変われば接し方が違うよなっていうところが出てて良かった。
「天国への登り方」の時もそうだったけど、良いパートナー役の星麻さんめちゃくちゃカッコいいよね。観てて推せる。最高。
あとラストの群舞のどっかでセンターでダイナミックに踊るところみんなバラバラな動きしてる中でも特に躍動感とダイナミックさでめちゃくちゃ目がいくし素敵だと思った!!
りっちゃん演じるぴけちゃん。
待って、ビジュからして大優勝。可愛い。りっちゃんは小学生の時から知ってるし、それこそ地元で広田さん演出した「転校生」でも共演してたりして元々大好きなんだけど芝居めちゃくちゃ良いし一生可愛いし好きすぎるんだが!!!!天使か???!?
好きな人がそうだったからしょうがないから受け入れるけどやっぱり無理〜みたいなのめっちゃ女子…。分かる…。そうは言われてもってなっちゃうけど、でもそれでも消化できないんだろうなっていうのが分かるから話そうってカヌレくんもなれる感じなのが分かる…。
てか甘ロリみたいな服似合うな、抱っこされてる時お人形さんみたいなんだが??一家に1人ぴけちゃんほしい。私だけかもしれないけど。
ぴけちゃん、ゴリゴリにメンヘラってそうだから闇堕ちすると面倒臭そうだけどそれが内じゃなくて最後カヌレくんに向かってる、外に向けて不満を出すようになってるのが彼女の成長というか好転してるところなのかもなって。エスカレートしちゃうとワンチャン事件起きそうな気もしなくはないけど。
きっとぴけちゃん的には微炭酸は話す相手にはいいけど言って欲しいこと言ってくれないから当たっちゃうんだよな〜。あそこのやりとりちょっと微炭酸が不憫なんだけど好き。
順番変わっちゃった気もするけど、カヌレとお風呂入りながら喋ってる時のあの顔の近さめちゃくちゃいい、カップルの甘々な空気出つつ割と真面目な話してるから甘ったるすぎずえっちな感じでも無いのが話を邪魔してないけど2人の距離感が見れて良いシーンだなって。まじですこ。
ラストの群舞のところめっちゃ目がいくし(服もあるとは思うけど)、下手でさわやかぴけやまぶきで3人並んで群舞するところアマヤドリトップクラスで身体が利く俳優さんのイメージがある2人に挟まれても全然違和感ない美しさで感嘆。最高、大好き!!
最後は宮川さん演じる微炭酸。
前回の「水」の時も思ったけど、ちょっと抜けてる役とか残念な役がめちゃくちゃ上手いしでもそれでだるいなとか見てる方をイラつかせる感じじゃなくて、ちゃんと愛される様な役に出来てるのが素敵だなって。
さわやかと絶滅にデート服相談してるのに結局、ぴけちゃんに振り回されてる感じが可愛い。
マジでオンライン飲み会後のぴけちゃんと微炭酸のところ好きすぎる。
上手いこと言えなくてぴけちゃんの機嫌損ねてばかりだけど、実は励まそうとしてるだけでそれをぴけちゃんが素直に受け取ってくれないっていうなんかめっちゃ可哀想な感じがある。
好きな人を励ましたいだけなのに上手く噛み合わないの歯痒いよな〜!!と思いながら微炭酸見てた。しかもぴけちゃん好きな子だけど彼氏いるのも辛い。なんか、微炭酸にはめちゃくちゃ幸せになってほしいって思う。
宮川さんの空回っててワタワタしてるところのコメディアンな感じがめちゃくちゃ好き。本人が一生懸命だからこそ見てる方が面白いと思うタイプの笑いになるんだけど。そう見せられるのがすごいなって。
あと、なんでか宮川さんだけツッコむ瞬間かな?チラッチラッと広田さんがよぎるんだけどどうして??テンポ感なのか音の出し方が似てるのかな?結構バシッと言うところは、広田さんがチラつく。なんかどこか似てるとこがあるんだと思う。不思議。ちなみによぎるけど芝居中のアレとしては合ってるのでそこは全然問題じゃないけど、多分広田さんの雰囲気を知ってるからなんか既視感を宮川さんに見ることがあるのかもしれない。とふと思った。
微炭酸みたいな人が1人いるだけでほっこりする。友達に欲しいタイプ。最高。
思い出せる範囲だとこんな感じ。今日また観るので、もっと初回見てここ見たかった!ってとこ注目して観るぞ〜。
あ、今回群舞あったんだけど近年で1番ダンスっぽい振り付けだなと思った!複雑化してる…。かっこよさ凄いけど、「すばらしい日だ金がいる」の時くらいのそこまで複雑じゃないけどストーリーの雰囲気と繋がってる感じの群舞が好きなので、今回は結構群舞よりはそれぞれの個って感じの部分が多く見えたなーって感じでした。でもそれもまたきっと進化してくアマヤドリのスタイルの片鱗なのかもなと思いました!
以上、爆長の長文感想でした。
愛が重いです。
めちゃくちゃ的外れっぽいところも多分ある、けど自分はこう思ったんだよなって見て思った感想とかこういうことなのかなーって考察的な部分なので、どう見えるかは貴方次第!みたいなとこは大いにあると思う。
昔みたいにフリーパスあったら全通待ったなしレベルに良かったです。
配信でも良いからめちゃくちゃみんな見てくれ…。
公演はシアター風姿花伝で2月27日(日)までやってるので是非!!