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WEEK 3: アメリカの「共同親権」制度 - ダディ、もう日本人でいちゃ、ダメなの? / NYCで「実子連れ去り」の被害にあった子供たち

 日曜日

 午後6時過ぎ。
 1時間ぐらい前の投稿のようだけど、と友達がスクショを送ってきてくれました。
 母親のSNSです。
 子供二人が寝ている写真が投稿され「子供は病気で可哀想だ」と書いてありました。

CHAPTER 8: STILL LOOKING

 月曜日

 友人の職場を尋ねました。
 土曜日に、訴状と召喚状を母親に送達してくれた友人です。
 弁護士の作成した宣誓供述書。これを公証人のところまで行って宣誓・サインして貰うためにです。
 二人で軽くランチをし、その後、最寄りの銀行に行きこれを済ませ、その宣誓供述書を弁護士のもとに届けました。
 これで最高裁の離婚訴訟が正式に進むことになったのです。

 火曜日

 午後6時半頃。
 「なぜ保安官たちが〇〇(母親)を探しているの?」とスクールママ友から、わたしの携帯にテキストメールが来ました。
 すぐに電話したら「〇〇(母親)はいるか?と聞かれたから、最後に会ったのは先週の木曜日だと説明したわ。保安官たちは確認のために家の中に入りたいと言ったけど、断ったの。しつこく聞かれたけどノーよ。今、〇〇の住んでいるところを知っているか?と聞かれたけど、〇〇が教えてくれなかったら知らないと答えたわ」。
 保安官が置いていった名刺があると言うので、わたしは、その名刺を母親の携帯にテキストメールで送ってくれないか?と頼みました。
 そして保安官が探しているんだから、自ら連絡したほうがいいと伝えてくれないかと。
 快諾してくれたスクールママ友は、すぐに名刺を添付し、保安官が来たことを母親の携帯にテキストメールで伝えてくれました。
 母親からは「これって、わたしは逮捕されるの?」という返信があったので、スクールママ友はすぐに電話してみたけど、数回鳴っただけで留守電に繋がったそうです。
 その後も、何度か母親の携帯に電話したけど留守電。
 テキストメールも送ったけど、返信もなかったと、わたしに報告があったのは、それから2時間後ぐらいでした。

 水曜日

 午前8時半。
 わたしは、ダウンタウンにある保安官の事務所を訪ねました。
 「わたしの配偶者を探していると聞いたので、ここに説明と質問に来ました」
 窓口のスタッフに、保安官がスクールママ友に渡した名刺の写真を見せ、載っているケース番号と保安官のID番号を指し「担当者と話させてくれないか」と聞いてみました。
 「このケースの内容については、あなたに知らせることはできませんよ」。
 億劫な感じで言われたので「内容を聞きにきた訳ではないです。この保安官がいるのなら、会わせてほしいんです」とわたしが訴えたら、たまたま、前日、スクールママ友の家まで送達のために出向いた保安官3人のうちの1人がいることが判明。
 窓口まで来て対応してくれました。
 2回試みたけど、被上訴人が見つからなかったので送達できませんでした。
 〇月〇〇日に何時にどこで送達を試みたなどの記録と、担当の副保安官がサインした認定書を渡され、これを家裁に持って行くように。
 丁寧に、そう説明されました。
 もしも居場所がわかったら電話すればいいのですか?ならこの担当の副保安官の電話番号を頂けないですか?とわたしは聞きました。
 しかし保安官の答えは「名刺に書いてある番号に電話してください」でした。
 どうせ電話しても出ないか直留守でしょ、と思いましたけど、これ以上食い下がっても無駄。保安官から話が聞けただけで良しと考え、取り敢えず家裁に行き弁護士に電話しました。
 送達できない。居場所がわからない。これでは子供たちが安全なのかも確認できない。
 それならもう母親は、アテにできないし信頼もできない(Unreliable)。
 保安官からの連絡に応えずに、居場所を隠すのもおかしいし、保護命令を要請の申立書には、何一つ、子供たちが家にいては危険だと言うことは書かれていない。
 今度は子供たちを戻すべきだという、理由開示命令(Order to Show Cause)と、親権申立(Petition of Custody)を家裁にしようということになりました。
 申立書をどのように書くかを弁護士と相談し、親権申立を済ませました。
理由開示命令の方は、家裁から徒歩数分のところにある公証役場で、わたしが宣誓・サイン。
 この申立も、家裁に受理されました。

 その後ダメもとで、先ほどの保安官の事務所に電話し、事情を説明して担当保安官の電話番号を教えて欲しいとやや強めに言ったら、今度はすんなり教えてくれました。
 すぐにその保安官に電話しましけど、案の定、留守電でした。
 仕方ないので、向こう数日間、母親が来ると思われる場所についてメッセージを残し、電話を切りました。

CHAPTER 9: ORDER TO SHOW CAUSE 1

 木曜日

 家庭裁判所から、わたしの元にメールが届きました。
 先日申し立てをした理由開示命令に裁判官がサインしたので、来週の水曜日に口頭審理をやるから家裁に来るように、という通知でした。
 この理由開示命令に関しての審理は、この場合、送達はメールでしてもいいというルールなので、母親に裁判所からの通知を送信。わたしの弁護士にCCしました。
 メールだけでなく、携帯へのテキストメールでも送りました。
 けど親権申立の方は送達しないといけない。
 プロセス・サーバーを雇い、明日の朝、学校に子供をドロップオフするときを狙うことにしました。
 明日は、冬休み前の最後の登校日。
 都合のいいことに、午前中は授業参観です。
 ということは、母親はそれなりの時間を校内で過ごすはず。
 これを逃すと、一週間、送達できないまま過ごさないといけないかもしれない。
 必ず見つけて送達して欲しいと、わたしはプロセス・サーバーに念を押しました。
 費用は120ドルでした。
 
 金曜日

 午前8時18分、無事、母親に送達できた。
 弁護士から連絡がありました。

 これからは、来週の水曜日の口頭審議をどうやって進めるかしっかりと相談して決めよう。
 来週の水曜日は、あえてわたしが一人で行くことになりました。
 もしもここでうまくいかなかった場合は、その次の週の月曜日に、母親の申し立てた保護命令に関しての口頭審理がある。そこにはわたしの弁護士も一緒に出廷し、最高裁で離婚訴訟があるので、家裁から全てを最高裁に移してくださいと要請をする。
 これが、弁護士とわたしの立てたゲームプランでした。
 
 土曜日

 午後に〇〇分署の警察官からわたしに入電。
 DV通報専門班のフォローでした。
 家庭の状態はどうか?まだ母親と子供の居場所はわからないのか?と聞かれました。
 もちろんわたしの答えは、わかりません。

 その後、〇月〇〇日(木曜日)に、スクールバスのピックアップ地点に行ってしまった件についての説明がありました。
 すぐにわたしが警察に連絡し、状況を説明したから「逮捕案件」ではない。そう判断が下されたとのこと。
 これは朗報でした。
 保護命令要請の内容を全部読まずに、長男を迎えに行ったことに関しては、なんのお咎めもなし。

 最後に、警察官はこう付け加えました。
 「何度も母親に電話をしているけど一向に出ない。ルールなのでまた来週、確認のために、お宅へ伺います」

To be continued…..(続く)

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