【コラム】アウトオブ◯◯から考えると理解が進んだ!(民藝を例に)
最近、民藝にハマっている。
歳を取ったのだろうか、これまで全く興味のなかった民藝にハマっています。
これまでとは明らかに違う自分の感覚があって、民藝というものを深堀りしたくなってきました。
出張で地方に行くたびに、土地のいわゆる民藝というもの(正確には民藝には当てはまらないものも)を自分へのお土産に買って帰ることが最近の流れになっています。
そこで、「民藝とは?」「民藝運動とは?」ということを学んでみようと、民藝運動の祖である、柳宗悦の本を手にとりました。
この本が民藝界ではバイブルのようなので、まずはこの本から。
なんとなく民藝の定義のようなものを理解はできる。
銘があってはいけない、無名であるべき。
美術品であってはいけない、用の美があるべき。
大量生産できないといけない。
けど、この理解であっているのか不安になるレベルの理解でして…
この本が古い本で、書き方が古い時代の書き方ってのもあって、理解するのにパワーを使うこともその要因ではあるのですが。
自分にとっての民藝、みたいな定義をしっかりと持つことはできませんでした。
アウト・オブ・民藝
そこで、見つけたのがこちらの本。
「アウト・オブ・民藝」
民藝でないものを、なぜそれは民藝でないのかを説明している本。
この本がとてもおもしろく、自分にとっての民藝とは?という理解を深めてくれました。
この本の中では、民藝に当てはまらないものを具体的に紹介しています。
例えば、「こけしは民藝ではない」ということ。
その理由を具体的に記してくれている。
とても腹落ちしました。
こういう概念の外側を理解するアプローチで理解が進むことってたしかにあるな、と。
グレーな概念だったり、人によって解釈が違うものは、こうやって「アウト・オブ」から考えるのはなり有効だと思いました。
特に具体例を考察することが重要で、それが腹落ちにつながるし、自分の定義を明確にすると思います。
民藝だけでなく、他のなにかを理解するのに苦しんだ際にはこのアウト・オブなアプローチで攻略したい、本気でそう思っています。
▼出版社兼本屋さん
ちなみにこの本を出版しているのは、京都の独立系書店の代表格である誠光社。
京都出張の折に寄ってみて見つけました。
このお店、めちゃくちゃおもしろくて永遠いれるなーと。
また絶対に行こうと思いました。