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事業部門における共同研究に立ちはだかる壁

企業と大学での共同研究がうまくいかない実際の例について書きました。

社内からの相談

大学との共同研究について、社内外で色々発信していると、社内からも相談を受けることが増えてきました。
大学と何かやりたい、面白いことをやってみたい、事業を作るネタを探したいと思っている社員がそこそこいて、悩んでいる人もいそうです。
そこで積極的にそういう人とは話そうと思っています。

そこで相談を受けた一例をこの記事では紹介したいと思います。
どこの会社でもありそうな話でした。

研究費をどこが出す?

共同研究は、企業から大学に研究費をお支払いして進めます。
ですので、この研究費を出せるか?というのが1つの課題になります。
企業の研究開発部門ですと、研究費という名目で予算化されていることが多いと思いますが、研究開発部門でない事業部門ではなかなか難しいところではあります。

といいなが、昨今の企業における「新規事業を作るんだ!」という機運の高まりから、既存事業部でも新規事業をつくりたいと思っている人が増えてきている実感です。

企業との共同研究は右肩上がりで増えている(大学ファクトブックより)

研究開発部門の方は、事業を推進した経験が少なく、事業開発をすることは難しいと思います。
そこで、新規事業をつくるための共同研究は、事業部で事業をやっている人がやるべきだと思うので、それは正しい流れですよね。

そうなった時に、事業部門の場合は研究の成果がシビアに求められます(傾向があります)。

意味のないKPI

共同研究をはじめとした、施策にはKPIを設定する事業部。
KPIを設定することはいいと思いますが共同研究のようなもの(不確実なもの)で毎月のKPIを設定してもあまり意味がないと思っています。
私の共同研究では最終的に、共同での論文1件、学会発表1件を目標に設定しているのですが、細かいKPIまでは設定していません。

相談をうけたチームは毎月のKPIを設定せざるを得なく、「打合せを1回/月」というKPIを設定していました。
まぁ、意味のないことですよねぇ…

打合せの結果を事業部の会議で報告させられて、研究の進捗がなく(結果なんてそんなにすぐに出ない)、なぜ進捗がないかを説明させられる。
そういう未来が見えているので、そんなめんどくさいこと、誰もやりたがらないので、共同研究が進まないのですね。。。

共同研究が面倒くさいものに

共同研究のような、自分の仕事とは全く別のことをやろうと思う人はそもそも社員全体の数%だと思います。
そういう人たちが、「めんどくさそう」みたいに思っちゃって、共同研究に進めないのはとてももったいないことです。

また、周りからは業績に影響しない(むしろマイナス)ことをやっていることで白い目で見られたり。(実際私は何度もそういう経験アリです)

事業部門では非常にやりづらいものになっているのだと思いました。

事業部門での共同研究のやり方をまとめたい

こういう状況から、私が今取り組んでいるのは、事業部門でどうすればうまく共同研究を進めることができるかをまとめようとしています。
また、共同研究をやっている人、やりたい人がモチベーション高く研究にも仕事にも取り組める仕組みや場を作っていく予定です。
この note でも取り組みは紹介していこうと思います。

大学との共同研究で新規事業を立ち上げたい人を支援していきます!
Web会議でも気軽に相談を受け付けていますので、ご相談ください。

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