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『Pokémon Sleep』 からみるゲーミフィケーションの重要性
Pokémon Sleep とは
ポケモンスリープは、”睡眠のエンターテイメント化”を目指して開発されたアプリである。
ユーザーは、眠る前にアプリを起動したスマートフォンを枕元に置き、睡眠を計測する。
ユーザー側の計測方法としては「ねむる」のボタンを押すだけ、というシンプルな構造である。
その際にアプリ側では、スマートフォンに内蔵されているマイクと加速度センサーにより、睡眠中の寝返りなどの体動や、イビキ・寝言の発生時の録音を記録している。
さらに睡眠時間と睡眠リズムを組み合わせ、過去に計測した日・週と比較し、睡眠を分析している。
翌朝、測定を終了し目覚めた後、睡眠計測の結果に応じて集まったポケモンの寝顔をリサーチすることで、ポケモン寝顔図鑑の完成を目指すというゲームとなっている。
2016年に社会的ブームを巻き起こし、全世界で10億ものダウンロード数を記録した『Pokémon GO』に続き2作目となる、ポケモンを用いた生活密着型のゲームとなった。
そのためリリース前からとても注目を浴びており、配信当日にはX(Twitter)でもトレンド1位を記録していた。
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実際に効果はあるのか?
ポケモンスリープでは、ゲームをより効率良く進めていくためには、1日8時間半以上の睡眠と規則正しい就寝リズムが重要である。
また単に睡眠記録を行うだけでなく、自動的に睡眠時のイビキなどの周囲の音も録音することが可能だ。
ここからは少し、私がポケモンスリープを実際に3週間ほどプレイした感想とネットの声、その効果について記載していく。
私は元々生活リズムが安定していなかったが、現在ではこのアプリのおかげでリズムが安定してきている。
1週間ごとに評価される睡眠スコアはF(最低)→ E → D へと少しずつ改善傾向にあり、自分自身でも体調が良くなっていることを実感しており、また毎日の記録を欠かさず行うようになったため、”寝落ち”がなくなったのも1つ良い傾向にある。
そもそもプレイするのが楽しい、というのも私の中ではかなり使用感がよく、今後長い間続けていくアプリになるな、と実感した。
また、インターネットでは、
「本当に睡眠習慣が改善した」や、「自分がかなりイビキをかいていることがわかった」
などの睡眠に対する肯定的な意見がほとんどであった。
実際に多くのプレイヤーが、睡眠習慣や睡眠にまつわることに意識を向けることができたことは効果としては十分すぎるほどあると考えられ、私のように実際に睡眠習慣の改善ができた人も一定数は存在するであろう。
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「⚪️⚪️管理アプリ」の課題とゲーミフィケーションの重要性
そもそも、ポケモンスリープ以外にも睡眠を管理する、といったアプリは今までにも多く存在した。
「熟睡アラーム」や「いびきラボ」などのアプリは多くのユーザーに使用されており、数百万ダウンロードを記録した、という話は珍しくなく、睡眠に関心がある層のニーズは確実に捉えている。
また実際に、最も効果があった睡眠改善方法の1位にアプリの使用が挙げられているアンケート結果も存在した。
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000387.000055900.html より)
だがその一方で、こういった「管理アプリ」には2つの課題がある。
1つ目は、「アプリの利用目的が管理」という点だ。
従来のアプリは「管理のためのアプリ」という趣旨が強いものが多かった。このような「管理」といったマイナスを0以上にするという意味合いが強いアプリと、主の目的が「楽しみ」であり、その延長線上に「管理」が存在するアプリではどちらが継続的に使用されるかは明らかである。
その点で、このポケモンスリープは「寝顔を集める」・「ポケモンを集める」という楽しさが主にきているという点で、従来の管理アプリとは異なる。
そして2つ目としては、「無関心層への普及」である。
そもそも、一般の人は、例えメリットがあったとしても、睡眠に興味が薄く、アプリを入れて自分の睡眠を管理する、といった行動は取りづらい。
これは睡眠に限らず、どのような管理アプリにおいてもそうであり、アプリを作成する際には対象を絞らざるを得ない。
ポケモンスリープはその点で言えば、ポケモンという世界的に人気なコンテンツを用いて、介入が難しい「睡眠に興味・関心がなかった層」へのアプローチを成し遂げようとしている可能性がある。
このようにポケモンスリープはこれまでの管理アプリの2つの課題を解決したプロダクトともいえる。
ポケモンを用いたゲーミフィケーションによって、関心層だけでなく、無関心層まで対象を広げることができ、継続性の向上にもつながる。
ポケモンに関心があれば誰であっても楽しみながらそのついでに睡眠管理ができる。
これこそがPokémon Sleep が掲げる、
”睡眠のエンターテイメント化”
といったことではないだろうか。
今後は、楽しみながら何かを行う、生活の延長線上に管理が存在するアプリが自然と多くなっていくであろう。
もしよければ、ぜひポケモンスリープをダウンロードして、ゲーミフィケーションの力を実感してみてほしい。
Pokémon Sleep : https://www.pokemonsleep.net/en/