ヌメラレポート③ パルデアとヒスイのヌメラの高さに関する調査
●はじめに
2023/05/31のパルデア地方のポケモンホームの開通により、各地方からパルデア地方にヌメラを送ることができるようになった。
パルデア地方ではポケモン毎に大きさが異なる場合があり、テーブルシティの女性からおおよその大きさを測定してもらうことができる。
そこで今回は、ポケモンのたかさをより正確に数値で見ることができるヒスイ地方のヌメラとパルデア地方のヌメラを比較し、生息箇所(及び時代)の異なるヌメラの「たかさ」の実数値や測定結果を調査する。
●測定観点
測定は「ヒスイ地方でのたかさに比例したパルデア地方での大きさ測定の結果となるか」という観点で進めていく。
その際基準値となる値は、他の地方図鑑同様に
たかさ:0.3m
おもさ:2.8kg
とする。
また、雌雄、レベル、ボール、同地方内の捕獲場所は考慮しない。
また測定、調査を終えたヌメラは速やかに野生へ帰すこととする。
ただし放野に適した雨天時に行うものとする。
●たかさ測定方法
調査の段階としては次のとおりとする。
●ヒスイ地方のヌメラをパルデア地方で測定
今回、オヤブン個体及び、高さ0.1m毎に2.4m[最小]〜3.6m[最大](以降、最小・最大を「極値」と表現する)のヌメラを2 匹ずつ用意した。
事前にヌメラの体格の記録を取り、ボックスごとヒスイ地方へ移動する。
先に記載の通りパルデア地方では9段階のサイズで判定される。判定結果をサイズ1〜9とし、最小個体をサイズ1、最大個体をサイズ9とする。
結果は次の通りとなった。
更に要約すると次の通り分布していることがわかる。
パルデア地方ではオヤブン以外の個体はサイズ2〜8の範囲内に収まる結果となった。オヤブン個体のみサイズ9と判定される。
この結果で気になるのは、元サイズが同じ個体でもパルデア地方で測定されるサイズが異なることだ。
例えば、0.27のヌメラはパルデア地方でサイズ3と4に判定される個体がいる。
パルデアでのたかさ以外にも判定される条件があるのか、この時点では情報に欠ける結果となった。
●パルデア地方のヌメラをヒスイ地方で測定
先の検証とは逆にパルデア地方のヌメラをヒスイ地方へ送る。
結果は以下の通りとなった。
この結果と先の結果からもわかる通り、ヒスイ地方で測定されたたかさが同じ個体でもパルデア地方でのサイズは異なる場合がある。
特に分かりやすいのは極値のヌメラだ。
ヒスイ地方で0.24m、0.36mのたかさと測定されているヌメラはパルデア地方では極値の証を貰えない事に対し、パルデア地方で予め極値の判定を受け、証を貰った個体も変わらず0.24m、0.36mという値になっている。
繰り返しとなってしまうが、この結果からもパルデアでのサイズは、ヒスイ地方のたかさのみで判断することは出来ない。
●進化によるたかさの変化を調べる
先の2つの検証から次に着目したのは、進化によるたかさの倍率の変化だ。
ヌメラはヌメイル、ヌメルゴンへ進化する際、ヌメラ時点のたかさが同じでも進化後のたかさが若干異なる場合がある。
例えば0.30mのヌメラ2匹がヌメイルへ進化後に測ると0.70m、0.71mの様にそれぞれ異なる高さに進化することがある。
これを踏まえて、ヒスイ地方とパルデア地方の極値個体をヌメイルへ進化させた。
結果は次の通り。
まとめると次の通り。
結果からそれぞれの地方の極値のヌメラたちは、ヌメイルへ進化する事でたかさに僅かな差が出ることがわかった。
これによりヌメラ時点で極値のたかさとなっていたヌメラ達に明確に数値の差が表れた。
しかしこれではヌメラ時点で証を貰えるかの判定はほぼ不可能であり、当然だがパルデアのサイズ判定の結果を見る以外にパルデアで証をもらえるヌメラかを知ることはできない。
●調査内容のまとめと考察
ここまでの調査から断定できる部分は少ないものの、見えている部分からの考察をする。
●ヒスイのヌメラがパルデアの証を貰えるサイズとなる確率は低い
まず分かったのは、ヒスイで捕獲した極値のヌメラはパルデアで必ず証を貰えるわけではないという事だ。
今回の調査でヒスイのヌメラ達は、オヤブン個体を除きすべての個体がパルデアでの証を貰えるサイズとはならなかった。
先の調査後にも調査できる個体を増やし、0.24m(最小)を3匹、0.36m(最大)の個体を4匹調査したが、いずれも証を貰えた個体はいなかった。
本調査での結果のみで判断するならば「ヒスイで捕獲したヌメラはパルデアで証を貰えるサイズにならない」と結論付けたいが、今回調査できた個体が少ないこともあり、あくまでも「低確率」として今後の調査に期待することとする。
●パルデアの女性が同じ高さのヌメラを見分けられたのは何故か
これについては今回の調査では手掛かりとなる発見がないため憶測の域を超えることはないが、ひとつ気になる部分がある。
それはヒスイのたかさ測定が不十分である可能性についてだ。
ヒスイでの測定結果は全て正しいという前提のもと本調査を行っているが、ここで言う不十分というのは表示される数値の桁数ことである。
測定結果が正確であっても表示される数値は小数点以下第二位までの値となれば、仮に0.244mと0.235mのヌメラが居たとしても、小数点以下第二位で丸められてしまいどちらも0.24mと表記せざるを得ないという事になる。
今回同じたかさのヌメラがヌメイルへ進化したことで小数点以下第二位までの値が変化し数値に現れたとすると、テーブルシティの女性はヒスイの測定結果より正確な数値でサイズを判定していたのではないだろうか。
以上が今回の調査結果と考察となる。
本調査では確定的な結果はあまり得られなかったが、HOME開通により一番興味のあったヒスイとパルデアのたかさの関係に触れることができとても有意義なものとなった。
本調査についての内容は以上となる。
以降は本調査に付随する別調査の結果を付録として紹介する。
★[付録]ポケモンGOの世界から連れてきたポケモンについて
ここからは付録として、ポケモンGOの世界(以降「GO世界」)からやってきたポケモン達の「たかさ」と「おもさ」(以降「体格」と表現する)について研究した成果と課題を紹介する。
ただし断定できる内容は少なく、あくまでも考察が可能なレベルの調査である。
今回の本題の延長、また今後この課題に対して取り組む方への参考として確認いただきたい。
◯概要
ポケモンホームの機能を用いて、GO世界からヒスイ地方へポケモンを移動し、体格に変化があるか調査する。
今回調査にはムックルを利用する。
理由は以下の通り。
・今回もヌメラを題材として調査したいが、GO世界のヌメラは希少であり、今回のように大量に調査個体を捕まえることに向いていない。対してムックルは比較的に個体の確保が容易である。
・ヒスイ地方やパルデア地方に生息するポケモンであるため今回の調査に適している。
・ヌメラとムックルの体格が類似しており、ヌメラでの調査と近い結果が得られると推測したため。
ムックルのGO世界での体格を記録し、ヒスイ地方に移動したあと変化があるか、変化があればどのような法則や関係性が考えられるかを調査・考察する。
◯測定結果
測定結果は次のとおりとなった。
◯結果
まず見て判るのが殆どの個体が元の測定結果と異なる値となった事だ。
特に基準となるたかさ0.3 mからより離れた個体が顕著であり、元のたかさが一定よりも低い個体は0.24m、高い個体は0.36mを上限としているようにも見える。
また、いずれの個体もオヤブンのサイズよりも大きいものは居なかった。
この結果から、
GO世界から連れてきたムックルのたかさがヒスイで測定される範囲(0.24〜0.36m)外のとき、ヒスイ地方の極値へと変換されるということと、範囲内に収まるたかさのムックルでもヒスイでは測定結果が変わる個体がいる事がわかる。
◯考察と課題
先の結果を踏まえてもう一度全体を見てみると、GO世界からヒスイへ連れてきたムックルはヒスイで測定される(できる)範囲に収まるように補正がかけられているように見える。
上限下限が定められていることにより、他のたかさの個体も同様に平均値方向に収束するものと思われる。
課題として、今後比較するポケモンの種類を変更し、より個体ごとの体格の振れ幅の大きい結果を取ることができれば、ムックルでは見つからなかった変化の法則が見えてくる可能性がある。
また、今回確認できていないパルデア地方での測定をすることで、証等の新しい発見があるかもしれない。
●最後に
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
ヌメラレポートも今回で3回目となりました。良く続けられてると我ながら思っています。
今回は前回の内容の応用的な内容で、パルデア地方のサイズの話を混ぜて考えてみました。
内容は予想外の調査結果となって結構驚いています。調査しがいのある内容でした。
さて、今回はあとがきを長めに取らせてもらって、ヌメラレポートを書く上で気を付けていることを少しお話したいと思います。
このヌメラレポートはできる限りリアルに、公式の情報から外れない範囲内で色々と調べたり予想していくことが主な内容となっています。
この「できる限りリアルに」というのが拘りであり、調べる上で難しいポイントになります。
ただ単に正確なことを羅列するだけではリアルな内容(ポケモンをリアルにという事が矛盾ではありますが)にならないのです。
例えば、ヒスイ地方にはヌメラが生息しています。
しかしその未来とされるシンオウ地方にはヌメラは生息していません。この問題を「DP発売時にヌメラというキャラクターを想定しているわけがないから」とか、「これだけ多くの解析データが出揃ったのに発見されてないから」という答えでは、とても生物としてのヌメラを考える良さが出ないからです。
内容はほぼ確実にそうなんだけど、生き物の生態を考える話にしたいので、あえてゲームであることを利用した「神の視点」的な考えはできる限り使わないことにしています。
結局最後は「自分で読み返して面白い記事」をかけたら満足なのですが、記事として公開する以上は少しでも読み手に「ヌメラという『生き物』に寄り添って調べてきたぞ」という感じを伝えられて、そのうえで面白いと思って貰えるように考えています。
長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
来年も書けたら書きます。
おわり(o・~・o)。