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[ポケモン]ヌメラレポート① ヌメラはなぜ最弱と言われるのか

図鑑説明やアニメ等で「最弱のドラゴンポケモン」とまで言われるヌメラ。
今回は何故「弱い」と言われ続けられるのか、そもそも本当に最弱のドラゴンなのかを考察する。

●各方面で「弱い」と言われ続けるヌメラ

基本的にアニメやゲーム等でどこでも弱いとされてきているが、一度洗い出してみる。

ゲーム本編

画像一例はXの図鑑説明である。まず、弱いと書かれている図鑑説明をまとめる。
今回記載しない図鑑説明はこちらから確認できる。

・X

一番 弱い ドラゴンポケモン
ヌメヌメの 体が 乾かないよう
ジメジメした 日陰で 暮らす。

・オメガルビー
Xと同様の内容。

・サン

最も 弱い ドラゴンポケモン。
皮膚が 乾くと 息が できないので
日陰で じーっと しているよ。

・ソード

体の ほとんどが 水分。
乾燥すると 干からびてしまう
最弱の ドラゴンポケモン。

ゲーム本編ではこの4タイトルの図鑑説明で弱いと説明されている。
ちなみに何れも「ドラゴンタイプの中で最も弱い」という内容だが、どのように弱いのかは記載がない。

■アニメ

アニメでの図鑑説明があったのは
ポケットモンスターXY 第55話
「最弱のポケモン!?ヌメラ登場!!」の登場シーン。
図鑑説明は

ヌメラ なんたいポケモン
ドラゴンタイプのなかで いちばんよわい
ポケモン。

ヌメヌメの からだが かわかないよう
ジメジメしたひかげで くらす。

とされており、やはりここでも「弱い」という説明がされている。

さらにサトシからは
「お前、本当にドラゴンタイプなのか?」

ムサシからは
「あんな弱そうなポケモン要らないわよ。」

と言われるシーンもあり、トレーナー目線でも「弱そう」、さらには「一目でドラゴンタイプかわからない」ということが分かる。
(それにしてもひどい言われ様だ。)

アニメの登場回についてはこちらにまとめる。

その他グッズ

その他グッズの説明等にもおおよそ弱いと書かれていることが多い。
ここでは省略し、今後新たに追記すべき公式資料が見つかり次第追記することとする。

また、カードも基本的にゲームの図鑑説明と同様の内容になっている。
ヌメラのカードは下記のリンクから確認できる。

https://www.pokemon-card.com/card-search/index.php?regulation_detail=XY&pokemon=%E3%83%8C%E3%83%A1%E3%83%A9

●検証 他のドラゴンポケモンと種族値を比較する

ここからは、実際のデータを元にヌメラの弱さを検証する。
ヌメラは未進化ポケモンであるため弱いことはすぐに納得してしまいそうになるが、隠しパラメータである種族値を他のドラゴンタイプのポケモンと比較し、正しく判断する。

■合計種族値比較

種族値比較
ミニリュウ:41-64-45-50-50-50(300)
タツベイ :45-75-60-40-30-50(300)
フカマル :58-70-45-40-45-42(300)
モノズ :52-65-50-45-50-38(300)
ヌメラ :45-50-35-55-75-40(300)
ジャラコ :45-55-65-45-45-45(300)
ドラメシヤ:28-60-30-40-30-82(270)
カジッチュ:40-40-80-40-40-20(260)
オンバット:40-30-35-45-40-55(245)

結果、オンバット等のヌメラよりも合計種族値が低いポケモンもいることが分かった。

これで合計種族値的には一番弱いドラゴン(タイプ)ポケモンではないことは確かだ。

■各種族値比較

では次に、各数値の比較をする。合計値では見つからない弱さが見つかるかもしれない。

種族値比較
ミニリュウ:41-64-45-50-50-50(300)
タツベイ :45-75-60-40-30-50(300)
フカマル :58-70-45-40-45-42(300)
モノズ :52-65-50-45-50-38(300)
ヌメラ :45-50-35-55-75-40(300)
ジャラコ :45-55-65-45-45-45(300)
ドラメシヤ:28-60-30-40-30-82(270)
カジッチュ:40-40-80-40-40-20(260)
オンバット:40-30-35-45-40-55(245)

太字部分が9匹の中で最も低い数値となる。
ヌメラは防御こそ低いが、同率最下位にオンバットがいる。
全体的に偏りの少ない種族値配分のため、極端に低い部分は存在せず、やはり最弱の理由にはならない

■比較対象はドラゴン『タイプ』ではない?
ゲームでの図鑑の説明は、「一番弱い『ドラゴンポケモン』」とされており、タイプのことではない可能性もある。

しかし、調べたところ先の検証で比較したポケモンは全てタマゴグループ「ドラゴン」であり、こちらも同様に最弱の理由にはならない事が分かる。

ちなみに、アニメの図鑑説明は「ドラゴンタイプ」とされている。


●考察 「弱い」の意味と生態を照らし合わせる

ここからは考察になる。

「弱い」という言葉には捉え方が様々あり、先の検証で証明した数値的な弱さの他にも、
・抵抗力が乏しい
・意志が堅固でない
・環境や条件に屈しやすい
などの様々な意味を持つ。(参考)

ここでは幾つかの弱さ意味を説明と照らし合わせて検証する。

適応できる環境が限定されている

図鑑説明から読み取れる通り、ヌメラは湿度の高い場所を好む。
理由のひとつはサン図鑑説明から分かる「皮膚が乾くと息ができない」という体質からだろう。

最も 弱い ドラゴンポケモン。
皮膚が 乾くと 息が できないので
日陰で じーっと しているよ。

つまりヌメラは一定以上の湿度がないと呼吸もままならず、生きていけないということになる。

また、ウルトラムーンの図鑑説明では

身体の ほとんどは 水分。
乾燥すると 死んでしまうので
いつも 日陰で じっと している。

とあり、呼吸のみならず、身体の乾燥で死に至る事まであるようだ。

また、ゲームでの出現場所も以下の通りとなっており、

・XY
14番道路 湿地帯、ランダムで天候が雨になる
・SM、USUM
シェードジャングル 雨天時のみ 仲間呼びで出現
17番道路 雨天時のみ 仲間呼びで出現
・剣盾
げきりんの湖 雨天、雷雨時のみ
清涼湿原 雨天、雷雨時のみ
集中の森 雨天、雷雨時のみ

やはり湿地や雨天等の環境が大きくか変わっている。

このように、限定された環境でのみ生きられるヌメラは、言い換えればつまり「抵抗力が乏しい」「環境や条件に屈しやすい」のような「弱い」という言葉の意味にもとらえられる。


■活発、攻撃的なポケモンではない等の意味合いから来る「弱い」


特性のひとつに「そうしょく(草食)」を有するヌメラは恐らく肉食のポケモンではないだろう。
現にアニメにおけるヌメラは特性が「うるおいボディ」にも関わらず、葉っぱを好んで食べている様子が描かれている。

アニメのヌメラが特性「うるおいボディ」であることは、ポケットモンスターXY 67話 「ミアレジム戦!サトシVSシトロン!!」において、サトシのヌメラが進化したヌメルゴンの特性が「うるおいボディ」であることが判明する。
ヌメルゴンは進化の過程で特性の変更がないため、サトシのヌメラは「うるおいボディ」であることが読み取れる。

私たちの暮らす世界でも、草食動物というのはやはり食物連鎖のピラミッド上強い立場ではない。

ただ、ヌメラ自体が他のポケモンに補食されるとは考えにくい。
しかし、シールドの図鑑説明

ツノは 優れた 感覚器官。
敵の 気配を 感じとり すぐに
隠れる ことで 生き残ってきた。

において、「敵の気配を感じ取りすぐに隠れることで 生き残ってきた。」という内容から、敵がいることは確かだ。
ナワバリ争いなのか、我々の世界の「猫とネズミ」のような狩りをして遊ぶような弄ばれ方なのかは全くわからない。
ただ、「攻撃される立場であること」を分かりやすく「弱い」と表現した可能性はある。

■弱点が剥き出しになっている

ヌメラのツノは優れた感覚器官であると、図鑑説明でも度々登場する。
先に書いた通り敵から身を守るためにも重要な器官である。
しかし一方で、剥き出しの弱点部位であることも読み取れる。
ウルトラサンの図鑑説明にはこうある。

ツノで あたりの 様子を 探る。
とても 敏感なので 握られると
ショックで 動けなくなってしまう。

しばらく動けないというのは、環境の変化に弱く、敵から隠れて暮らすヌメラにとって死活問題となる。
また、アニメ ポケットモンスターXY 55話にて、ユリーカの言動が気に入らなかったヌメラは、自らツノでユリーカの足をはたくシーンがある。
ユリーカ自身はツノの感触を気持ちいいとさえ発言しているが、その後ヌメラは具合悪そうにする。
つまり握られるような状態でなくとも、ツノに何らかの刺激があるだけで弱ってしまうことになる。

弱点であるツノがはっきり見えている事が、弱さの原因のひとつかもしれない

■対戦環境での弱さ

ポケモンの弱い強いの判断は大抵対戦環境での評価を言うことが多い。
しかしヌメラ自身は未進化ポケモンであり、当然ながら対戦で活躍できるスペックは低い。
ただ、これはどのドラゴンポケモンでも同じで、未進化ポケモンが活躍することは当然少ない。
そのため、ヌメラのみが対戦において弱いドラゴンとは言えない。

また、図鑑説明における弱さが対戦環境での弱さを示しているとはとても考えづらい。
理由としては、

・対戦環境は日々変化していくため、発売前から強い弱いの判定を下すことがほぼ不可能。(余程オーバースペックなポケモンでも無い限り予測すら不可能だと思われる。)
・ルールによって強さの指標が違う。

等がある。
さらに、種族値の概念は公式から発表されているものではなくあくまでも隠しパラメータのひとつであるため、これを公式が強さの指標としているとも考えづらい。
つまり、種族値、対戦での強さのどちらにおいても、公式が言う強さには関係ないと考えることが妥当である。

●まとめ

以上の検証及び考察の内容から、種族値の弱さを説明した内容で無いことは分かる。
また、少なくとも対戦環境での弱さを説明しているのではないということが分かる。
一方で、生物として弱いと感じる部分は多々あり、恐らく生態についての弱さを説明した内容が図鑑説明や各グッズ等のヌメラの説明となっている。

もちろんこれが本当の意味合いであるかは、公式の情報が足りないためはっきりと判断できない。
あくまでもひとつの考えとして参照頂きたい。

●さいごに

全体的に引き締まった文章になるかな~と思って、久々に常体で文章を書いてみました。

ヌメラが最弱のドラゴンであるということは、前からかなり気になっていた題材で、今回しっかり調べられてとても満足してます。

本当はもっと資料をいっぱい集めてから書こうと思ったのですが、なかなか時間が取れ無いので勢いで書いてしまいました。
完璧を目指すより、まず完成させろ」と偉い人も言ってたので。
あと今回は挿し絵を自分で描いてみました。
iPadでお絵描きアプリ入れて書いてみたのですが、どうにも文章に対して絵が貧弱過ぎる。
とはいえ、これ以上上手くも描けないのでどうしようもないですが。。


この題材について最終的に答えはないんですが、同じ疑問を持った人の参考になればと思います。

ヌメラについて調べるのはなかなか面白かったので、またいつか書きたいと思います。

おわり(o・~・o)。

●参考サイト

https://yakkun.com/swsh/zukan/n704



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