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アメリカには一般医と専門医がいる

臨床系が6分野
・補綴専門医(かぶせもの)
・小児歯科専門医
・歯周病専門医
・歯内療法専門医
・口腔外科医
・矯正専門医

☆基礎系(研究者や大学病院)が3分野
・公衆衛生学(国の政策立案などに関与)
・口腔放射線学
・口腔病理学

ここで、アメリカの専門医制度についてもう少し詳しくお話しします。

表にあるように、アメリカの歯科の専門は9つの分野に分かれています。

そのうち、私のような臨床系(実際に患者さんの診療にあたる医師)は6分野に分かれています。

臨床系には、これらの6分野の専門医のほかにGP(General Practitioner)と呼ばれる一般歯科医師がいます。

GPは、いわばホームドクターのような存在で、日常のメンテナンスや虫歯チェック、歯周病予防、簡単な虫歯の処置や被せ物の処置、審美の被せ物の処置などを行ないます。また、診断結果に基づいて治療計画を立て、得意不得意を含めて自分にはできない専門的な治療が必要な場合には、専門医を紹介します。

歯科治療が必要だと思ってGPを訪ねてきた患者さんが、実は骨や副鼻腔に関わる疾患をもっていれば、その分野の専門医を紹介することもあります。

アメリカでは歯に異常を感じると、まずGPへ行きますが、街中には「dentist」「Family dentist」と書かれた看板が出ているので、すぐにGPを見つけることができます。

一方、専門医はGPからの紹介で患者さんが訪れるので、一般向けの看板は出ていないことが多いです。

こうした専門医制度があることで、GPでの治療が難しい場合にはすぐに専門医と連携して対応できるため失敗が少なくなります。

GPとしても、専門医と診療分野を分けているため診療がスムーズに進み、診察日の調整もしやすくなります。

また、苦手な分野の治療はしなくてすむので、成功率が高い得意な治療だけで収入が得られるというメリットもあります。

アメリカの全歯科大学卒業生のうち大多数はGPになりますが、残りの少数の学生が専門医課程に進みます。

参考文献
「あなたの歯の寿命、大丈夫ですか?歯医者さんとの賢い付き合い方」
著・石井宏
発行・コスモ21

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